しんや☆quiet followMOURNINGTwitterから再掲供養なので、切ったとこも入れてます。付き合ってない狂聡。鍋を食べて、アルコール誤飲する狂児のお話。付き合ってないけど、わりと甘い、はずです。 #狂聡 madGenius 自室のドアを開けると、顔の強いおっさんのヤクザが、エプロンをつけて鼻歌を歌いながら白菜を刻んでいた。(うわぁ、帰ってしょっぱなから、情報量多すぎや…)「おっ、聡実くんお帰り~。バイトお疲れさんやね。もうちょいで鍋できるから、手ぇ洗っといで」狂児がいるのは、今日鍋をしようと連絡が来ていたので分かっていた。廊下まで出汁のいい匂いがしてきたから、ああ、作っているのだのとも分かっていたのに、実際に目にすると、いつも思考がフリーズする。ついでに、捲られたワイシャツの袖口から、『聡実』の文字が覗いているのにも慣れなくて、聡実はそっと目をそらした。ただいまと返事をしたらいいのか一瞬迷って、手ぇ洗ってきますとだけ言って、バスルームへ入った。(たまにしか見んから、慣れんわ…)料理をする狂児も、『聡実』も。そんなもの慣れなくてもいい気もするが。洗面台でザーッと手を洗っていると、狂児の鼻歌が再開されていた。(珍しい…、洋楽や)古い曲だがTVなどで度々使われており、聡実でも知っていた。低い声で柔らかく歌われるそれは、耳に心地よい。(鼻歌の方がずっと上手いで…)狂児が聞けばショックを受けそうなことを思い浮かべながら、バスルームから出る。「狂児さん、洋楽歌えたんですね。」「んー、なんやこれだけは覚えとってな。TVでよぉ流れとったやん。言うてもサビだけしか覚えてへんけど。」他はほんまの鼻歌やと、ふんふんとリズムに合わせて白菜を刻む。聡実はなんとなく、それを見つめてしまった。いつもの薄ら笑いとは違って、本当に楽しげなのが、ヤクザを主張する眼の険を和らげている。少し緩めにセットされた髪が、形の良い額にかかって、そこからすっと鼻筋が通り、男らしい顎のラインに続く。(顔立ちはええんよな、この人)正面で対峙すると圧が強すぎて避けたくなるが、横から見る分には割合素直にそう思える。背も高く、体格だっていい。ひょろりとした自分の腕と比べると、包丁を持つ腕の太さが、多少うらやましくはある。『聡実』はどうかと思うが。客観的に見て、こんな色男がいい声で洋楽を口ずさんでいるのは、様になりすぎていて(かっこよすぎて腹立つな。いや、かっこいい…?ほんまにか、狂児やぞ…?)エプロンつけて料理をしている珍妙なヤクザだと、さっき思ったばかりなのに、見ていると変な思考に入り込みそうで、聡実はそそくさと荷物を片付けに向かった。 狂児は、大体にして動きが荒い。声は大きいし、足音も大きく、飲み物のカップはガツンと音を立てて置く。料理も例に漏れず、雑だった。初めて聡実の部屋で料理を作った時も、ざくざくと大雑把に切られる野菜に、一体何を食べさせられるのだろうと生きた心地がしなかったが、出来上がった炒め物と味噌汁は、不思議と美味しかった。狭いキッチンだから、がつがつ色んなところにぶつかって、これ置くとこあれへんどないしよーとかうるさいことはうるさいが、散らかり過ぎて困ることも無いので(それも謎だが)こうして作ると言ってくれた時は任せている。(ほんまに、なんであれでこないに美味いんか…わからん)出来上がった鍋を一口啜って、聡実はつい、難しい顔をしてしまった。「聡実くんどやった?美味ない?」ローテーブルの向い、湯気を立てている鍋を挟んで、狂児が尋ねてきた。聡実の表情を見て、幾分不安げだ。「いや、美味しいです。ほんまに。なんでこないに美味しいんかなって考えてしもただけで。」