《ノーマルエンド》みんなで遊びに出掛けた帰り
夜の気配が濃くなり
僅かに夕陽射す電車内
窓に映るアイツの横顔に恋をした
目標をしっかりと見据え
今の自分の強味は何か知り
今の自分に何が足りないか考え
今の自分を伸ばす努力を惜しまない
迷いなく正しく前を向く
そんなアイツを
欲しい、と強く願った
ふと、視界に違和感を覚えた
何故か小指から伸びる赤い糸が見えた
オレの指、友の指、周りの皆の指、
そしてアイツの指
赤い糸は細いけれど長かった
足に引っかけそうだったが引っ張れば伸びるようで転ぶヤツはいない
ただ伸びた糸は絡み合う
避ける素振りをする人間がいないので
誰一人見えていないようだ
この指の先に誰がいるのか
(アイツと繋がってるのか)
そっと伸びないように手繰って
そっと気付かれないように手繰って
何でもない風を装って
アイツの側まできた
赤い糸は縺れ
何処もかしこも複雑に絡まって
一部は雁字搦めでどうやってもほどける様子は無かったけれど
わかった
わかってしまった
コイツの糸とオレの糸は
絡まっていても一本に繋がってはいない
赤
オレは静脈の様な赤い糸
コイツは動脈の様な赤い糸
結ばれないならいっそ
ほどけてくれ