軽く汗ばんだブラッドリーの髪を手でゆっくりと梳いて、欠けた耳元を端っこを撫でつけた。ブラッドリーはネロの膝を枕にし、静かに目を閉じていた。明かりの消えた部屋の中、暗闇、窓の間から漏れ出す月光が風に靡いて、ほんの一瞬だけ、ネロはその横顔を覗けたのだ。
―
……みんなで銃を持ってったことがあっただろ。斧でも鈍器でもない銃の気分だとか、ふざけたこと言いながら、各々選んだ銃を手に持ってさ。俺も短いやつをひとつ持ってたな。あんたが貸してくれるってのをわざわざ断ってその小さくて重たいのを両手で包んでた。
弾は全部で6発全込めてあった。今更言えたことじゃないけど、俺は銃撃戦には自信がねえ、だって一度撃った弾丸は戻ってきてくれないじゃんか。
1798