「そらよかった!箸止まったから焦ったわー!」口にあったんなら良かった良かったと、あからさまにほっとしている狂児は、それからにやっと口角を上げて、「そんな悩んで、聡実くんも何か作ってくれるん?隠し味教えよか?」面倒な事になる前に、聡実はスパッと釘をさす。「作るわけないやないですか」「え~」「そうやなくて、作っとるとこはめっちゃ雑やのに、出てくるもん美味いから、謎やなって」「そっちかい」身も蓋もない言い方に、狂児はガクッと肩を落とした。「まぁ、雑なんは性分やからなぁ…」でしょうねとは思ったが、さすがにそれは口に出さなかった。鶏もも肉がほろほろと口の中で崩れて、じんわり旨みが広がる。「狂児さん、家でも料理しはるんですか?」聡実は雑で悪いと言ったつもりは無かったが、狂児は思ったよりしょげながら、自分の器に鍋をよそい始めた。たっぷりと入れられた白菜が、しっかり出汁をとった汁を吸って、噛む度に聡実口の中が満たされる。「いや、家ではせんなぁ。ほとんど寝に帰るだけやし」そんな気はしていたけれど、(せやったら何で上手いねん、なめとんのか)と言う気持ちが顔から漏れ出ていたのか、狂児が訂正してくる。「いや、最近は作らんけど昔はな、組入りたての時分は作っとったで。住込みやから、人の分まで」ほとんどその頃に覚えたんよと言った狂児は、聡実の器を覗き込んで「聡実くん魚も美味いで。ほれ、よそったるよ」タイミングよくおかわりをついでくれる。甲斐甲斐しい。そういえばこの人、ヒモやったなと思い出す。「ヒモやっとった時は、料理しはらんかったんです?」狂児は、ちょっと目を丸くして「してへんしてへん、俺そういうヒモや無かったから」(そういうヒモやなかったら、どういうヒモやねん)思ったけれど口に出すと面倒そうで、心の中だけでつっこんで、へぇと相槌をうつ。魚は本当に美味しかった。白身で淡白かと思いきや、しっかり脂がのって味わい深い。「せやから、誰かの為に飯作るんは、聡実くんが初めてよ」狂児の気分はいつの間にか浮上したようで、片手で頬杖をついて、柔らかい表情で聡実を見つめていた。会話の間も、止まらなかった聡実の箸が、止まる。(そういう小っ恥ずかしい事を、さらっと言わんで…)反応に困って、顔が熱くなる。赤くなっているかもしれない。見られたく無くて、俯く。「組で作っとった、言うてたやん」「あれはお仕事やもーん。せや無かったら、こんな手間かかることせんわ」あっ、聡実くんには好きでやっとるんやで!と、力説してくる狂児。「聡実くんがそやって食うてくれるの見てたら、最近は作るんも楽しなってきてなぁ、たまに若いのに習っとるんやで」「は?」「今料理上手いやつおって、組の台所で作っとるとこ押しかけて、教えてもろてるの」「それは…、かわいそうに…」つい、本音が漏れてしまった。「ちゃーんと優しゅうお願いしとるし、お礼もしとるって」(そういう問題やないやろ…)こんなデカくて圧の強い兄貴分に、台所で背後に立たれるだけでも嫌だ。猫なで声で、それどうやっとんの教えて~なんて言われた日には、逃げ出したくなる。無理だが。(ま、知らん人のことやし、案外喜んどるかもしれんしな。知らんけど)美味そうなの習ったら、また聡実くんに作ったるねと言う狂児を後目に、聡実は食事に専念しようとした。(昔作っとった…か)つい、考えてしまう。自分だって今は自炊をしているが、高々1年半、それも、自分が食べるだけだから大した物は作れず、さほど上達もしていない。目の前の今は大人しく鍋をつついている男は、多分それよりは長く、真面目に料理していたのだろう。(僕かて、作ったってもええねんけど…)外食する時は否応無しに奢られているから、家で食べる時くらいはと思うが、美味くない物を出されても困るだろうなと、ブレーキがかかる。