今も、ずっとその通知音を聞いた瞬間、シンヤは思わず手を止めた。
「……え?」
スマホの画面に浮かんでいたのは、見慣れた名前だった。
ウシミツ
「今度、日本に行くことになったでござる。時間があれば、お会いできるだろうか」
それだけの、簡素なメッセージ。
それでも、シンヤの心臓はひときわ大きく鼓動を打った。
金髪のセミロングを揺らしながら、無垢に微笑むあいつの姿が、脳裏によみがえる。あまりにも自然に、鮮やかに。
(……まさか、また連絡が来るなんて)
3年前、ウシミツがイピリスの実家へ帰るのをきっかけに別れてからも、しばらくは連絡を取り合っていた。誕生日、季節の挨拶、たわいない報告。けれど、やがて返信は数日に一度となり、週に一度に、そして月に一度。
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