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    _BeHa_

    @_BeHa_

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    プトオク。甘め。
    臆病で狡い大人なプトと、プトのテリトリーに自分の居場所が欲しい素直なオク。

    #プトオク
    ptochu

    ベッドタイム 体が軋む。
     独り寝で今まで窮屈さを感じることなどなかったが、最近狭くなったシングルベッドは快適とは程遠い。それもこれも、隣で両手を大きく広げて無防備に寝息を立てている青年が原因だ。

    「…………」

     欲を発散し、すっきりしたが疲れを溜め込んだままの体が痛い。枕も毛布も奪われ寝返りを打つスペースも無く、ギリギリまで端に寄り縮こまって眠っていた俺は上体を起こし凝った首裏を摩り肩を揉んだ。
     誰かと夜を共にし、同じベッドで朝を迎えるなんて考えてもみなかった。それも一夜限りではなく習慣になりつつある。相手はあのオクタンで、予想外の連続だった。

    「ん、……クリプト」

     目を覚ました彼が目を開けて仰向けのまま俺を見上げた。

    「今日も起きんの早えな」
    「……ああ」

     人懐っこい青年がまだ眠そうに目を擦り、昨夜の情事を微塵も感じさせない無垢な表情で俺にふにゃりと笑いかける。
     俺とオクタンの関係に名前はない。その日の気分で互いの性欲を解消する仲だ。殺し合いをしたその日に抱き合う事も珍しくないが、この火遊びにもいつか彼は飽きるだろう。
     きっとオクタンにとってはゲームの延長に過ぎないスリルと興奮、快感に性欲解消。その相手に俺を選んだのに特に理由はなく、
    ──ただ手頃だった。
    ──彼がそういう気分の時にたまたま俺が目に入った。
     それくらい適当でいい。勘違いしないよう自分に言い聞かせている。とてもじゃないが、オクタンとのセックスに処理以上の意味など持たせることはできなかった。そこまで自惚れていない。この体の痛みも一時的なものになるだろう。

    「なあ……ベッド買いに行こうぜ。デカいやつ」
    「必要ない」
    「なんでだよ、狭いだろ?」
    「お前がもう少し端に寄って寝てくれればいい」

     冗談じゃない。唆されて大きなベッドなんて買ってみろ。お前が俺から去った時、どれだけ空いたスペースが虚しいと思う?

    「……じゃあ、もっと俺に引っ付いて眠れば?」
     
     抱きしめて眠って体温に慣れた体が、どんなにお前に焦がれると思う?

    「遠慮する」
    「なんでだよ」

     痛む体。気怠さと疲労感。好きだとは言えず、突き放す物言いは崩せない。好意はあるが、恋を悟られたくない謎の意地。
     付き合ってもいないのに、捨てられた時の事を考える。傷は浅い方がいい。

    「……アンタのこと好きだぜ?」
    「『今は』、……だろう?」

     臆病で狡い俺はまともに取り合わず鼻で笑ってみせた。彼に言った言葉で自分を戒める。

    「素直に受け取れよ」
    「気まぐれに振り回されるつもりはない」
    「今更だろ?」
    「……」
    「で、ベッドのサイズどうする?」

     悪戯っぽくオクタンが笑った。伸ばした手で彼の頭をくしゃくしゃと撫で回し、ライムグリーンの髪を乱す。余裕ぶって微笑んで、彼の求めているであろう大人の男を演じる。

    「買わないと言ったはずだ」

     窮屈なシングルベッド。手足を広げて眠れずとも、悪くない。

    「わかった。……クイーンサイズにしようぜ、ヒヨン!枕もいるな!」
    「俺の話聞いてたか?」

     覚めた目で夢を見る。どうかこの愛おしい肩こりと腰痛に悩まされる日々が、少しでも長く続けばいいと。
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    _BeHa_

    DONE雇プト×オク
    裏ではテロリスト組織のシルバ製薬妄想。悪いオクタビオのアースです。
    面接に行った雇われの話の続きです。

    エロ無しキス有り
    ※何でも許せる方向け
    「ここがアンタの住処か。悪くねえな」


     廃車のスクラップ工場付近にポツンとあるトレーラーハウスが俺の現在の家だ。普通の住宅に比べれば小さいが、中に入れば一般的な住居とほぼ変わらない。勿論、外観は洒落た綺麗なものではなく内装にも拘っていないせいで無骨だが、誰かを招く予定もリフォームする気も一切無かった。
     キッチンにトイレにバスルーム。空調も完備していて不便もない。冷蔵庫やレンジなど家電製品も充実し、通常の生活を送るのに全く問題は無く、狭ささえ目を瞑れば快適と言える。ベッドもソファーもあり贅沢なくらいだ。

     彼の言葉が皮肉なのかお世辞なのかは分からないが、オクタビオは朝早くから金持ちにとってはスクラップ紛いに見えそうな俺の住居にやって来た。
     早朝からの来客に眠気まなこを擦りモニターを確認すると、そこに映り込んだ鮮やかなライムグリーンに急速に目が冴え脳が起動した。サングラスにマスク姿の雇い主に驚き携帯端末で予定を確認するが、今日までは完全にオフで間違いはない。
     今日まで、と言うのは、あのイカレた面接に合格した日。流れと勢いに身を任せて、雇い主と高級レストランのテーブルの上でセック 3196

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    一生休日

    DONE先に起きて、朝の準備をしてくれるタイプのクリプトとおねんねオクタン。
    しあわせのあさスペインでは朝食を2回食べるというのを聞きました。わかりにくいので2回目の方は“軽食”と表現してます。
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    ヴゥン。
    「……んっ」
    起動アラームをセットしているハックの起動音で目を覚ます。薄暗い部屋の中、サイドテーブルの上でぼんやりと緑に光るハックに背を向ければ、大きな口を開けて寝息を立てる恋人がいる。
    (今日は涎垂れてないんだな)
    ちゃんと口を閉じて寝ている日もあれば、今日みたいに口を開けっぱなしで寝ている日もある。いつだったか、肩のあたりが酷く冷たい感触で目を覚ましたら人の寝巻きを涎で濡らしていたこともあったな。
    喉を痛めるからできれば口を閉じて寝てほしいが、寝ている人間にそれを強いても意味はない。しばらくオクタビオの寝顔を眺めていたら、背後のハックの光が少しだけ強くなるのを感じた。起動してから10分後に一段階明るくなるようにわざわざ設定しているのは、そうしないとずっと眺めていてしまうから。音のアラームにしないのは、オクタビオを起こしたくないから。アラーム音には敏感なようだが、幸い光はあまり気にならないらしかった。
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