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    まるお

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    まるお

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    大学生🐺と天使🐮(人外)の話
    シンウシです
    続きものです、全部かけたら支部あげるかもです

    #シンウシ

    その羽根を抱きしめて夜の空気には、雨の匂いが混じっていた。
    俺はコンビニに行き、アパートへ帰る途中、だった。

    ふと雨の匂いがし、空を見上げた。

    (雲、低いな……降るかも)

    湿った風が頬を撫でる。
    人通りのない住宅街の道、いつもの静かな夜。
    けれど、その時。

    「……っ!?」

    視界の端で、白い閃光が走った。
    遠くじゃない。音もほとんどしなかったが――確かに、すぐ近くで何かが光った。

    雷? でも地響きも揺れもない。
    不自然な落雷。

    戸惑う間もなく、空を仰いだ俺の目に、
    ――何かが降ってくるのが見えた。

    ひゅう、と。
    人の形をした、光をまとう何かが。

    (え?)

    それは、まるで羽のように。
    人の形をしているのに、重力に抗うようにゆっくりと、ふわりと落ちてくる。

    (人……か?)

    目が離せなかった。
    白い、柔らかな光に包まれていて、まるで現実じゃないみたいで。

    だが、それが確かに“地面へ落ちている”と理解したとき、
    俺は咄嗟に走り出していた。

    (間に合う……!)

    この距離、この速度なら――

    それが、落ちる直前、間に合え!と、がむしゃらに両手を伸ばした

    「っ、うわ……!」

    その身体を、俺はなんとか両腕で受け止めた。

    ぐっ、と膝に力がかかる。
    衝撃は思ったよりも軽く、風を抱きとめたような感覚だった。

    腕の中にいたのは、金色の髪の少年だった。
    肩甲骨のあたりから、柔らかそうな純白の大きな翼が生えていた。

    「……は?」

    思わず呟くと、羽根がふわりと揺れた。
    目を閉じたその顔はあまりに整っていて、
    まるで西洋の物語から抜け出したみたいだった。

    「……いや、どこのコスプレイベント帰りだよ」

    冗談のつもりで言ったが、反応はない。
    呼吸はしている。体温もある。だけど――異常なことだらけだ。

    人間にしては軽すぎる。
    羽なんて、どう考えても生えてるわけがない。

    (夢、ってことはねえよな)

    俺は周囲を見回した。
    深夜のせいか、人の気配はない。

    そして――

    ぽつり。

    額に、何か冷たいものが落ちた。

    見上げると、空から――雨が降り始めていた。
    まるでこの瞬間を狙ったように、静かに、音もなく。雨粒が、肩や背中に当たる。
    受け止めたばかりのこの少年にも、静かに降りかかる。

    「……とりあえず、連れて帰るか」

    深く息を吐いて、背に少年の体を背負った。
    無視して立ち去るには、あまりに非現実的で、あまりに気になりすぎる。

    背中で微かに羽が揺れる感触がして、
    俺はもう一度、空を見上げた。

    曇り空の向こうには、星も、月も、何もなかった。

    でも――あの白い光だけは、間違いなくここに落ちてきた。

    ゆっくりと彼の体を背負い直し、雨の中を走り出す。着てたシャツも、背負ったこいつも、すぐに雨で重くなる。
    それでも、不思議と嫌じゃなかった。






    ようやく大学の近くのアパートに着き、玄関のドアを足で押し開け、濡れたスニーカーのまま部屋へ入る。

    「……よっと」

    慎重に背中から抱えていた“何者か”を下ろすと、畳の上に濡れたしずくが落ちた。

    雨は今も降り続いている。
    服も髪も、そして――背中に生えた羽も、しっとり濡れていた。

    俺はタオルを2枚手に取ると、一枚は自分の頭に乗せ、もう一枚で目の前の来訪者の顔や髪をそっと拭いた。

    顔は穏やかだった。まるで眠っているような。
    ただの眠りか、昏睡なのか、判断はできない。

    (……とりあえず、こっちが驚いたのは)

