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    あいぐさ

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    あいぐさ

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    フォロワー四桁の神字書きフィから突然フォローされ怯えるファの話〜導入〜
    連載練習見切り発車現パロコメディ、ゆるーいフィガファウになるまで書きたい!

    神にフォローされて怯えています 今までは読む専だった同人小説を書き始めて早一ヶ月。
     フォロワーは一桁、フォローも一桁。ほそぼそと推しカップリングを書き、時折くるいいねやリツイートに画面を見ながらにこやかな笑みを浮かべる。ファウストは、そんな穏やかで楽しい日々を送っていた。
     その日は、ちょうど寝る間際だっただろうか。仕事終わりに書いた短い小説を上げようと思い、ファウストは数日ぶりのつぶやきをすべくアプリのアイコンをタッチした。
     ほとんど動きのないタイムラインを確認していると、ベルマークのタブに通知マークがくる。
     誰か作品を読んでいいねをしてくれたのだろうか。それとも、今朝リツイートした神の生み出した作品をリツイートしたのだろうか。
     どこかワクワクしながら確認してみると、どうやら誰かからフォローをされたらしい。
     しかし、表示されたアイコンと名前は目を疑うものだった。
    「……は?」
     一体どういうことだろうか。ファウストは目を大きく見開く。心臓が大きな音を立て、冷や汗が止まらない。
     地球儀のようなアイコン、一度聞いたら忘れられない特徴的な名前『ポッシデオ』。
     記憶が正しければ、同じカップリングの超大手のアカウントからフォローされているのだ。
     いや待て、落ち着け。きっと思い違いだろう。
     ずり落ちた眼鏡をかけなおし、ファウストは恐る恐る表示されているアカウントのホームへ飛んだ。
     焦ったい一瞬のローディングのあと、カップリング名と成人済だけが書かれたシンプルな自己紹介が現れる。その下にはフォロー二桁とフォロワー四桁の数字が並んでいた。
    「う、嘘だ……」
     ファウストはもちろんこの方を存じていた。フォローはしていないものの、リストに入れて日々ツイートを拝見しており、今朝もこの方が夜中に上げた小説をリツイートしているのだ。その証拠に、一番上のツイートは見覚えがあり、下のアイコンは緑と赤に輝いていた。
     ポッシデオさんは、いつだって完成度の高い素晴らしい推しカップリング作品を供給してくれる。どこか退廃的でセクシーな作風でありながら、無駄のない美しく分かりやすい文章により気が沈むような重苦しさを感じさせない。
     あまり特定の人と仲を深めている印象もなく、そんなポッシデオさんがフォローしているのも有名な絵描きさんや字書きさんばかりである。少なくとも、ファウストのような一番活動するアカウントでフォロワーが一桁の人などいないだろう。
     ありがたいことに、ポッシデオさんからいいねはされたことはあった。その度にどこか申し訳なさを感じながらも、素直に喜んでいたあの能天気な日が帰ってきて欲しい。
     到底小説を投稿する気など起きず、ファウストは大きく深呼吸をする。まだ心臓の音がうるさいし、背中には嫌な汗が残り続けている。
     家の中で気付いてよかった。驚きで表情をくるくる変えていれば、外では立派な不審者だろう。本当に危なかった。
     しかし、それぐらいファウストにとってはあり得ないことが起こったのだ。何度見ても何故かファウストはフォローされている。そんな、目の前で起こっていることをうまく飲み込めない。
     そのとき、ファウストはふと一つの可能性を思いついた。時折見かけるSNSの神たち特有の「誤フォローすみません汗」のツイートを思い出したのだ。
     きっと、ポッシデオさんはうっかり間違えてフォローしてしまったのだ。そうだとすれば、この不可解のことが全て説明が付く。
    「全く、心臓に悪い……」
     どこか気が楽になったファウストは、スクリーンショットを一枚撮り、腕をグッと伸ばす。
     写真を撮ったのは、決してフォローに喜んでいるわけではない。決して、断じてそうではない。

     その日から数日間、気になる投稿にはブクマをするものの、ファウストはアカウントを動かすことはなかった。
     こちらからフォローすれば間違いに気付いてもらえるかもしれない。
     しかし、ファウストはあくまでフォローに気付いていないフリをし続けたのだ。

     しかし、いつも通り淡々とツイートをポッシデオさんは、ファウストのフォローを外すことはなかった。
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