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    yctiy9

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    怖い夢を見たという個人的な話
    ※怪異的な怖さです。

     とある団地の一室でホラーゲーム実況のようなものを見ていた。「ようなもの」と言うのも、正直、誰かの声で実況していたかが曖昧だったからだ。
     そのゲームは、とある一家に起きた不可解な不幸を描いたものだった。ゲームのマップは食卓のみ。3Dゲームではなく、2Dゲームで、絵はリアル寄りだった。画面上には父、母、息子の三人家族が食卓を囲んでいる。画面上から見て右手には別室へと繋がる扉があり、その向こうは風呂場の脱衣所のようだ。
     内容は断片的にしか覚えていないが、食卓に座る三人家族の外見が滑らかに変化する。徐々に首と顔の境目が分からなくなるほど太っていったかと思えば、今度はどんどん顔色が悪くなる。緑になっていく。そこで私は気づく。このゲームの間取り、今、私がいる部屋と同じではないか。頭の片隅でヤバいなーと焦り始める。その間にもゲームは進む。いつの間にか家族は画面上からいなくなっていて、その代わり化け物がいた。巨大な顔から蜘蛛の脚が生えたものと、それの横に細長い赤黒い影のようなものがいた気がする。細長い方は何もせず突っ立っているだけだったが、巨大な顔は脱衣所の方に走っていく。その時、どういう経緯か忘れたが、私は脱衣所に人がいる事を知っていた。それが母なのだということもなぜか分かっていた。逃げて、と言う前に悲鳴が聞こえてゲームはそこで終わる。悲鳴は母よりだいぶ若い女性の声にも聞こえた。
     私は団地の二階の廊下に立っていた。団地はロの字構造になっていて、真ん中は地上から最上階まで吹き抜けになっている。私はロの字の角の辺りに立って、見知らぬ誰か二人と話していた。私の視界の先には部屋の扉がある。何号室かまでは分からないが、言いようのない恐怖が襲う。けれど二人は何も感じていないのか、その場で話続ける。何を話していたのか、詳細な内容は覚えていない。ふと扉から目を離した間になぜか母がやってきて、部屋の前で立ち止まる。扉には手書きの黒文字で「スタミナ」と書かれていた。さっきまで、そんな紙は無かった。母は「スタミナ丼でもやってるのかな」と言って部屋に入ってしまった。止めようとしたけれど上手く声が出せなかった。夢でよくある、上手く体が動かせない状態だ。どうしよう、と焦ったのも束の間、母はすぐに部屋から出てきた。何か言いながら私に、その「スタミナ」と書かれた紙を渡してくる。
     よくよく見るとその紙は契約者のようなもので、大事な部分に緑のマーカーが引かれていた。気味が悪くて一瞬しか文章は読まなかったが、「命の保証はありません」との一文が読み取れた。私はその紙を持っているのも嫌で、咄嗟にクシャクシャに丸めて部屋の開きっぱなしの扉目がけて放り入れた。部屋は真っ暗で中の様子は伺えなかったが、玄関のすぐそばまで物が散らかっているようだった。少なくともスタミナ丼をやっている店のようは雰囲気はない。誰かの気配もないが、妙に「おいで」と招いているような空気を感じた。
     扉を閉めなくてはいけないが、そうなると部屋に体を少し入れなくてはいけない。それが怖くて動けないでいると、話していた二人のうち一人が部屋に入ることなく扉を閉めた。なんか壁をグイッと押したら閉まった。さすが夢。
     ふと、吹き抜けの中庭に目をやると、警察や救助隊がきていた。どうやら二階の廊下から飛び降りた人がいるらしい。幸いその人は軽傷で済んでいたようだ。救助隊は二階にも来ていて、いつの間にか二階の廊下に人が増えていた。救助隊が話し込んでいる所に一匹のポメラニアンがやってくる。口に何か咥えて、どうやら一階に行きたいらしい。ポメラニアンはテコテコ走って、廊下の排水溝?のようなところに落ちてしまう。排水溝には格子がはめられているが、格子の穴が大きく、人でも足が入ってしまうほどの大きさで、はっきり言って落下防止の役割も、ゴミを堰き止める役割も担っていなかった。ポメラニアンは無事、救助隊に助け出され地面に降ろされる。再び元気よく歩き出した時、どこからともなくリンゴが一個転がってきた。ほんとうにどこから転がってきたのかが分からないが、見てはいけない、触れてはいけない、逃げようと脳内が警鐘を鳴らす。近くには救助隊がまだいたが、恐ろしくなって私は後退りしながら逃げた。
     廊下も中盤まで来た頃、私が来た方向から変な音が聞こえる。見れば顔が地面を歩いていた。動く原理は分からないが、奇妙な音を発しながらこちらに近づいてくる。「きひゅ」だの「にひゅ」だの、なんかそんな感じの音だ。聞いていると、その音は「肉」と言っていることに気がついた。この顔は肉を求めているのだ。私は後ずさる。私の後方にはエレベーターと階段がある。そして、そこには他にも人がいる。前には進めないから、人のいる方に行くしかない。私以外の人は顔に気づいている様子は無かった。
     次の場面に切り替わった時、私は顔のいる廊下の向かいの廊下にいた。階下に行くための階段は救助隊の方にある。一応、私が回ってきた廊下にもエレベーターがあるし、階段もあるが、なぜかそちらから降りようという考えは浮かばなかった。
     私は顔の位置を確認しようと向かいの廊下を見る。目があった。顔は地面を歩いていて、廊下にはもちろん落下防止に高い壁があるから、本来なら顔の存在自体見ることはできないのだ。けれど、顔は浮いていたのか、目があった。次の瞬間、顔は中庭を飛び越えて飛んでくる。距離にして約10メートル。そこを一気に越えてきた。顔は私の行く先に落ちる。今度こそ私は走って来た道を戻る。その頃には流石に他の人も顔の存在に気がついていたらしい。それに私が逃げる先、つまり人が多い方向から、首のない少年のような細い身体が手を伸ばして駆けてくる。探していた自分の首を捕まえようとしていたのか、それとも肉を捕えようとしていたのか。

