幸せの温もりぱちり、と目が覚める。部屋は薄暗く夜明け前といったところだろう。今日はオフだというのに眠りが浅いのか何時もこの時間に目が覚めてしまう。
覚醒してくるにつれ耳元で響くぐぅぐぅと健康的ないびきと、少し鼻腔をくすぐる、でも安心する、におい。自分の胸の辺りに後ろから回された腕に気が付き背後にいる男…昨晩の事で頭が埋め尽くされた。自分が今どんな顔をしているのか、わからない。
ベッドから抜け出そうとすると腰を掴まれ引き戻された。
「……おい」
相当力が強い。起きているのだろうと振り向いたとたん、唇を塞がれた。
一瞬で、思考が止まる。
頭が回らないまま酸欠になって胸を押しのける。
「……離せッ…」
「うッ………え?ブラッド………って今何かしたかオレ?」
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