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    ながら(半分収納場)

    @magnolia_cage

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    月間つるくりゆるゆる創作さんの10月のお題から「コスモス」。
    刀剣短歌俳句深夜の60分1本勝負さんの同題(第71回?)の際に詠んだ拙作からの派生というか、解題。

    #つるくり
    reelForASpareBowstring

    膝折れてなお「知っているかい、坊や」
     ふつりと細い茎を手折った鶴丸がついでのように口を開く。鶴丸の唐突な語りはめずらしいことでもない。はぁ、と諦めたように息を吐き、大倶利伽羅は話の続きを待った。
    「こいつらは折れて倒れても、そこから根を伸ばして立ち上がるんだそうだ」
    「そうか」
    「こんな細っこい茎だっていうのになぁ」
     再び、鶴丸の手が花を手折る。
    「…おい、あまり引きちぎるな」
    「刈りつくさなければ別にいいだろう?」
     気にした風もなく鶴丸は足を進めていく。ゆらゆらと揺れる花の群れ。
    「きみと似ている」
     ともすれば聞き逃しそうなほどに、ぽつりと紡がれた言葉に、思わず足を止める。その気配に気付いたのか、振り返る鶴丸の口許には静かな笑みが浮いていた。
    「きみは、たとえ膝を突いても、折りはしないだろう」
     真っ平らな笑みを崩さず、鶴丸の言葉は続く。その髪に透ける落日。
    「そこから立ち上がって、そうやって、どこまでも進んでいく」
    「…あんただって同じだろう」
     ざわりと波立つ心のまま、吐き出した言葉に、一瞬、鶴丸の目が丸くなる。そうしてゆるりとその表情が崩れた。
    「…同じか」
     零れ落ちる言の葉。
    「そうか、きみは俺をそう定義するんだな」
     独白の響き。近いようで遠いのか、遠いようで近いのか。互いの間に横たわる空間を花野を鳴らして風が吹き抜ける。
    「…国永」
     暮れ泥む空。言外に含んだ音を正しく理解したらしい鶴丸が、ゆっくりとこちらへ足を向ける。後を追う視線。ふ、と緩やかに持ち上がる口角。
    「どうした、伽羅坊。迷子みたいな顔をして」
    「…あんたに言われたくないな」
    「そうかい」
     頭花を掲げ、秋桜はただ上を向いている。
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