    背中だ。

    服の隙間から見えた白い羽根をそっと広げてみると、それはまるで鳥のように根元から――身体に直に生えていた。

    「……マジかよ」

    コスプレやふざけた衣装なんかじゃない。
    装飾でもない。肉体と羽が繋がっている。

    背筋がぞわっとした。
    でも、それ以上に―なぜか、目を逸らせなかった。

    柔らかそうな白い羽毛。
    雨に濡れて、ほんのり透けているのがやけに生々しい。

    それでも、彼は呼吸を続けていた。
    穏やかに、静かに。

    胸が上下している。
    眠っているように見えて、体温もある。
    心臓の鼓動も感じた。
    羽以外は―、どう見ても、ただの人間だ。

    「……なんなんだよ、ほんとに」

    混乱はしてる。してるけど。
    目の前の誰かが、確かに“生きている”ってことだけは、疑いようがなかった。

    だから俺は、こいつの世話を続行することにした。

    (……こりゃ、完全に着替えさせなきゃダメだな)

    俺はタオルで顔と髪を拭いたあと、
    少し迷ってから――そいつの体にかけられた、濡れた布をめくった。

    着ていたのは、まるで儀式服のような、薄い白い布。
    滑らかで、身体にぴったりと貼りついていて、
    雨に濡れて透けかけているその姿に、さすがに一瞬だけ視線を逸らした。

    「……いや、これは人助け…」

    布の下に見えたのは、人間に近い身体だった。
    やせ細ってもいなければ、筋肉質でもない。
    ただ、無防備で、綺麗で――
    何より、背中から生えている羽根の根元がしっかりと見えた。

    着ていた布をゆっくり脱がし、
    濡れた身体と羽根の根元を優しく拭いていく。
    力を入れると痛めそうで、慎重に、まるで壊れものを扱うように。

    濡れた体を先にタオルで拭きながら、肌が冷えていないか確認した。
    体温は安定していて、呼吸も穏やか。
    腕や脚の節々にも異常はなさそうだった。

    「……ほんとに人間みたいだな」

    でも、羽が生えてる。
    それだけで、“普通”の定義が崩れる。


    拭き終わる頃には、少し羽がふわりと戻ってきた気がした。指先に、羽毛の感触が残る。

    「……よし」

    問題は代わりに着替えさせる服だ。
    身体に直接羽根が生えてる以上、羽根ごと着せる必要があった。

    「……しゃーねぇか」

    俺はクローゼットを開け、手持ちの安いTシャツの中から白地に無地の一枚を引っ張り出す。
    これなら羽根で多少膨れてもなんとかなるか――って思ったが、問題は背中だった。

    (羽根のとこは、穴あけるしかねぇよな……)

    引き出しからハサミを取り出し、Tシャツの背中部分に二つ、丸く切れ目を入れた。
    小さな穴から少しずつ破いていって、羽根が通るくらいのスペースを作る。

    「……起きたら怒られるかもな、これ。」

    自分で言って少しだけ苦笑しながら、
    先にTシャツの頭や腕を通して、背中の穴に羽根をゆっくり通していく。

    Tシャツを着せ終え、肩にかかった羽根を外にふわりと出す。
    あとは、もう一枚のタオルを膝にかけた。

    「……まぁ、しばらくはそれでいいか」

    そのまま布団にゆっくり寝かせると、
    ふわふわの羽根が布団のシーツに広がる。
    その様子が、なんだか一枚の絵画みたいだった。

    改めて顔を覗き込む。

    睫毛、長。
    鼻筋も綺麗で、唇の色もいい。
    濡れて乱れた髪すら様になってるのが腹立つくらいだった。

    「……ほんとに、天使かもな」

    ぽつりと漏らした言葉に、返事はない。

    目の前の少年はただ静かに眠り続けていて、
    まるでここが自分の場所かのように、安心しきった寝顔だった。

    その顔をもう一度だけ見つめてから、
    掛け布団をそっとかけ、自分はすぐ横の畳の上に寝そべった。

    (……夢じゃねぇよな)

    窓の外では、まだ雨が降っている。

    部屋の中だけが、不思議なくらい静かだった。











    朝の光は、静かだった。

    カーテンの隙間から差し込む陽射しが、
    畳の上の布団を淡く照らしている。

    その中で、ゆっくりとまぶたが震え、
    金色の睫毛が光を弾いた。

    「……ん……」

    微かな息遣い。
    やがて、羽を持つ少年はうっすら目を開けた。

    視界がぼやける。
    頭がぼんやりと重くて、身体に違和感が残っている。

    ふわふわとした羽が敷き布団に触れ、
    目の前には、やけに近い人の顔――

    (……?)

