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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    エガキナイベント 自戒予告

    よその子さんお借りしてます

    少しの疑問 リヒトを見送った後、ディリーは何かを考え込むように足を止めてしまった。それに気づいた琥珀がそばまで駆け寄り声をかける。
    「ディリー?」
    「……ねぇ琥珀! 鶉のところに行きたい! ダメかな?」
    ディリーの心配そうな顔を見て琥珀はすこし黙った後、少し微笑んで口を開く。
    「……ちゃんと帰ってくるなら、俺は反対しない」
    「鶉? 俺の地図で分からないかな」
    横で聞いていたフレイはエガキナの地図を開き鶉を探そうとする、デモや没のせいかいつもよりビッシリと名前が書かれた地図に思わずフレイは眉を顰めたが、目を追っていくうちに、鶉の名前を見つけたのかディリーに行った。
    「見つけた! ならエガキナで飛ばすから」
    「ありがとうフレイ! 琥珀! 行ってくるよ!」
    「気をつけてな」
    フレイがエガキナでディリーを飛ばした。リヒトに続いてディリーもデモの中心へと行ったのを黙って考える琥珀。そんな琥珀に創は優しく声をかけ、没が出現しているエリアまで移動した。

    エガキナで飛ばされたディリーは、周りの人混みに飲まれそうになったが、すぐに鶉を見つけた。
    「鶉! 鶉!」
    「え、ディリーさん……?」
    鶉は突然現れたディリーに驚いていた、人混みの多い中、よく見つけたと思っているのだろうか。ディリーは鶉の手を取り話す。
    「鶉! 君の力になりたいんだ、僕も一緒に連れて行って!」
    「ディリーさんと僕で……? 僕でいいんですか? てっきり灰野さんと一緒にいるものだと」
    「琥珀にはちゃんと言ってきたから安心して! 君を必ず守るからね」
    そう言って片目をとじウインクをするディリー。それにしても、とディリーは周りを見た。周りは鶉と同じように創務省のツクリテやニジゲンが忙しなく、そして無免連のツクリテやニジゲンを拘束していく。それを黙って見ていたディリーは、鶉に聞いた。
    「ねぇ鶉、あの人達も琥珀と一緒で創作するんだよね。なんでダメなのかい?ダメとか大丈夫って、誰が決めてるの?」
    顕現したばかりのディリーからしたら、なぜ相手が拘束されるような事になっているのか疑問に思っていた。琥珀からこの世界の創作の事情は説明されていた。頭では理解していたつもりだったが、今こうして改めて目にすると、ディリーの中で違和感が大きく広がっていくのだ。
    ディリーの疑問に鶉は淡々と答える。
    「そう定められた法律だと思って頂ければわかりやすいと思います…。認められた者が免許を持ち創作活動を許されるので、彼らは不認可、捕捉対象です」

    法律、琥珀が教えてくれた事だとディリーはすぐに理解した。けれど、ディリーはどうしても納得がいかなかった。ディリーからしたら、ここにいる創務省も、無免連も、同じように創作をしているなかまではないのか、と。
    「法律……ルールって意味かな。でもそのルールに不満があるからこうなってるんだよね?僕はね、琥珀が創作してる横顔好きなんだ。皆も創作が好きなんだよ、その好きを否定したら、悲しくなると思うなぁ」
    ディリーは物語を紡いでいる琥珀の横顔が好きだった、その横顔からみえる目は、キラキラとしており、どんな楽しい物語を書くのだろうかとディリー自身高揚感が溢れてくるのだ。
    あぁ、自分はこの作者から生まれたのだ。と実感させられるのだ。好きだと伝わるのだ、話を書くのが。
    だから、その"好き"を頭ごなしに否定しているようで、ディリーは悲しくなるのだ。
    ディリーの言葉に少し沈黙が走ったように見えた鶉、そして少しの沈黙のあと口を開いた。
    「……、だとしても。守られるべきものは守らないと……」
    「うん、それは分かってるよ。僕も鶉の事守るからね!けど、ここにいる人たちは琥珀と同じ様に作品に思いを込めたツクリテで、その思いの形になったニジゲンなのに、争ってるのは悲しいなぁ、って思っただけだよ」
    ディリーはこれ以上言うと鶉を困らせてしまう、と思い鶉の手を取り笑顔で答えた。けれど、お互い創作という共通があるというのに、それが原因で争いを産んでいることにディリーは少しだけ胸が痛くなった。
    「…それも、そうですね。せめて誰かが悲しくならないように免許を取得して欲しいです」
    「……そうだね」
    免許というものがないと作ってはいけないんだね、とディリーは少しだけ困ったように笑う。手紙は自由に皆書いているというのに、想いを書いた手紙と、ツクリテの想いを込めた作品。ディリーからしたら違いはないように思えた、ここの世界は難しい、と改めて認識してエガキナのため便箋を鞄から取り出した。
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