月夜のワルツ 「ふふ!ビラール、早く早くっ!」
「まて、ルル。そうはしゃぐな」
「ふふ、だって…っ!」
そう、先刻まで立食パーティー。会合の場にて緊張していたり各国の要人いたり全属性であるルルは奇異の目に晒されていて萎縮したり居心地が悪かったのだろう。湖を見つけたルルは子供のように無邪気な顔をしてドレスのままパンプスを脱ぎ捨て湖へと飛び込み私を夜のダンスへと誘った。
「『レーナ・アクア!水しぶきよ、私の周りを跳ねて踊って!』」
ルルの魔法につられるように月に照らされた水はルルの周りを舞い踊る。全てが幻想的で美しく思わず見とれてしまう私をリアンが背を押した。
「何を惚けているの。あなたの姫君があそこで待っているでしょうに」
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