    ほんの数十センチ先に、
    無防備な寝顔の青年。

    静かに眠るその顔が、目の前にある。
    彼のの脳内で警報が鳴った。
    状況は不明。相手は知らぬ者。
    しかし顔が近い! 近すぎる!

    「ひ、……ひゃあああっーーーー!!!!!?」

    布団をバサッとめくり、
    思いきり上半身を跳ね起こす。

    それと同時に――

    「うわああああっ!?!?」

    シンヤも、反射的に飛び起きた。

    ばっと互いに距離を取り、
    畳の上で向かい合うふたり。

    一瞬の沈黙。

    ……そのあとだった。

    少年の金髪が朝日に透けて、
    背中の羽根が光を透かすように揺れ、
    その姿がまるで宗教画から抜け出た天使像のように映ったのは。

    シンヤは、呼吸を忘れそうになった。

    (……なんだよ、その見た目は)

    神秘的、という言葉がそのまま形になったような存在。
    目が覚めたばかりで、少し混乱した顔。
    けれど、それが余計に――やばい。美しすぎ。

    「……っ」

    危うく口に出しかけたその思いを、
    すんでのところで飲み込む。

    けれど次の瞬間、彼の身体が微かに震えた。

    怯えたように両腕を体に寄せ、
    視線が泳いでいる。

    (あ、やべぇ……パニクってる)

    シンヤはすぐに
    できる限り穏やかな声で言った。

    「おい、大丈夫。落ち着け。何もしねぇよ。……お前、昨日、空から落ちてきたんだよ」

    少年は目を見開いた。

    「……?」

    「夜、雷のあとに、上からお前が降ってきた。
    俺が受け止めて、雨だったから、連れて帰ってきたんだ。
    服も濡れてたから拭いて――あ、勝手に着替えさせて悪かった。
    でも、あんた死にそうだったから」

    シンヤは言葉を詰まらせながらも、
    できるだけ落ち着いた声を保って言い切った。

    少年は、しばらくきょとんとした顔で聞いていたが――
    次第に、眉がわずかに動いた。

    そして、ぽつりと呟いた。

    「……そうでござった。拙者、空を飛んでいて……」

    「……?」

    「下界の視察中……あの雷に……ぶつかって……」

    額を押さえる。

    「ううっ……確かに……」

    しばらく沈黙が流れたのち、
    少年は、ぺたりと正座をして、
    少し緊張しながら、口を開いた。

    「その……改めまして、助けてくださり、誠にありがとうでござる」

    「……あ?」

    「拙者、天界より来た者にて……その、あの……忍者に憧れを抱き、密かに下界を……」

    (ちょっと待て)

    シンヤの脳内が一時停止した。

    (なんだその喋り方は……拙者? 忍者?)

    見た目はどこからどう見ても西洋の天使。
    金髪、青白い肌、背中の羽根。
    それが目の前で正座して、忍者の話をしてる。

    (……顔が良すぎるのに言葉が渋すぎる)

    「……忍者、好きなのか?」

    「はいっ!」

    ぱあっと表情が明るくなる。

    「幼き頃より、忍者とは静かに影を歩み、人を守り、その身を隠して使命を果たす者……まこと理想の在り方にござる!」

    (……ギャップ強……!!)

    シンヤは咄嗟にツッコミそうになったが、
    ウシミツがあまりに真剣に語るので、なんとか堪えた。

    そして、思った。

    (……よくわかんねぇけど、たぶんコイツ、悪いヤツじゃないな)


    「ハッ!拙者つい夢中になってしまったでござる!
     その、改めまして……拙者の名は――」

    ウシミツはぴんと背筋を伸ばすと、
    清らかな空気をまとって、堂々と口を開いた。

    「天使階級 第七天所属、セラフ管轄名義番号2-14-Ω、第八祝福交差口発信、ウシュミツァ=エレリオン=ルルフェリア=ディア=シュトルヴィエル=ネフェル・アルティリエ、
    でござる!」