(料理も追いつけへん)こうしてたまに経験の差を感じると、生きている時間が25年も違うのだと突きつけられるようで、それが、寂しいような、悔しいような。競うつもりはないが、何かしら近づきたい、並びたい。子供扱いで腹が立つほど子供では無くなったが、狂児にとって自分はまだまだ子供かと思うと、密かに凹むことはある。(おっさんやのに、体力すら勝てん気ぃするしな)それどころか狂児が老年に差し掛かっても、体力は勝てない気がする。(そこは別にええねんけど)とりあえず料理くらいは、いざと言う時作れるように、真面目にやってみると決めて、鍋の具をさらえた。「お、綺麗に食うてくれたなぁ。そしたら雑炊作るヨ」(朝食がハードル低いけど、狂児泊まらんしなぁ)鍋を持ってコンロへ向かう後ろ姿を見ながら、そんなことを思った。〆の雑炊まで食べ終えて、聡実は鍋や食器を洗っていた。狂児は手伝いたがったが、狭いからと断ったので、大人しくテレビを見ている。「聡実くん、もう茶ぁのうなったけど、そっちまだある?」「無かった気ぃしますけど、冷蔵庫見てください」手に泡がついていて、確認出来ない。よっこらしょとやってきた狂児は、隣に並んで冷蔵庫を開ける。「うーん、茶はあらへんね。可愛らしい缶がなんぼかあるけど、これ酒か?あかんで聡実くん、まだ19やろ?」「ちゃいますよ、それノンアル。友達と鍋やった時の残りや」未だに、そういう事に関しては狂児は細かい。空港で再会した時に、それ以前とは互いの関係は少し変わったような気がしたけれど、14の時と変わらぬ扱いに、やっぱりよく分からなくなる。「ほーん、ほんまや。ファジーネーブルやて、最近は可愛いらしいもんがあるんやね」「僕は茶で良かったんやけど、友達が気ぃきかせて買うて来たん。もう飲まへんし、冷蔵庫空けたいし、気になるんやったら狂児さん飲んで。その間に茶作るから」「在庫整理かい。まぁ、いらん言うならちょこっと飲んでみよかな」どーれーにしようかなと、缶を選んだ狂児は、その場で開けて飲み始めた。「ん、最近のノンアルて、ほんまに酒の匂いする?よーできとるな」聡実は洗い終わった食器を拭きながら、あれと思った。自分が飲んだ時は、アルコールの匂いは全く感じなかった。(でも、ノンアルしか残ってへんかったと思うんやけど…)「狂児さん、それ何味?」「うん?なんたらゼロいう桃味のやつ」「っ、それ酒や!」「ほんま!?ゼロて書いてるやん!」「アルコールゼロやのうて、糖質ゼロ!」「うわぁ、やらかした」そう言うそばから、狂児の顔はほんのり赤くなってきていた。「狂児さん、顔赤いで。平気?」目も心なしかとろりとしてきている。「うん、平気やけど、これは、酔いはじめとるわ」答える声はしっかりしていたが、平気はまるで信じられない。下戸だとは聞いているが、どの程度飲めないのか。「とりあえずあっちで座っとって。水持ってくから」「ごめんなぁ。吐きはせんから、洗面器はいらんヨ」それは冗談なのか、判別付け難いことを言わないで欲しい。水を、大きめのグラスに並々注いで持っていくと、狂児はテーブルに寄りかかっていた。ありがとうと、水を半分ほど飲む。「ほんまに、下戸やけど、この位は平気やで。ただなぁ、こうやって顔めっちゃ赤くなるねん。あと、死ぬほど眠なる」せっかく聡実くんちおるのにやってもーた、寝たないー、車どないしよーと、もごもご言いながら、狂児の上半身はテーブルの方に傾いていく。「とりあえずちょっと寝たらどうです?酒抜けたらおきたらええやん」「えー、起きれる自信あらへんからいややー。もっとお話しよー」ついに狂児は、テーブルの上に突っ伏しながら、頭をゆるゆる振り始めた。