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    ta_jitaji

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    ta_jitaji

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    下半身つるつるの染とそんな染を見てびっくりして固まっちゃう剛士は可愛い、ということころから始まったかねあいが無事に初夜を迎えたので、次はその二人が二回目を迎えるまでの話を書きたくて始まったかねあい。染がぐるぐるする話。

    #かねあい
    poise

    かねあいが二回目を迎えるまでの話(1作目)伸びてきた手に腕を掴まれて、真っ赤な瞳に強く射抜かれて。

    『オレをオマエの、最後の相手にしろ』

    そう、金城に言われてから、愛染の世界は目まぐるしく変化した。

    触れる体温が心地好くて、交わすキスが気持ち良くて。
    金城に触れられると、それだけでふわり、と気持ち良くなってしまう。

    女の子とシてた時はいかに相手を蕩けさせてあげられるかを意識しながら触れていたから、何も考えず、ただシたい時にシたいようにするというのがどうにも新鮮で、けれど、自分の好きにして、相手の――金城の好きにされることが、こんなにも満たされることだったなんて、知らなかった。

    男を──金城を受け入れる為の準備をする恥ずかしさも、慣れない異物感や苦しさも、そしてその先にある多幸感も。
    金城と触れ合うようになるまで、知らなかった。

    これまで知らなかった感情を金城のせいで新しく覚え込まされて、心と身体を作り替えられてしまうような感覚。
    こんな、ざわざわと落ち着かなくて、胸の奥をきゅ、と締め付けられるような感覚なんて、知りたくもなかった。

    けれど、知ってしまった。金城によって覚えさせられてしまった。
    それもこれも全部、金城が愛染の手を掴んで、離してくれなかったから。
    愛染を抱きたい、と言って、愛おしむように、大事そうに、愛染に触れて抱いたから。



    空色の瞳をゆらり、と揺らめかせながら、愛染が自身の腹を撫で、ついこの前、初めて胎内に金城を受け入れた時のことを思い出す。
    恥ずかしくて、怖くて、ひどく熱くて。
    全身がぴりぴりと痺れて気持ち良くて、――変になりそうだった。

    金城に抱かれて、求めて求められて。
    もうとっくに俺は、剛士じゃないと駄目なんだ、と自覚させられてしまった。


    けれど、――金城にとってはそうじゃなかったのかもしれない。
    愛染を抱いたことで、やっぱり男相手は無理だと思ったのかもしれないし、柔らかくていい匂いがする女の子の方が良いと、思ったのかもしれない。
    愛染が下の毛を処理していることを、いちいちこんなことくらいで引いたりしねェし、オマエが感じてるのが良く見えて逆に興奮する、と言ってくれたけれど、もしかしたら、やっぱり気持ち悪いと思われてしまったのかもしれない。



    というのも、初めてセックスをしてから、金城が一切触れてこなくなった。



    スケジュールの問題かもしれないし、疲れてそれどころじゃないだけかもしれない。
    けれど、セックスするまでは隙さえ──二人きりになれる時間さえあれば愛染のナカを慣らす為の練習と称して触れ合っていたから、セックスした途端そういった接触が一切なくなったことに、愛染の心がぐらり、と揺らいで冷えていく。

    ただの考えすぎかもしれないし、触れてこないことに、特に深い意味など無いのかもしれない。
    それに元々、愛染が見てきた限り金城は淡泊な方だ。
    愛染の後孔を慣らす為に高頻度で触れ合っていたこと自体がイレギュラーだっただけで、これが金城本来の付き合い方なのかもしれない。

    けれど――。

    (……今さら剛士に手を離されたら俺は、……どうしたらいいんだろ)

    ――勝手に手を伸ばしてきて、優しく包み込んで、俺を逃がしてくれなかったのは剛士のくせに。

    頭の中でどれだけ考えても答えが出なくて、けれど、どうしていいかも分からなくて、愛染が溜め息を吐く。

    「……全部、剛士のせいだ」
    「あ? オレがなんだよ」
    「っ……」

    ぽつり、と零れ落ちた独り言に予想外の返事が返ってきて、愛染の目がぱちん、と大きく瞬く。

    「…っ、剛士」
    「おう。ただいま」
    「…あぁ、うん。おかえり」

    あれ、玄関開く音したっけ、と呆けながらも驚いた顔のまま、廊下からリビングへと姿を現した金城を見つめていると、愛染と目があった途端金城の顔がみるみる険しくなっていく。
    え、なにその顔、と愛染が聞くよりも先に、金城がズカズカと勢いよく愛染が座るソファーへと近寄ってくる。

