しかし、半人前の身体というのは不思議なものだ。
この身体ではあまり食事が必要ないのか、入れ替わって半日経った現在までに口にしたものは喉を湿らすためのわずかな水のみ。未だトイレに行ってすらいない。……僕はその方が助かるけど。
彼の人となりを知らない以上、外を出歩いて下手に混乱を招かないようにと病欠させてもらった。彼は僕の身体で行ってしまったが。
彼の出席率に傷をつけてしまったことに罪悪感を感じつつもほっとしていた。
思えばクラスすら知らない。前に聞いたけれど、結局答えを聞きそびれていた。
ソファに座り、リモコンの電源ボタンを押す。
平日の昼番組は退屈なもので付けても面白いものはないが、この空間に一人でいる自分を多少は癒した。
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