「ぐだぐだやのに、何話すん。おっさんが駄々こねんといて」それがあんまり子供みたいで、つい聡実は、狂児の頭に手を乗せていた。頭の動きが止まって、テーブルに頬を付けたままの狂児が、ひたと聡実を見つめてくる。「あー、聡実くんが、頭ぽんぽんしてくれるんなら、寝てもええかも」にやっと笑うその顔に、なんやわりと余裕あるやんと、わざとぐしゃぐしゃと髪をかき混ぜてやった。ぐしゃぐしゃにされながら、狂児はくつくつと笑っている。整髪料の着いた髪は、表面はばしばしとして硬いが、内側は割合柔らかく、大型犬はこんな感じだろうかと思った。「なんや、犬にでもなった気分や」「僕は犬撫でとる気分です」「同しこと思ってたん?運命やなー」「犬が何か言うとるわ」「ひっどー」機嫌よく肩を震わせ続ける狂児の髪はすっかり乱れて、顔を覆っていた。聡美はやめ時がわからず、だらだらと髪を梳いている。「聡実くんの手、気持ちええな」ああまた、すこしトーンの違うこの声で言われると、何と返事をしていいかわからなくなる。どうしたものかと考えていると、すっと、耳に届く呼吸音が変わる。「え…寝たん?」返事は無い。顔にかかる髪を掻き分けると、確かに瞼は閉じていた。すうすうと安らかに、背中が上下する。「狂児さん、ほんまに眠かったんか…」何故か、狂児は寝ないだろうなと思っていた。眠い眠いと言いながらも、途中からはしっかり会話していたし、このままぐだぐだして、そのうちタクシーで帰るのだろうと。「寝顔…初めて見たわ」そういえば見たことが無かったと思い出す。だから、『狂児は寝ない』と刷り込まれていたのか。カラオケで聡実が船を漕ぐことはあっても、狂児はずっと歌って、話していた。家に来るようになってからも、どんなに遅くなっても、『こっちで寝るとこあるから、気ぃ遣わんでええよ。デカいおっさんおったら、聡実くんちゃんと寝れへんやろ』と、泊まりはしなかった。初めは客用布団でも置こうかと考えいた聡実だが、場所も無いし、泊まらないしで、すっかり辞めてしまった。その狂児が寝ている。どうにも不思議な気持ちだった。「狂児さんも、寝るんやな」当たり前だけど。顔が強い強いとは思っていたが、大部分は眼力だったようで、それが閉じている今、随分と安らかに見える。普段から若くは見えるが、髪を下ろした寝顔は、10は鯖を読めそうだった。歳を重ねて立派な色男に育っているが、元々の造作は多分母親似なのだろう。眉以外は繊細なつくりをしている。案外可愛らしいな。思ってしまって、直ぐに、これはあかんやつやと思い直す。普段とのギャップに、びっくりしとるだけや。ほんまに可愛いわけやない。40越えたおっさんやから。自分に言い聞かせてみるが、なかなか治まらない。さっき犬扱いしていた名残なのか、また、髪だけじゃなく顔も、くしゃくしゃに撫でてみたくてうずうずしだす始末だ。なんやねんこれ、おかしいわ。どうにもし難い感情を振り切るように、勢いよく立ち上がる。「あー、もう、あかん。風呂入ろ」風呂に入って、すっきりしたら、治まるだろう。その頃には狂児も起きているかもしれない。すやすやと寝こける狂児を隠すように、ベッドから布団を引っ張り下ろしてかけた。聡実がざっとシャワーを浴びて出てくると、果たしてローテーブルにくっついた布団の塊は、そのままだった。(こないに起きへんと思わんかったな。)半分くらいはもう起きているのではないかと思っていたが、まだ眠りは深いようだ。ヤクザがこんなに寝こけて大丈夫だろうか。いや、多分大丈夫ではないから、今まで聡実の前で一睡もしていなかったのだろうが。「僕んちやからええけど…。」さてどうしたものか。