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    しろ

    しろ(@w0d_46)の投げ置き場。

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    しろ

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    オクブラ前提のオク視点。というかオクが話してるだけ。冬の夜のお話。

    カモミール


    カシャリ…カシャリ…
    真っ暗な廊下に、自分の足音と抑えた息だけが静かに響く。

    「はーーーさっみぃ…」

    羽織ったパーカーをギュッと握りしめた後、思わずハァ…と手に息を吐き掛ければ、掌に僅かに白さが覆った。
    吸う息ですら、肺にちくりと刺すように冷たい。

    時刻は真夜中。
    こんな夜中に何をしてるのかと言うと、上手く寝付けない上に、体が寒さを訴え、そそくさとキッチンに向かっているところである。

    暖房が壊れるとかイジメだろうか?
    カミサマは俺が嫌いなんかね?
    いや、俺はカミサマなんか嫌いだけどな!!

    悪態をつくものの、ぶるりと体が震えればそんな考えも霧散していく。

    はーー…何かあったけぇのが飲みてぇな……

    昨日の帰り道、既に雪がチラついていたのを思い出す。どうりで寒い訳だ。なんなら既に積もっているかもしれない。
    世の中も、プレゼントを配る赤いアイツがそろそろ顔を出す頃だろう。

    キッチンについて、ようやく明かりを灯す。眩しさに目をしぱしぱさせながら、小さい頃は俺も信じてたなーなんて思いつつ、ポットで湯を沸かし始める。
    その間にマグを出し、普段あまり開けない棚を覗けば、見慣れない緑色の缶があった。

    「あ?なんだっけか…」

    小さな缶には、白い花の絵。
    そこで、少し前に「たまには飲んでみると良い」と言って渡してきた、愛しい姿を思い出した。汚れては困ると、棚に入れたまますっかり保管されていたらしい。
    カポリと蓋を開ければ、ふんわりと花の香りが鼻をくすぐる。よく見れば、一つ一つ茶葉が小分けにされていて、これなら自分でも淹れられそうだ。

    「うっし、たまにはオシャレにいくかー!」

    マグを湯で温めたあと、ティーパックを入れて熱湯をかける。本当はティーポットでもありゃいいんだが、そんな優雅な趣味があるわけもなく。

    「3分待つんだっけか?……もういいか?」

    子どもの頃に紅茶の淹れ方も習った気がするが、いかんせん昔の記憶だ。
    柔らかく香る匂いを楽しみつつ、適当な所で茶葉を引っ張り出す。
    黄金色の水面に満足し、一口つければ、優しい味が口内を満たした。

    「ふぁーーあったけぇぇ…」

    じんわりと体が温まり、鼻と指先が赤らむのを感じる。コーヒーとはまた違う、暖かさだ。

    「ははっ、俺んちのサンタは一足早かったみてぇだな!」

    明日会ったら、お礼でも言っとくか!
    …あ、なんかお返しした方がいいか?

    マグを持ったまま寝室へと戻りつつ、アイツの姿を思い浮かべる。
    今夜はゆっくり飲みながら寝よう。
    ぽかぽかした体は、きっとぐっすり眠れるだろうから。
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    しろ

    DONE雪が嫌いなブ。シリアスっぽいほのぼのオクブラです。白い傷


    はらり、はらり。

    それは綿のように柔らかで、硝子のカケラのように煌めき、全てを白亜の世界に染め上げる。

    そんな雪が、私は大嫌いだった。



    「お、降ってきたな」

    試合後の帰り道、オクタンと並んで歩いていると隣から嬉しそうな声が上がった。
    釣られて上を見上げれば、暗雲とした空から白い粒が落ち始め、ポツリとゴーグルに付着する。

    「雪…か…」
    「どうりで寒い訳だぜ…」
    「……そんな格好をしているからだろう、まったく」

    オクタンを見れば、コートを着ているとはいえ、真冬とは思えない薄い服装に、見ているこちらが寒さを覚えそうになる。
    なんなら、いつもしているマスクすら外している。
    「あんまり着込むと、速く走れねぇだろ!!」と言い訳を叫んでいるが、貴方らしいな…と答えるに留めた。
    まともな答えが返って来ないだろうなぁという諦めにも似た境地だからではない、決して。主神には誓わないけど。
    そんな私の心の声などつゆも知らない彼は、ちらりと私を見る。

    「アンタは相変わらずあったかそうだな!」

    試合中と変わらない服装の上に、上からコートとマフラー。正直、着膨れしている自覚はある。
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    しろ

    DONEオクブラ前提のオク視点。というかオクが話してるだけ。冬の夜のお話。カモミール


    カシャリ…カシャリ…
    真っ暗な廊下に、自分の足音と抑えた息だけが静かに響く。

    「はーーーさっみぃ…」

    羽織ったパーカーをギュッと握りしめた後、思わずハァ…と手に息を吐き掛ければ、掌に僅かに白さが覆った。
    吸う息ですら、肺にちくりと刺すように冷たい。

    時刻は真夜中。
    こんな夜中に何をしてるのかと言うと、上手く寝付けない上に、体が寒さを訴え、そそくさとキッチンに向かっているところである。

    暖房が壊れるとかイジメだろうか?
    カミサマは俺が嫌いなんかね?
    いや、俺はカミサマなんか嫌いだけどな!!

    悪態をつくものの、ぶるりと体が震えればそんな考えも霧散していく。

    はーー…何かあったけぇのが飲みてぇな……

    昨日の帰り道、既に雪がチラついていたのを思い出す。どうりで寒い訳だ。なんなら既に積もっているかもしれない。
    世の中も、プレゼントを配る赤いアイツがそろそろ顔を出す頃だろう。

    キッチンについて、ようやく明かりを灯す。眩しさに目をしぱしぱさせながら、小さい頃は俺も信じてたなーなんて思いつつ、ポットで湯を沸かし始める。
    その間にマグを出し、普段あまり開けない棚を覗けば、 1091

    recommended works