ダイブ・トゥ・ブルー(暦は鳥と一緒だ。だから、追いかけたいって思うんだ)
いつだったか、ランガは俺にそう言った。
高校生のときの、通い慣れた沖縄のパークでのことだったかもしれないし、二人でロサンゼルスに渡ってからの、有名なパークでのことだったのかもしれない。ランガは俺がバーチカルでトリックを決めたのを見て、目を細めながらそう言った。
そのあとランガは同じ場所で、俺よりもずっと高くて難易度の高いエアートリックをメイクした。その芸術的な滑りに、周辺にいたスケーターや観客たちがいっせいに声をあげる。イヤミなやつだな、と俺は肩をすくめた。沖縄に降った雪。あのとき自分の目に映ったランガの姿を、俺はきっと一生忘れない。ランガは鳥で、一生それを追いかけ続けたい。そう思っているのは俺のほうなのに、ランガは純粋な目で俺を見て、暦はすごい、と言う。
2115