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    杣おつと

    進捗やCP要素強め・R絵など。
    原則ポイピクのR絵は支部に上げてません。

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    POIPOI 47

    杣おつと

    DONEusgiの門梶です。BKさんをとてもリスペクトしてる梶ですのでよろしくお願いします。
    プライベートアイズ「梶ちゃんはさぁ、一を見せれば十に出来ちゃうじゃん?だからさぁ……」
    「うわうわなんすか急に。あれ、明日は雨かな」
     舞台は超高級ホテル最上階のスイートに備え付けられた、広くて柔らかなベッドの上。貘さんと僕は時折、修学旅行の夜みたいに、パジャマ姿で寝そべってとりとめのない話をする。修学旅行は、貘さんと出会う前の頃の僕にとって、数少ない楽しかった思い出の一つだ。僕に金をかけることをことごとく嫌がった母だけれど、そういう行事に参加する金は渋々ながら出してくれた。それは決して僕の為じゃなく、親としての体面を保つ為だったけれど。
     僕の横に寝転がっている貘さんは、純白の絹の糸のような髪をさらさらと散りばめ、悪戯っぽく目を細めて、僕を見上げている。それこそがこの世の何にも勝る贅沢だと、僕は思う。たとえこの場所が以前住んでいたボロアパートであろうと、あの貘さんがのんびり僕としょうもない話をしていれば、その贅沢さになんら変わりはない。何十万のスイートに泊まっていることなんて、すごく些細なことなのだ。
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    杣おつと

    DONE門梶で門倉が専属立会人になる小話です。屋形超えで見事勝利を納め、頂点に立った斑目貘は死に体で、黒服の賭郎たちに真っ白なその身を抱えられてヘリで連れ去られた。
    それを地上で見送った梶が、再び貘と会えたのは三日後。賭郎本部ビルの最上階、お屋形様用の執務室であった。
     ──マルコ、梶ちゃん、おっつー。
     船での長旅とチャンプたちの見送りを終え、そのままやってきた梶とマルコを前に、貘はすっかり生気を取り戻した姿で笑顔を浮かべていた。細い手をひらひらと振りながら黒革のチェアに腰掛けるその後ろには、夜行立会人もいる。馴染みのある光景を目の当たりにして、梶もようやく相好を崩した。
     ──ごめんね、二人には船で帰らせちゃって。でもさぁ俺、勝負終わったばっかの死にかけなのに、引き継ぎやら事務手続きやらさせられてたんだよぉ?悪魔の巣窟だよここは。
     はぁ、と大仰な溜め息を吐いてみける貘だが、間違いなくそんな組織の親玉に相応しい人間である。マルコだけは「貘兄ちゃん、かわいそう……あとでポテチ持ってきてあげるね!」と殊勝に労ってくれていた。
     少しの間、そんな取り留めのないやり取りを交わしていた。それがひと段落着いた頃、貘が右手の人差し指を一本、 3246