狂児は起こせと言っていた。言っていたが、どうせもう大阪に帰る終電は無いのだ。こっちに泊まるなら、このまま聡実の部屋に居ても問題ないはずだ。それはほんの出来心だった。狂児を泊まらせたら、明日どんな顔をするだろうか、見てみたい。『でかいオッサンおったら、聡実くんちゃんと寝れへんやろ』と、何時になろうとも帰ってしまう狂児だが、いくら聡実の部屋が狭くとも、もう一組布団を敷く位のスペースはあるのだ。(布団買うてきて置けばええねん)敵対勢力とやらに寝込みを襲われる心配があるわけでもない。(そんならそもそも僕の部屋にこんやろ)嘘では無いが、全部は告げられない理由を、今まで問い詰めないで来た。なんかあるんやな。でも、話さんなら聞かれたくないんやろう。じゃあそれでいいという事にしてきた。無理に泊まるように勧めるのも変な気がして、最近は帰るのが当たり前になっていた。あっさりと帰っていく狂児。けれど、別れ際、チラとも寂しいとは思わないのか?もう数時間でも、一緒にいたいとは、思わないのか?「そう思とるんは僕だけか?」起きている時には、絶対に聞けないことを問いかける。気にしないように、丁寧に撫で付けていたささくれが浮き上がってくるようだ。「やってることちぐはぐやねん」触れてくる指先、見つめる眼差し、呼ぶ声音、端々から感じる好意が、素直に表せないが嬉しかった。聡実だって、それを受け止めて、返したいと思う。けれど、ふとしたところで、踏み込ませない線を感じて、躊躇する。「僕んこと、どう思とるん?」さも『おともだち』みたいに、彼女できた?なんて聞かれることもある。しれっと聞いてきよって、僕かてそのうち彼女くらい出来るわ。でも、お前はええんか、ほんとにええんか。いいと思っているなら、あんな目で見つめてこなければいい。そうすれば、聡実だって、女の子といい雰囲気になる度、狂児の顔を思い出さないで済む。こんなに心を波立たせないで済むかもしれない。「僕の察しが悪いんか?どうせ大人とちゃうから、どう思とるなんて、はっきり言われんとわからんわ」好きになってええの?あかんの?どっちやねん。だんだん腹が立ってくるとともに、この距離感が、心地よいと、このままでいいのだと思い込んでいたけれど、案外そうでもなくて、色んなものに蓋をしていたんだなと冷静な自分が思う。ただもう、ここから動けんだけやないか。進むんも決められん。離れることも出来ん。「とりあえず、ベッドぶち込んだろう」寝こけているヤクザをベッドにぶち込んで、布団は一組しか無いから、添い寝をしてやる。朝起きて、『狂児さんおっても、よぉ寝れましたけど』と言ってやったらどんな顔をするのか。いつもと変わらないかもしれない。へらへらと笑って、流されるかもしれない。(ちっちゃい意趣返しやなぁ)小さすぎて、その位しか出来ないのにも腹が立つが、とにかく何でも、狂児の決めたラインを越えてやりたかった。「ここで起きられたら、ぱあなんやけど」そっと布団を剥ぐと、未だ呼吸は安らかだった。アルコールの力なのか、さすがに疲れもあるのか。ベッドは狂児のすぐ背中側にある。持ち上げて方向を変えるだけなので、なんとか聡実でも出来るだろう。服も部屋着に着替えさせているので、シワになろうとも気兼ねしなくていい。そっと近づいて脇の下に肩を当て、腕を自分の首に回させる。腕をとった手と反対の手を腰に回すと、嫌でも身体の厚みを感じさせられた。贅肉の無い、硬い筋肉の厚みだ。腕と腰を掴んで立ちあがると、想像以上の重量が身体にかかってきた。(おっもっ…!何入っとるん!?)筋肉は重いというのを実感させられ過ぎる重さに、たまに聡実に体重をかけてくるのなんて、本当に手加減されていたと思う。