うれしいたのしいたんじょうび緑が艶めき風薫る五月。隊長の元へ集まった四人はその光景を見つめてしばし固まった。
「貴様……! いい加減に2代目から離れろ!」
「ナイトくん、私なら大丈夫ですから! ふふ、ほっぺがぷにっとしてますね〜」
珍しくナイトが口調を荒げ、何かを引き剥がそうとしている。蓬達の角度からだと2代目の胸元を掴んでいるように見えて、一瞬夢芽が顔を引き攣らせた。
「いやいや夢芽さん、流石に違うんじゃないっすか……?」
表情を見て察し告げたちせが、ゆっくりとスーツ姿の二人へと近づいていく。
「2代目さん、何か抱えてるのかな……」
「怪獣……とか?」
蓬と夢芽が顔を寄せながら、ちせに続いて歩く。その後ろで、ぼそりと暦が呟いた。
「何か声してない? 子供の声みたいな……」
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