次男アイクと三男シュウ。歳も見た目も違うのに時々双子のような事がある、とっても仲良しな二人。それぞれ他の兄弟とも仲良しだが、二人の場合は兄弟と言っても双子のような友達のような不思議な仲の良さを感じるのだ。例えばある日の一日。
ぽかぽかと暖かい日。陽の当たるソファーでシュウがスヤスヤ眠っていた。通りがかったアイクがブランケットを持ってきた。かと思えば隣に座り、二人一緒にくるまった。しばらくして通りがかったミスタとルカは、兄二人の姿を見て顔を見合わせた。ルカやミスタが寝ていたらこんな事は起きない。ブランケットを掛けるだけだ。
(二人とも寝てる!仲良しだね!)
(な!アイクがこんな所で寝てんの珍し〜。いつも起こす側だもんな)
(うんうん。こんな所で寝ないでベッドで寝なよ!って)
アイクが身じろぎする。二人はもう一度顔を見合わせて静かにその場を離れた。
また別の日。
アイクがリビングで読書をしていると、無言で隣に誰かが座った。見ればシュウが携帯を片手にイヤホンを付けていた。
「何読んでるの?」
「何聴いてるの?」
二人は顔を見合わせ同時に吹き出した。
「〇〇の〇〇っていう本だよ」
「ーーのーーっていう曲だよ」
アイクが目を輝かせ、シュウも口元に笑みを浮かべて答える。
「! その曲大好き!!ねぇこの曲は知ってる!?」
「んはは!そっちの本はこの本の人だよね」
二人は笑い声を上げながらお互いのものについて話し合う。いつしか二人で音楽を聴きながら歌ってみたり、顔を寄せ合い携帯画面を見てみたり。明るい笑い声を響かせていた。
「ミスタ!今から公園でサッカーしよう!」
「今からぁ!?しかも俺運動嫌いだって知ってるよな!?」
「ただいまー」
「丁度シュウと会ったんだよねー」
ミスタとルカのように明確に遊ぶ約束はしないが、なんとなくいつも一緒の二人。服の貸し借りをしたり、たまたま帰りに会えば、そのまま一緒にゲームセンターで遊んできたり。
お土産という名の戦利品を沢山抱えて帰って来た二人にミスタとルカが駆け寄る。
「いいなー!」
「俺達も行きたかったんだけど!」
「今度はみんなで行こうか」
「お詫びと言っては何だけどこれあげるよ」
「やったー!!」
正反対かと思えばよく似た二人。弟のイタズラにアイクが「こらー!」と叱ればシュウは「まあまあ〜」と笑ってたしなめる。家事の分担も「僕こっちやるね」「じゃあ僕こっち〜」と迷わず決まり、その後も時に相談せずとも担当箇所を分けて片付けていく。それを見た弟達は声をひそめて言う。
「テレパシーとか使ってんのかな」
「テレパシーってなに?」
「え、えっと…… 」
「ちょっと君達宿題やったの?」
「そうそう。僕も今日は教えられないよ?今日は僕達一緒に寝るんだ」
「「ねー!」」
「えっ!?いいなー!!」
「俺らもやりたい!!」
「じゃあ早く宿題終わらせる事だね」
「頑張って〜」
「よっしゃルカいくぞ!」
「おー!」
バタバタ
「ふふ、今日は無事に終わりそうだね」
「ほんと!夜が楽しみだ」
「「ねー!」」