なんとか立ちあがって、そのままばったりと上半身をベッドに乗せ、残った長い脚を押し上げる。起こさないようになんて余裕は全く無かったが、幸い眠りは覚めていないようだ。「ほんま…、大丈夫かこのひと」反対に心配になるが、寝ているならそれでいいと思う事にして、布団を掛ける。「あっ!米!」バタバタと米を洗い、明日の朝に炊けるよう、タイマーをセットする。電気を消して、狂児を避けながらベッドの隙間に入りこんだところで、聡実はふと我に返った。何やっとるんや僕は。わざわざオッサンをベッドに引っ張りこんで添い寝して。客観的に見ると、だいぶおかしい。しかし、そもそもの関係が既によくわからないのだから、客観的に見ても仕方ない。僕ら、ほんまにな何なんやろう。間近で感じる狂児の存在は、予想通りと言うべきか、案外と言うべきか、落ち着くものだった。だいぶ薄れているが、慣れた香水の香りに、ヒトの匂い。直接触れていなくても伝わる熱。逆に触れた所は少し緊張するので、背中合わせにすれば良かったなと思った。そんな余裕も無かったので、狂児は聡実の方を向いて横になっている。聡実はあまりくっつかないように、狂児と逆を向いて横向きで寝る事にした。耳のすぐ側で寝息が聴こえるのがくすぐったいが、背中は暖かい。これから安眠して、朝、『よぉ寝れました』と言ってやらなければいけないのだ。ああ、ぬくいし、きょうじの匂い、ええな。きょうじ、あしたまだ、おるかな。おにぎり、つくってやらな。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow しんやDOODLE完全にポーズ集なぞって顔付け足しただけなんですがスマソンがキスしてます。服着せるのも面倒になって裸なのでワンクッションです。ポーズ集ありがとう。でも、スマ1.5倍くらい盛ったんですけどまだ細いな… しんやMEMOサンワ感想絵じゃないです。ただのメモネタバレのためワンクッション 2 しんやTRAINING色ってどうやって塗るんだろう…前に描きかけてた、すみ〇コヘアバンドの狂と聡くん。 しんやDONETwitter再掲。付き合ってない狂聡。成人式後。狂児がマーキングしたり、聡実くんがぐるぐるしたり。 8 しんやDONETwitter再掲🚬の部屋着はださいんじゃないか、🍓くんは家では高校ジャージなんじゃないかという妄想からでてきたお話です。若干の🚬のお色気シーン(笑)あり 9 しんやTRAINING聡実くんに、高校のジャージを着せたかっただけで… related works LFjIort6SiZnaMmMOURNINGこういうスタンスの狂聡ももえる 6 mitaka_05050401DONE20220401🎂岡聡実生誕祭💖聡実くんお誕生日おめでとうございます!文字なしと加工なしver.もアップします 4 チョキDONE狂聡 モズさんのポイポイDONE狂聡ねこ₍˄·͈༝·͈˄₎◞ ̑̑₍˄·͈༝·͈˄₎◞ ̑̑ ふちさきDONE⚠️ 3914 狂聡♀「誘拐契約」https://x.com/huchi_k2/status/1799911114815463480?s=46 4 HAYASEDOODLE🔞えっちしてる(だけの)狂聡 挿入あり 独占欲強め成田 ↑18?yes/no 10 unXXXhmMOURNING行為中に狂児の顔よく見えないなって思って、狂児と会う時だけコンタクトに切り替える聡実くん※狂児の刺青どうなってるか分からないので適当です 5 カフェラテDONE狂聡 おいしいよ! 2 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