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    pagupagu14

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    兄さんは私の恋人/さつなな(遙か7)
    嫉妬する七緒のお話。ED後です

    #遙かなる時空の中で7
    harukanaruTokiNoNakade7
    #遙か7
    far7
    #さつなな
    #五七
    Gonana

    兄さんは私の恋人 「七緒、ごめん。待たせたか?」
    「ううん、そんなことないよ。」
    大学の食堂にて兄さん――五月と待ち合わせをしていた私は五月が少し遅れてきたことにほっと胸を撫でおろした。私の正面に座った五月は私と同じようにお弁当を取り出す。今日のお弁当は五月でも私でもなく三鶴さんが作ったものだ。最近、料理も勉強中だという三鶴さんだがどれも美味しく舌を巻いてしまうほどだった。
    「…兄さんの味に似てる、兄弟だから?」
    「…まあ、俺も教えたりしてたしなあ……」
    そんなことを言いながらお弁当をつつく兄さんを微笑ましく思えて思わず見入ってしまう。――と、
    「天野くん、隣いい?どの席も埋まっちゃってて困ってるんだよね」
    そう声を掛けてきたのは見知らぬ女性だった。しかし私と五月がこうやって仲良く話しているのにこうやって割って入ってくる空気の読めなさに唖然としてしまう。話しかけられた五月は困った様子を見せつつこちらに視線を送る。
    「いいよ、五月」
    「七緒…」
    その言葉に頷き彼女は座るがべらべらと五月に話しかけべたべたとくっつくものだから正直、気分は良くなかった。
    「…さっきの人、何?」
    「ちょっと授業が重なってるだけなんだけどなあ」
    「………絶対、五月のこと好きだと思うんだけど彼女」
    「ええ!?」
    「絶対そう!……もうっ」
    面白くなくて、五月は私の彼氏なのにという想いが私の中を渦巻く。
    「…なあ、七緒」
    「何!?」
    思わず牙を向いてしまう私とは反対に五月はへらへらとした様子だ。
    「あはは…いや、えっと…もしかしてだけど、ヤキモチ妬いてくれてるのかなって…思って…」
    「妬くに決まってるでしょう?!」
    思わず胸倉を掴んでしまう私にへらへらと嬉しそうに五月は笑うものだから怒る気力も失せてしまう。
    「もうっ」
    「はは、でも大丈夫だよ。俺は七緒が一番好きだから」
    そんなことを言われてしまえば黙るほかなく頷く私だった。
    ***
    その日の帰り道、五月を待っていると昼に会った彼女に絡まれているのを見つける。二人が来たのを確認すると奪うように五月の腕にしがみつく。
    「な、七緒……っ!?」
    そんな気弱な声を五月は挙げていたけれど気にしない。
    「五月は、私の彼氏何で。やめてくれます?」
    にっこり笑って言うと彼女の顔が引きつく。
    「彼女?あなたが?ねえ、天野くん本当!?天野くん...?」
    返事ないのを不思議に思い私も五月の方を見ると顔を真っ赤にさせいっぱいいっぱいな様子だった。
    「五月…?」
    「な、七緒…その、心臓に悪いっていうかその……お、俺はお前の事好きだからその…こういうことされると困るって言うか…嬉しいけど…その」
    かーっと顔を真っ赤にさせる様子が可愛くって、目の前にいる彼女のことなど気にする気も失せてしまい五月の顔を引き寄せる。
    「七緒?ちょっ――」
    そして五月の唇と一瞬奪うとそのまま五月の手を引いていく。
    「じゃあ、またね。先輩?」
    そうして見せつけた後その場を去るのだった。
    ***
    「な、七緒!」
    「何?兄さん」
    歩いて少し経ったあと兄さんに呼び止められ足を止める。兄さんを見ると少し恥ずかしそうで落ち着かない
    「……もしかしてキス、嫌だった?」
    「そうじゃない!そうじゃないけど…男として、その……」
    と言って口ごもる。
    「………な、七緒」
    「ん?」
    「ありがとう。俺の事彼氏って言ってくれて、それと……俺からもして…いいかな?」
    こくりと頷き目を瞑るとちょっと待った後、優しい口づけが私の唇に贈られる。兄さんと、五月とするキスは一等大好きで、門限を破りそうになってしまうほど楽しんでしまう私と五月だった。
    -了-
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    百合菜

