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    Yuna_hyphen

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    カミュセニャ

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    カミュセニャ。
    酒飲みます。
    カミュは酔ったら不機嫌になったりとにかくめんどくさいやつになってそうだよねと友人と話してるのを題材にしました。

    #DQ11
    #カミュセニャ
    camusenya

    酔っ払いにご用心今日はカミュさまが久しぶりに飲み会へ出席される日でした。
「付き合いだ、仕方ねぇ」と小さくため息をつきながら出かけていかれて、
私は「行ってらっしゃいませ」とお見送りしたものの、帰りをついそわそわと待ってしまいます。
    夜が更けて、もう日付が変わるかというころ、玄関のドアが勢いよく音を立てて開きました。
    「……ただいま」
    その声は、どこか不機嫌そうで。
カミュさまがお戻りになられたとわかり、私はすぐに玄関へ向かいます。
    「おかえりなさい。遅いお帰りで心配いたしました」
    「うるせぇ。待ってんならもっと早く迎えに来いっての」
    とっさに強い口調で返されて、私はちょっと面食らってしまいます。
カミュさまは明らかに普段より顔が赤く、足元もややふらつきます。 ジャケットを半分脱ぎかけ、ネクタイもゆるゆる、ツンツン髪はやっぱりご乱心のままこちらに詰め寄ってこられました。
    「カミュさま、よろしければお水を――」
    「いいから、こっち来い!……ったく、離れんなっていつも言ってんだろ」
    有無を言わさず私の腰を片手でぐいと引き寄せ、
もう一方の手で肩を抱かれてしまいました。
驚いて目を見張っていると、今度は私の頬や髪を乱暴なほどの勢いで撫でてきます。
    「こんな遅ぇ時間まで、お前は何してたんだよ。オレが帰るの知ってただろ?」
    「え、あの……カミュさまをお待ちしておりましたよ」
    「ほんとかよ。嘘つくな……他のやつと連絡取ってたんじゃねーだろうな」
    明らかに酔っぱらって、いつもより情緒が不安定です。
いつもはそっけなく、甘えるときさえ不器用なのに、
今夜は眉をひそめながら私の手を強く握ったまま、じっと目を離しません。
    「私はカミュさまのことしか考えておりませんよ。早くお帰りにならないので、心配で夜も長く感じました」
    「……ふん。だったら、ずっとこっちいろ」
    また私を胸の中にぎゅっと引き寄せてしまい、
髪の毛を乱暴に撫でたり、顔近くで息をつくほど距離を詰めてこられます。
    「苦しいです……少しだけ緩めてくださいませんか?」
    「やだ。お前、そのままだ。……オレだけ見てろって言ったよな」
    甘えるようなスキンシップが増えているのに、
言葉はどこか拗ねていて、トゲトゲしくなっておられます。
    「本当に、酔っておられますねカミュさま……。お水、お飲みになりませんか。明日お身体が辛いですよ」
    「いいって言ってんだろ!」
声も大きくなり、私の言葉が気に入らないのか、ますます腕に力が入ります。
    私は苦笑しながら「はい、わかりました」と小さく返し、
そっとカミュさまの背中をなでました。
    すると、それだけでカミュさまの怒りが少し収まるのか、
「……もう、離れんなよ」と低く呟いて、私の頭を自分の胸に押し付けてきます。
それで安心したのか、今度はなぜか私の手を両手で包むようにしながら、しばらく黙り込まれました。
    そのままソファに誘導すると、頑なに手を離してくださらず、
眠ってしまう直前まで「絶対どこにも行くなよ」というように私を抱きしめたまま離しませんでした。

    翌朝。
私は早めに起きて朝食の支度を始めました。
カミュさまはまだベッドで眠っていましたが、
ふいに寝室から誰かの強い足音が聞こえてきて、
やがて頭をガシガシ掻きながらぼさぼさの髪で現れました。
    「おはようございます、カミュさま。気分はいかがですか?」
    「……あー……」
眉間にしわを寄せて座り込み、私の方をちらりと見て、
そこでようやく手に持っていた私のパジャマの袖を見つけてむすっとした顔をされます。
    「昨日、何か……変なこと言ったか?」
    「怒っていらっしゃいましたが、そればかりでなく、とてもスキンシップが多かったです。しばらく手を離してくださいませんでしたよ」
    言うと、カミュさまは心底うんざりしたように、しかし耳元までじわっと赤くなり、顔をそむけました。
    「……悪かったな。オレ、酒弱いし……」
    「いえ、とても嬉しかったです。普段より、カミュさまがそばにいてくださって、
私は本当にしあわせでした」
    「……変なやつめ」
そう呟きながらも、
テーブルの上で私の手をそっと撫でてから、
「……次は、あんまり飲まずに帰る」とぽつり呟かれました。
    朝陽が差し込むダイニングで、カミュさまのそんな不器用な優しさが、
私はやっぱりたまらなく好きだと、改めて感じるのでした。
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