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    桜&水無月

    @minazuki_hare

    桜(太右)と水無月(一次創作)の混合垢。偶に⚔️🧳も混ざるかも

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    桜&水無月

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    B転生ちゅだ昼間の太陽に照らされた街を歩く。首領だった太宰が死んでから数年。混乱の中、何とか組織の秩序を取り戻したが、上に立つと云う事には未だ慣れていない。俺は首領と云う立場に自分が相応しいとは思えないが、俺以外に出来る奴が居ないのも分かっていた。偶には息抜きでもして来いと言われ、外に出されてもやる事が無い。愛車を乗り回す程の余裕は流石に無いしな…。ふと、一人の少年が目に入った。
    「おい」
    少年が振り返る。見間違える筈が無い。長年隣で顔を見てきたのだ。少年は太宰の面影を残していた。
    「…思ったより見つけるのが早かったね、中也」
    俺に何時か見付かるのが分かっていたと云う様子に思う所は有れど、此の機会を逃す訳にはいかない。
    「手前、両親は?」
    「嗚呼、居ないよ。連れ去った所で探しに来る人なんて居ないから、好きにし給え」
    此奴、今世でも家族関係に恵まれて無ェのかとか、ンな年で一人歩いてたら何されても文句は言えないのに何してンだとか思う事は多々有れど、此の侭此処で話す訳にもいかないから、危なかっしくて直ぐに転び掛ける太宰を抱えて場所を移動する事にした。
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    桜&水無月

    MOURNING
    ドルパロちゅだ二月十四日、其れは男ならば殆どの者が気分が上がり、貯古齢糖を心待ちにする日である。アイドルなんてやっていれば、そんな行事とは無縁では居られない。勿論、俺と太宰も例外では無いのだが、事務所の計らいも有り、共演者や愛好家達からは貯古齢糖を貰わない様にしている。復帰したばかりで沢山の人に愛想を振り撒きながら菓子を貰うなんて、太宰に負担が掛かるのは簡単に分かる事であった。贈呈品も例外では無い。贈り物に何が入っているか分からないので手紙以外は受け取って居ないのだ。届いた手紙も検閲が入り、其れから俺達の元へと届く。芸能界に身を置く以上、向けられるのが純粋な愛だけでは無いのだ。芸能人だろうが、俺達の事が好きな一般人だろうが、必ずしも純粋な感情を向けているとは限らない。悪意で有っても、純粋とは言い難い愛情で有っても太宰の目に触れては、復帰前の状態に逆戻りになる事も有り得る。成る可く太宰の負担は少ない方が良い。だが、此の行事を無視する訳にも行かないと、計画されたのが生配信である。簡単に説明すれば、太宰が貯古齢糖を作ると云うだけの配信だ。因みに俺はマネージャーと仕事の日程の打ち合わせをしなくてはならないので、画面越しに見守る事になっている。まぁ、同じ家の中には居るのだが。復帰してからと云うもの、太宰が無理して居ないかを確認しながら日程を組んでいる。何れだけ近くに居るマネージャーでも気付かない事は有るので、俺と打ち合わせをしながら日程を組む事としたのだ。配信の準備は二人でやり、後は太宰が好きな時に始めるだけなのだが、矢張り始めるまで一緒に居た方が良かっただろうか。マネージャーに顔に不安なのが出ていると指摘されたが、復帰してから太宰一人の仕事は出来る限り減らしていたり、抑々太宰は普段から料理をしている訳では無いとか不安になる要素が有るので仕方ない。過保護だとか言われそうだが、其れ程までに休止する切っ掛けとなったあの時の太宰は酷く弱っていたのだ。扉の向こうに居る太宰を心配していたら、配信が開始された。
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