    「っ、なに…」

    金城の赤い瞳に真っ直ぐに見据えられて、愛染の表情に戸惑いの色が浮かぶ。

    「……はー、ったく。オマエ、また余計なこと考えてたろ」
    「…は? 別に何も考えてないけど?」
    「嘘吐け。顔見りゃ分かんだよ」
    「はぁ? 俺は剛士と違って顔に出したりなんか、っ――」

    金城の瞳が、じっ、と真っ直ぐに愛染を射抜いて、愛染がぐ、と言葉を詰まらせる。

    「…オマエ、感情隠して取り繕うのは上手いよな昔から。けどまぁ、オレと阿修にはバレてっから。そろそろ諦めろ」
    「はぁ? 俺は別に――」
    「オレと阿修が、何年、どれだけ、オマエと一緒に居ると思ってんだよ。いい加減諦めろ」
    「…諦めろ、って」
    「隠すことを諦めろ。……全部寄越せっつったろーが」
    「――っ」

    金城の真っ直ぐな眼差しと言葉が愛染を貫いて、深く突き刺さったそれが抜けてくれない。
    お前には関係無いからと突き放して、何でも無いからと突っぱねてやりたいのに。
    金城の強い眼に見つめられてしまうとどうしても言葉に詰まってしまって、隠そうとしたモノを引き摺り出されてしまう。

    (……剛士は、ずるい)

    こちらを覗き込んで無自覚に愛染を暴こうとしてくるところが嫌で、ずるくて、――金城に見つめられただけで本音を零してしまう自分が、一番嫌だ。

    愛染の瞳がうろうろと辺りを彷徨い、やがて金城の元へと戻って来る。

    「で? 何考えてたんだよ」

    目が合った途端愛染の隣に座って、真っ直ぐにこちらを見据えて、オマエの言葉でちゃんと口に出して言え、と言わんばかりの目を向けてくる金城に、愛染がきゅ、と眉を顰める。

    お前が、剛士が、手を出してこないから。
    掴まれた手を離されたらどうしたらいいんだろう、なんてことを考えてたなんて、言いたくても言える訳ないだろ。

    (……口にしたことで、今この場で、手を離されたらどうするんだよ)

    金城のことを信じたくても信じきれない自分自身が嫌で、けれど、長年染みついた考え方はそう簡単には変えられなくて、どうしようもない。

    唇を噛んで、言葉に出来ない感情を飲み干して、金城を睨み付ける。
    真っ赤な瞳をじっ、と見つめ返して、無言で睨み合って、けれど、金城の目に見つめられ続けているとそのまま暴かれてしまいそうで、愛染がそっと視線を逸らす。

    「目ェ逸らしてんじゃねェ」
    「……無理」
    「無理じゃねェ。こっち見ろ」

    強く求める金城の声に、いやだ、と首を横に振る。

    「愛染」
    「――っ」

    名前を呼ばれて、両頬を金城の手に掴まれて。
    ぐっと顔を引き寄せられたことに驚いて、咄嗟に目を瞑って金城の視線から逃げる。

    どれくらいそうしていたのか、はー、と大きな金城の溜め息が聞こえたかと思えば、少し呆れたような、仕方ないなと諦めるような、そんな金城の声が愛染の耳に届いた。

    「…ったく、強情」

    柔らかく響いた言葉尻に釣られるように目を開けた愛染の視界に、金城の顔が広がる。

    「ごう、っ、ンッ…」

    少しかさついた金城の唇が愛染のそれに触れて、舌で舐められる。
    なんで今、と思わなくもないけれど、金城からキスされたことが嬉しくて、舐められるがまま唇を開けば、金城の舌が愛染の咥内に潜り込んでくる。

    「っ、ん、ぅ、むっ」
    「っは……ン、っ…」

    くちゅ、と粘着質な音が響いて、金城の舌が愛染の口の中を荒らす。
    久しぶりに触れた舌の熱さと、愛染の耳を擽る金城の指の感触に、愛染の思考がとろり、と溶け始めていく。
    ん、ん、と鼻に抜けるような吐息を零して、キスの合間にか細い声を零して、愛染の両手が金城の首に回って、強く引き寄せる。
    愛染に引き寄せられた金城の瞳が驚いたように丸くなったかと思えば、すぐに細められて、愛染の咥内を蠢く金城の舌の動きがより一層激しくなった。

