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    桜&水無月

    @minazuki_hare

    桜(太右)と水無月(一次創作)の混合垢。偶に⚔️🧳も混ざるかも

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    桜&水無月

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    浅井さんと梅月さん(一次創作)今日からついに部署に所属する事となった私は部屋の扉をノックしたが、返事がないので扉を開けると中には一人の男性が奥の机に突っ伏して眠っていた。
    気持ち良さそうに寝ているが、一応勤務時間内なので体を軽く揺らして男性を起こす。暫く揺らしていると男性は瞼を擦りながら体を起こした。
    「うーん?後10分…あれ、もしかして今日から此処に配属になった新人さん?」
    「はい、梅月彩芽と申します。よろしくお願いします」
    「俺は浅井弘樹。あぁそうこの部署には人が俺しか居らんくて、仕事量は他の部署よりも少なくて良く暇してるだとか言われるんやけどまぁ、これからよろしゅうな〜」
    部署に人が一人しか居ないなんて有り得るのだろうか?配属部署が伝えられた時に周りが妙な反応をしていたのはそういう事だったのだとようやく気が付いた。
    「あの、この部署の仕事って何をするんでしょうか」
    「配達とかやない?」
    配達って何を…?そもそも警視庁で配達の為だけに部署を作るとは思えないけれど…。
    配達という言葉に隠された意味でもあるのかと考えていると、浅井さんは壁に掛けられている時計を見詰めて何かを待っていた。時計の針が12の所に重なった瞬間、浅井さんが勢いよく立ち上がる。
    「彩芽ちゃん!食堂行くで!今日から新メニューが出るらしいねん」
    「え、お昼食べに行くんですか?」
    「せやで、どうせこの時間俺が食堂に居る事は皆知っとるし大丈夫やって」

    配属されて数日、した事と言えば他の部署に顔を出したり、事件が起きたと聞けば現場を見に行ったりと仕事らしい仕事はしていない。
    一方で私は暇な時間を使って警視庁の部署や所属している人達の事を頑張って覚えていた。仕事に活かせるかは別として、覚えておいて損は無いと思ったからだ。そんな私を見た浅井さんは「彩芽ちゃんは偉いな〜俺だったら3日坊主どころか5分も持たないわ」と言ってコーヒーを飲んでいた。
    今日も同じように覚えようとしていると扉が数回ノックされて、返事をする前に扉が開いて女性が入ってくる。
    「浅井さん、お仕事ですよ」
    「ほんま?最近無かったからもう無いもんやと思ってたわ〜」
    女性は浅井さんに書類が入っているだろう封筒を渡すと直ぐに去って行った。一方浅井さんは慣れた手付きで封筒を開封して、中の書類を読んでいる。
    「あ、これこの前現場見に行ったやつやん。そんな気はしてたけどな〜。彩芽ちゃんお仕事やで」
    浅井さんは書類を一通り見ると私に向かって書類を差し出す。
    「あの、仕事って?まさか事件を引き継ぐ訳じゃないですよね」
    「ちゃうちゃう。俺らの仕事は引き継ぐ為の橋渡しや」
    橋渡し?他の部署に引き継ぐ為にわざわざ専用の部署を作るような案件とは思えないけれど。
    「わざわざ一つの部署使ってやる事がそれですか?」
    「引き継ぎ場所がちょいと特殊でな。一応国家機密の場所やから、そう簡単に知らせる訳にもいかんのやて。俺一人でも大丈夫やったんやけど彩芽ちゃんは多分特殊な"何か"があったんやろうなぁ。ま、詮索はせんどくけど」
    国家機密の場所に引き継がないといけない事件には見えないけれど、他の部署がそう判断したのならそれだけの理由があるのだろう。
    「この事件。明らかに人間の手で出来る事件やない。だから専門に回すんやけど、なんでそう思ったかを書き出すねん。一応元々担当してた部署の人らにも書いて貰ってるんやけどな、情報がぎょうさんあっても困る事はないし」
    「人間の手で出来ないように見せた事件とかでは無いんですか?」
    書き込みながら喋っていた浅井さんの手が止まる。
    「まぁ、その可能性もある。前にそんな事件もあったしな。もし人間の手による事件だったとしても解決出来るからそん時は向こうで解決して貰うだけや」
    浅井さんはいつの間にか書き終わっていた書類を封筒に入れ直して椅子から立ち上がる。
    「ほな彩芽ちゃん、初仕事行くで」
    扉を開けて部屋を出た浅井さんに着いて行くと、突然浅井さんが立ち止まった。不思議に思って浅井さんの視線を辿ると一人の女性が立っていた。
    「なぁ、あの子知ってる?なーんか見覚えあるんやけど」
    「いえ、少なくとも今まで見た人の中には居なかったかと」
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    桜&水無月

    MOURNING
    ドルパロちゅだ二月十四日、其れは男ならば殆どの者が気分が上がり、貯古齢糖を心待ちにする日である。アイドルなんてやっていれば、そんな行事とは無縁では居られない。勿論、俺と太宰も例外では無いのだが、事務所の計らいも有り、共演者や愛好家達からは貯古齢糖を貰わない様にしている。復帰したばかりで沢山の人に愛想を振り撒きながら菓子を貰うなんて、太宰に負担が掛かるのは簡単に分かる事であった。贈呈品も例外では無い。贈り物に何が入っているか分からないので手紙以外は受け取って居ないのだ。届いた手紙も検閲が入り、其れから俺達の元へと届く。芸能界に身を置く以上、向けられるのが純粋な愛だけでは無いのだ。芸能人だろうが、俺達の事が好きな一般人だろうが、必ずしも純粋な感情を向けているとは限らない。悪意で有っても、純粋とは言い難い愛情で有っても太宰の目に触れては、復帰前の状態に逆戻りになる事も有り得る。成る可く太宰の負担は少ない方が良い。だが、此の行事を無視する訳にも行かないと、計画されたのが生配信である。簡単に説明すれば、太宰が貯古齢糖を作ると云うだけの配信だ。因みに俺はマネージャーと仕事の日程の打ち合わせをしなくてはならないので、画面越しに見守る事になっている。まぁ、同じ家の中には居るのだが。復帰してからと云うもの、太宰が無理して居ないかを確認しながら日程を組んでいる。何れだけ近くに居るマネージャーでも気付かない事は有るので、俺と打ち合わせをしながら日程を組む事としたのだ。配信の準備は二人でやり、後は太宰が好きな時に始めるだけなのだが、矢張り始めるまで一緒に居た方が良かっただろうか。マネージャーに顔に不安なのが出ていると指摘されたが、復帰してから太宰一人の仕事は出来る限り減らしていたり、抑々太宰は普段から料理をしている訳では無いとか不安になる要素が有るので仕方ない。過保護だとか言われそうだが、其れ程までに休止する切っ掛けとなったあの時の太宰は酷く弱っていたのだ。扉の向こうに居る太宰を心配していたら、配信が開始された。
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