    「は!!?ちょ、ちょっと待って!? 長い!長すぎるだろ!!!」

    シンヤは思わず両手を前に出して止めた。

    「えっ? 拙者の名が……?」

    「いや、違う、そういう問題じゃなくて!まず覚えられねぇし、今のどこが名前でどこが名字ででどこまでが役職なんだよ!」

    「全部名前でござる!」

    「いやムリ!!!」

    そのまま膝に手をついてぐったりするシンヤ。
    一方ウシミツはきょとんとした顔で見つめている。

    「……せめて、こっちが呼びやすい名前にさせてくれ。
    あー……えっと、昨日確か、丑三つ時くらいに落ちてきたし……“ウシミツ”とか……?」

    ぼそぼそと呟くシンヤ。

    「……いや、というか、やっぱりお前天使なんだよな…、なのに“丑三つ時”って……縁起悪そうな名前……」

    と、その時――

    「カッコいいでござる!!!」
    パァァァァッ!!!

    シンヤの言葉を遮るように、
    ウシミツの顔がぱっと明るく輝いた。

    「その名、拙者にください!とても素敵でござる!」

    「……えっ、マジか?」

    「“ウシミツ”……渋くて、神秘的で、まるで忍の者のよう……!拙者、気に入ったでござる!」

    (……コイツ、テンションの振れ幅すげぇな)

    シンヤは一瞬呆れかけたが、
    満面の笑みを浮かべるウシミツの顔を見て、つい――笑ってしまった。

    「……じゃあ、決まりだな。ウシミツ」

    「はいっ!」

    「俺は、大江戸シンヤ。二十歳。普通の大学生な」

    「シンヤ……!」

    その名前を聞いた途端、
    ウシミツの顔が、さらにキラキラと輝いた。

    「“深夜(しんや)”……ウシミツとお揃いでござるな!」

    「いや、“深夜”じゃなくて“シンヤ”な……」

    「運命を感じるでござる!!」

    もう何を言っても無駄な気がした。


    そして次の瞬間、ウシミツが両手をついて、
    ぴたりと正座し直しジッと真剣な眼差しをシンヤに向けた。

    「……な、なんだよ!」

    「拙者、貴方の忍びとなりたいでござる!」

    「………………」

    「拙者を助けてくれた、まさに命の恩人……!そして見ず知らずの同族ですらない、拙者を迷わず抱きとめてくれたこと、まことに尊敬の至り……!」

    「いや、それは咄嗟だっただけで――」

    「いえ!貴方こそ殿に相応しい!!」

    ぐぐっと距離を詰めてくるウシミツ。
    その顔は、まるで真珠細工のように整っていて、
    まつげが長くて、目が真っ直ぐで――

    「拙者の“殿”になってほしいでござる!!」

    「……なっ……!?」

    この距離は、ずるい。
    この眼差しは、ズルすぎる。

    (ちょ、待って。近い。顔、近いって……)

    その圧に気圧され、赤面しながらも、
    シンヤは思わず顔を逸らした。

    「わ、わかったよ……! なればいいんだろ……!」

    「よろしいのでござるか!!?」

    (うるせぇ……声でけぇよ……)

    ウシミツが、ぱあっと笑顔をはじけさせた。
    まるで光が差し込んだように、その顔は明るく、
    心からの喜びを隠すこともせず、満面の笑みを浮かべる。

    そして、感情があふれたのか、背中の羽根を
    ふわっ、ふわっ、ぱたぱたっ
    と何度も動かしはじめた。
    天使の羽根が、嬉しそうにパタついている。

    シンヤはその様子をしばし呆然と見つめ、
    心の中で、ぽつりとつぶやいた。

    (……犬の尻尾かよ)