    「ッ、ぁ、ンンッ、む」
    「っふ、ぅ、ン…」

    くちゅくちゅとした派手な音が聴覚から愛染を侵して、その中に混じる自身のあえかな声が羞恥を募らせる。
    金城とのキスが気持ち良くて、頭の中がどろどろと熱くなって、口の中の敏感なところを弄ってくる金城の舌に自身のそれを絡めていく。
    唾液ごと吸い上げるようにちゅう、と強く吸いつけば金城の身体がびくん、と跳ねて、その反応に愛染のうなじがぞくり、と震える。

    「っ、は、ぁ、ア……んむっ、ぅ…」
    「ン、っふ…」

    口の端からとろ、と零れ落ちた唾液が肌を濡らして、金城の指に軽く耳朶を掻かれると、ぞくん、と腰が跳ねる。
    お返しとばかりに舌に歯を立ててやれば金城がん、と小さな声を溢れさせたのが可愛らしくて、愛染の瞳が柔らかく笑む。
    空色の瞳に水気が増して、欲の色が灯って、至近距離から愛染を見つめる金城の瞳の中にもギラギラとした色を見付けた気がして、金城の首に絡み付く自身の腕に力を込めれば、きつく舌を絡め取られて、愛染の身体がびくびくと震えた。

    「っは、ぁ、っ、ン、ぁ…」
    「ハッ、…ン……」

    ちゅぱ、と音を立てて、金城の舌が引き抜かれる。
    離れていく熱を追い掛けるように舌を伸ばせば、金城の手に口端を拭われて、そのまま唇を撫でられる。

    「…ん、む」
    「は、…ったく、こっちは素直だよな、オマエ」

    口寂しくて、物足りなくて、唇を撫でる金城の指にちゅ、と軽く吸い付きながら見上げれば、ぐ、と眉を寄せた金城の表情が視界に入って、愛染がカリ、と小さく金城の指先に噛みつく。
    その途端、はー、と大きく金城が溜め息を吐いたのが分かって、愛染が緩く首を傾けた。

    「ごぉし?」
    「……剛士? じゃねーよ」

    ったく、オマエ、マジでいい加減にしろ。

    そう言われたかと思えば咥内から指を引き抜かれ、愛染の唾液で濡れた金城の指がパジャマの隙間から垣間見える愛染の鎖骨を撫でる。
    その感覚にふるり、と身体を震わせていると、堪えるように顔を顰めた金城にぐっと強く押されて、背中からソファーに沈み込んだ。

    「っ、なに、…ッ、ん」

    パジャマの裾を捲られて、金城の顔が腹部に埋められる。

    「っ、は? お前何して…ッ、ぁ」

    脇腹の辺りに軽い痛みが走ったことで、金城に噛まれたのだと気が付いて、愛染の瞳がびっくりしたように丸くなる。

    「ちょっ、ごう――」
    「……スタジオ、行ってくる」
    「っ、はぁ?」

    そう、言うや否や身体を起こした金城がソファーに転がる愛染を放置して、そそくさと玄関に向かって行く。
    扉が閉まる音と鍵が掛かる音が聞こえてきてようやく、愛染がゆっくりと起き上がった。

    「………最っ悪」

    直前まで考えていたことがことだっただけに、久しぶりにキスされて、嬉しくて。
    気持ち良くて夢中になって。
    もしかしたら愛染がぐるぐると悩んでいたことはただの杞憂で、明日は朝から仕事が入っているとはいえ、金城から求められるのであればこのままシてもいいかもしれない、なんて思っていたのに。

    熱を煽られて高められただけで、こうもあっさり放置されてしまうと、まるで自分ばかりが求めているようで寂しくて、悔しくて、――ムカつく。

    「……絶対剛士から手出させてやる」

    そう、心に決めて、けれどとりあえずはこんな中途半端な状態で放置されたことに対する文句を言ってやろう、と部屋に置きっ放しにしていた携帯を手に取るべく、愛染がリビングを後にした。
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