    そこで目が覚めた。最悪の夢だった。そんでもってこの団地、以前も悪夢をみた時に出てきたと思うんだよなー。そん時も怪異現象が発生してたんだよなー…
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    yctiy9

    MEMO怖い夢を見たという個人的な話
    ※怪異的な怖さです。
     とある団地の一室でホラーゲーム実況のようなものを見ていた。「ようなもの」と言うのも、正直、誰かの声で実況していたかが曖昧だったからだ。
     そのゲームは、とある一家に起きた不可解な不幸を描いたものだった。ゲームのマップは食卓のみ。3Dゲームではなく、2Dゲームで、絵はリアル寄りだった。画面上には父、母、息子の三人家族が食卓を囲んでいる。画面上から見て右手には別室へと繋がる扉があり、その向こうは風呂場の脱衣所のようだ。
     内容は断片的にしか覚えていないが、食卓に座る三人家族の外見が滑らかに変化する。徐々に首と顔の境目が分からなくなるほど太っていったかと思えば、今度はどんどん顔色が悪くなる。緑になっていく。そこで私は気づく。このゲームの間取り、今、私がいる部屋と同じではないか。頭の片隅でヤバいなーと焦り始める。その間にもゲームは進む。いつの間にか家族は画面上からいなくなっていて、その代わり化け物がいた。巨大な顔から蜘蛛の脚が生えたものと、それの横に細長い赤黒い影のようなものがいた気がする。細長い方は何もせず突っ立っているだけだったが、巨大な顔は脱衣所の方に走っていく。その時、どういう経緯か忘れたが、私は脱衣所に人がいる事を知っていた。それが母なのだということもなぜか分かっていた。逃げて、と言う前に悲鳴が聞こえてゲームはそこで終わる。悲鳴は母よりだいぶ若い女性の声にも聞こえた。
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