    なのに、なんだかそれが可愛くて、
    つられるように、小さく笑ってしまった。

    ウシミツが羽根をパタパタと嬉しそうに動かしているのを眺めていたシンヤは、ふと現実的な疑問を思い出したように口を開いた。

    「……喜んでるとこ悪いけどさ。お前、その……元いた所に帰らなきゃいけねぇんじゃねーの?」

    すると、ウシミツは表情をぴしっと真面目に戻して、こくこくとうなずいた。

    「本来であれば天界へ戻らねばならぬのでござるが……雷鳴に打たれた衝撃のせいで、どうやら身体の機能が著しく低下しているでござる!」

    「いや、全然元気そうに見えるけどな……」

    「羽根での飛行も困難でござるゆえ、しばらくは帰還できぬ!」

    ウシミツは堂々と宣言し、続けて言った。

    「だから!それまでは、拙者が殿の身の回りのお世話や護衛を全ういたす所存!」

    「いや俺、別に誰にも狙われてねぇけど?」

    「いえ!殿は優しい方ゆえ油断禁物でござる!」

    「そんな張り切られても困るんだけど…」

    シンヤは額を押さえつつ、現実に引き戻されるようにもう一つの疑問をぶつけた。

    「そもそも、身の回りのお世話って、
    お前、家事とかできるのかよ?」

    ウシミツは自信満々に、胸を張って答える。

    「やったことはないでござる!!」

    「やっぱりか!!!」

    「だが拙者、学習能力はあるでござる!殿の暮らしをサポートできるよう、すぐにでも修行を始める所存!」

    シンヤは盛大にため息をついた。

    シンヤの困った表情にウシミツはふと表情を曇らせて、ぽつりとこぼした。

    「……でも、もし本当に迷惑なら……拙者、外で暮らすでござる。下界で天使だと知られてはならぬゆえ、身を隠して生きる他ないでござる……」

    その声はどこか寂しげで、視線は伏せられていた。
    その姿に、シンヤは無意識に心を締め付けられる。


    「……はぁ。今のお前を放っておけるわけないだろ。わかった、ここで暮らせよ。俺もお前を外に放り出すほど鬼じゃねぇし」

    「本当でござるかっ!?」
    ウシミツがぱっと顔を上げ、ぱぁっと笑顔を咲かせる。

    「その代わり、家事はちゃんと覚えろよ?」

    「もちろんでござる!」
    ウシミツは勢いよくシンヤの手を両手で握った。

    「契約成立でござるな!拙者、殿の忍となり、共にこの屋敷を守る所存!!」

    「アパートだけどな……」

    また羽根がパタパタ動きだし
    シンヤはつい、笑ってしまった。
    このちょっとズレてる、でも一生懸命な天使を、追い返す理由なんて――どこにもなかった。



    ⸻つづく?



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    まるお

    MOURNING🐺と🐮🍯が初めて出会った日イメージの、シンウシです。

    ※シリアスメインですが🐺に出会ってるので救いあり
    ※プリパラ本編のひびき様の過去話から、🐮🍯の両親も同じ船に乗っていたら似たようなことが起きるかも?という妄想から来てるのでその辺りは同じ展開です。
    ※ウシミツが基本忍者言葉ではなく基本敬語です(中学の時に日本に留学してから忍者語になっていったと勝手に思っているため)
    また、会えたらまだ朝霧の残る静かな日。
    小川のせせらぎと蝉の声、遠くの鳥のさえずり。それらすべてが心をくすぐるような、まるで絵本のような風景。

    「これが……本物の温泉旅館!!」

    当時9才のウシミツが目を輝かせながら見上げたのは、木造三階建ての歴史ある日本家屋。
    数寄屋造りの屋根、石畳の玄関、そして浴衣を着た仲居たちの出迎え。

    ウシミツは貴族の子ではあったが、日本の忍者、そして日本という地に強い憧れを抱いていた。

    両親は旅客船でしばらく家を空けており、当時ウシミツはその期間、執事と使用人数人、そして彼の「友人たち」である同世代の子どもたちを連れての滞在だった。

    「ねえ、温泉っていうのに行ってみよう」
    「先にアイス食べようよ」
    「それよりゲームした方が楽しいよ」
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    「これが……本物の温泉旅館!!」

    当時9才のウシミツが目を輝かせながら見上げたのは、木造三階建ての歴史ある日本家屋。
    数寄屋造りの屋根、石畳の玄関、そして浴衣を着た仲居たちの出迎え。

    ウシミツは貴族の子ではあったが、日本の忍者、そして日本という地に強い憧れを抱いていた。

    両親は旅客船でしばらく家を空けており、当時ウシミツはその期間、執事と使用人数人、そして彼の「友人たち」である同世代の子どもたちを連れての滞在だった。

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