    DONE2021年2月7日に開催された天野七緒中心WEBオンリーで実施した「エアスケブ」で書いたものです。
    リクエスト内容は、「はっさくを食べる二人」。

    本当は、「探索の間に、幸村と七緒が茶屋でかわいくはっさくを食べる」話を書きたかったのですが、実際に仕上がったのは夏の真田の庄で熱中症になりかかる七緒ちゃんの話でした^^;

    ※スケブなので、無理やり終わらせた感があります
    「暑い……」

    七緒の口から思わずそんな言葉が出てきた。
    富士に登ったものの、呪詛返しに遭い、療養することを強いられた夏。
    無理ができない歯がゆさと戦いつつも、少しずつ体調を整えるため、その日、七緒は幸村の案内で真田の庄をまわっていた。

    秋の収穫を待ちながら田畑の手入れを怠らないものたちを見ていると、七緒は心が落ち着くのを感じる。
    幸村を育んだ土地というだけに穏やかな空気が流れているのだろうか。ここにはいつまでも滞在してしまいたくなる安心感がある。

    しかし、そのとき七緒はひとつの違和感を覚えた。
    呪詛とか怨霊の類ではない。もっと自分の根本に関わるようなもの。
    おそらくこれは熱中症の前触れ。
    他の土地よりは高地にあるため幾分和らいでいるとはいえ、やはり暑いことには変わりない。
    七緒の変化に幸村も気づいたのだろう。
    手を引かれたかと思うと、あっという間に日陰に連れていかれる。
    そして、横たえられたかと思ったその瞬間、七緒は意識を失っていた。


    水が冷たい。
    そう思いながら七緒が目を開けると、そこには幸村のアップの顔があった。
    「姫、大丈夫ですか?」
    そう言いながら自分を見つめる紫の瞳 1386

    百合菜

    DONE幸七の「そうだ、カレーを作ろう!」
    2021年2月7日に開催された天野七緒中心WEBオンリーで実施した「エアスケブ」でいたものです。

    リクエストは「炊事をする幸七」。リベンジバージョンです。

    天野家にやってきた八葉に提供するためカレーを作ることになった七緒。
    幸村もそこに手伝いに来るが、七緒はあるひとりの存在を思い出してしまい……
    「この人数でご飯となればやっぱりカレーかな」
    何度目かになる八葉一同による天野家の訪問。
    時間も遅いため、今日はここで過ごし、明日戦国の世へ戻ることにした。
    そんな中、五月と七緒の兄妹は台所で頭を悩ませている。
    七緒を含めて9人の大所帯。
    多少の買い置きはあるが、9人分の食事をいっぺんに用意するとなればメニューは限られてくる。
    「そうだね、それが一番手っ取り早いよね」
    五月の提案に七緒は頷く。
    煮込むのに多少は時間が掛かるが、天野家にある食材でできるものとなれば、カレーが一番早い。
    食べ盛りのものや体格のいいものばかりのため、ルーひと箱で済むかという不安もあるが、仕方がない。足りない場合は買い置きの冷凍コロッケでも出そう。
    七緒がそう考えていると、五月が米を取りにいくため台所から出ていく。

    すると、入れ替わり台所に入ってくるものの気配が。
    「姫、何か手伝いましょうか?」
    爽やかな笑みを浮かべながらそう話しかけてくる。
    なぜだか最近その笑みを見ていると胸が苦しくなるのを感じるが、七緒はあえて気がつかないフリをしている。
    たぶん、これは気がついてはいけない種類の感情だから。
    「あ、幸村さ 2299

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