花に灯を 起 それはまだ、あの亡国にて発見された方舟が再び帆走り始めた頃。
右も左も分からない幼い星の子たちを助けるために、各地を奔走する星の子が一対おりました。
常に眉間に皺を寄せる気難しい方をルラキ、感情豊かで自由を求める気まぐれ屋な方をヴィシニと言い、彼らは同じ育て親である師匠のような立派な使命の子になれるよう、ちぐはぐなチームワークながらも日々奮闘しておりました。
ある日ヴィシニは孤島の神殿地下で焼いていた闇花の中で、ひとつだけなかなか焼けないものを見つけます。
不審に思った彼はルラキと一緒に焼いてみると…二人分の火でようやく焼け落ちた闇花の根元に、ひどく衰弱した星の子が横たわっていたのです。というよりも、その星の子の胸から闇花が生えていた…と言う方が正しいかもしれません。
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