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    ながら(半分収納場)

    @magnolia_cage

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    過去に呟いたネタ。

    #つるくり
    reelForASpareBowstring

    唇寒し 手入れを終えたとき、すでに時計は深夜となっていた。眠ってしまっているだろうなぁと思いながら、手入れ部屋で着替えた寝衣のまま、ぺたりぺたりと廊下を歩く。
     足を止めたのは、自分のものではない部屋の前。そろりと細心の注意を払って襖を開けば、ほのかな常夜灯の明かりの奥、衝立の陰に膨らんだ布団が見えた。
     室内に身体を滑りこませ、気配を控えながらそちらへ歩み寄る。
    「…つる…?」
     布団の傍らに膝をついたところで、輪郭を緩ませた声が名前を呼んだ。もぞりと布団の中で姿勢を変えた大倶利伽羅の双眸が二、三度重たげに瞬く。
    「…かえってきたのか」
    「…すまんな、起こすつもりはなかったんだ」
    「…ん」
     謝罪の言葉を口にする鶴丸の目の前で、のそりと掛け布団の端が持ち上げられる。思わず、ぱちくりと固まっていると、むすりと大倶利伽羅の口元がへの字を描いた。
    「…もういい」
     あ、と思ったころには時すでに遅し。持ち上げられていた手が落ち、ごろりと背を向けられる。距離を取るように敷布団の端のほうで背中が丸くなる。
    「伽羅坊」
    「うるさい」
    「悪かった。ちょっと驚いたんだ。なあ」
    「しらん」
     きゅっ、と身を縮める動き。顔の半ばまで布団に潜り込み、すっかり籠城の構えだ。
    「…なあ、せめて此方を向いてくれ、伽羅坊。さびしいじゃないか」
     軽く布団を摘んで引きつつ、その背に訴えてみるも、ちらともこちらを向こうとはしない。構うなと言わんばかりの頑なな拒否。
     さてこの状況を如何にすべきか。
     戦場に負けず劣らずの難局に、鶴丸は深く嘆息するよりほかなかった。
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