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    猗窩煉ワンドロお題「白昼夢」(44min)

    原作軸でこっそり会ってる2人。

    #猗窩煉ワンドロ
    sangrokiaWangdro.

    幻想の向日葵 いつもと違って、彼には入れ墨が無かった。あの独特な青白い肌も血色が良くて肌の色が明るい。特徴的な紅い髪だけは相変わらずだが、それでもだいぶ、いつもより人に近い姿ではある。幼い顔立ちがいっそう引き立つが、より一層その姿は美しい。

    「杏寿郎」

     そう自分の名を呼ぶ彼は、青空の太陽の下で向日葵の花を持って佇んでいる。彼は以前に「まるでお前みたいだな」といいながら夜にややしおれた向日葵を持ってきたことがあった。あの時と違い、手に持っている向日葵は、夏の青空の元で勢いよく太陽の方を向いていた。
     ああ、夢なのだな、と、すぐ気付いた。でなければ彼の入れ墨が消えることも、太陽の下で向日葵を持つこともない。
     しおれた向日葵を持ってきた夜、彼は杏寿郎の剣技を褒めたたえて、それからぽつりと言った。

    「お前はこの花みたいに青空の下が似合うんだろうな」

     想像だけで、それは彼が決して知り得ない己の姿だ。
     
     叶うことなどカケラもない想いを胸に、夜しか会えない関係はとても不毛だった。もう会わないほうがいい、といつもどちらかが言うわりに諦めきれずに、もう何度、秘密裏に体を重ねたことだろう。求めた所で破滅しかない。夢想の中で互いに笑うことくらいしかできないのに。
     けれど不思議と虚しくは感じなのは。彼を欲しがる気持ちにだけは嘘がないから、だろうか。


     リリン、という母の風鈴の音で白昼夢から目覚めた。少しだけ、煉獄本家の縁側で少し休むつもりだったが、日輪刀を抱えたままうっかりうたた寝していたようだ。

     見上げた先に真夏の太陽が天高く昇っている。

     それを見ながら、鬼に恋焦がれて夢まで見る者は、あの太陽のような業火で地獄で焼かれるのだろうか、とふと思った。

    「どうせ焼かれるなら、君と一緒がいいな」

     たとえ罪だとしても、人の想いが消えることなどあり得ない。それも許さないと言うならば、せめて死んで共に責苦を負うのは一緒であってくれ、と願った。
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    DONE猗窩煉/現パロ
    実家から出て2人で同棲してます。
    ライトな「価値基準が違うようだ!」が書きたくて書いたお話です。
    喧嘩したり家飛び出したりしてるけど内容は甘々。
    「君とは価値基準が違うようだ!!実家に帰らせてもらう!」

    近所中に響き渡る声と共に、騒々しく杏寿郎は出ていった。
    またか、と勢い良く閉められた玄関のドアをぼうっと見つめること10分。リビングの方から間の抜けた通知音が響く。重たい足取りで通知を確認すると、それはまさしくさっき出ていった杏寿郎からのメッセージだった。

    『今日は実家に泊まる』

    …律儀と言うか何と言うか。喧嘩して出ていったにも関わらず、ちゃんとこういう事は連絡をしてくるのだ、杏寿郎は。

    先程までどうしても譲れないことがあって口論していたのに、もう既にそのメッセージだけで許してしまいそうになる。

    駄目だ、と頭を振って我に返る。この流れもいつものことだった。実際、今までは俺の方から折れている。

    杏寿郎と一緒に住むようになったのは一昨年の12月。あれから1年と少し経っているが、住み始めた頃も今も、些細なことで言い合いになって杏寿郎が家を飛び出すという事がたまにある。

    その度に「価値基準が違う!」とか何とか言って出ていくものだから、正直なところ、デジャブの様なものを感じてかなり傷ついていた。

    だが毎回、言い争いの原因は 3534

    ほしいも

    DONE■現代パロディ(ほんのりキメ学)
    ■狛恋と猗窩煉
    ■狛治くんと猗窩座くんが双子
    リビングが甘ったるいチョコレートの匂いで満たされている。鼻の奥が熱くなるような、朝一に浴びるには少し重たい香りだ。キッチンに立つ兄弟の背中は、後ろ手に結んだのであろうエプロンの結び目が逆さまになっている。
    「おい、朝から何してるんだ。」
    「カヌレを作っている。」
    「かぬれ…なんで?」
    「バレンタインデーだから。」
    「バレンタインデーだから…?」
     キッチンに踏み入ると、甘い匂いが強くなる。
     効率よく家事を熟することを半ば趣味にしている兄弟を中心に、予め用意されている材料や道具が広げられている。手元を覗くと大きなボウルが湯で満たされていて「湯せん…。」と、先日覚えたばかりの調理工程を呟く。簡単な食事の支度をする事はあっても、菓子作りについては全く明るくないので並べられている道具も、一度も触ったことがないものもちらほら目に付く。
     湯を張ったものより二回りほど小さいボウルに入れられているチョコレートをひと欠片拝借して、口に放り込む。漂っている香りよりも直接感じる甘味はくどくなく、カカオの香ばしさも感じ取れる。大量に削っているが、結構良いチョコレートなんじゃないか。

    「バレンタインは、女 1942