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    ankounabeuktk

    @ankounabeuktk

    あんこうです。オル相を投げて行く場所

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    ankounabeuktk

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    お肉さんの4コマに寄せて

    後始末【オル相】 腰が痛い。
     鼻歌が聞こえる。
     ケツも痛い。
     音程外れてんじゃねえか。
     変に力が入ったのか太腿の裏も痛い。
     足の裏が地面についているのに揺らされ過ぎた感覚が離れなくて、真っ直ぐ歩くのもつらい。
     脱いだはずの服がなくて。
     真っ裸で歩くには窓から差し込む太陽の光が眩し過ぎて。
     一番窓から遠い、玄関に続く廊下。
     遠くから見ただけでもわかる、転げたインテリアや、転げ回った靴や、タイルや壁に散々に撒き散らかされた汚れや。
     そういった、昨夜のここに辿り着いてから扉を閉めた内側ですぐに起こったあれやこれやの後始末を苦労を苦労と思わない様子で呑気に掃除する恋人の毒気のない顔に、俺は言える文句が何もない。
     するつもりだったから来たのだし。
     順序が多少違ったとしても求めていたことは同じで。
     こんなところでとかベッドまで我慢できなかったんですかとか言ってやろうと思っていたことは腰の痛みへの恨み節と一緒に次から次へと湧いてきたはずなのに、どういうわけかこちらを見て微笑まれた瞬間に何もかもはぐっと喉の奥に詰まって出て来なくなった。
    「………どうかした」
     動きもせず、中途半端に睨み付け一言も発しない俺を不思議そうに眺めるこの男は本当に昨夜の変態紳士と同一人物か
     迂闊なことを言って今の掃除を無に帰す行為に出られても困る。俺は少し迷ってから言った。
    「腰痛えんですが」
     笑われた。
    「ご飯食べられる? その後で揉んであげるよ」
     どこをですか?と聞いたら、本性が出て来る気がした。
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    DONE【含光君の恋文】#4
    雲夢料理を白黒二人+江澄がもぐもぐします(単体でもお読みいただけます)。

    🎊「MDZSごはんを食べる企画展示Webオンリー」イベント開催おめでとうございます🎊

    【注意とごあいさつ】
    ・まだ知己ですが、そのうちR-18に突入
    ・アニメ/原作/cql履修済
    ・設定捏造してます、ふわっとお読みください
    江家の晩餐(含光君の恋文・番外編)江家の晩餐

     雲夢・蓮花塢の大広間にて。
     こじんまりと、静かな宴が行われていた。

     雲夢は国の中央に属する。辛・酸・甘、麻辣、清淡など、各地の味覚や製法を取り入れた独特の食文化が自慢だ。新鮮な山河の素材に薬膳効果のある山菜を加え、最大限のもてなしに厨房は大わらわ、春節のような賑わいだった。

     だがしかし。

    「……」
    「……」
    「……」

     春のすがすがしい夜風が流れる大広間では、少しも晴れやかでない男達が三人、円卓に向かって座していた。

     江宗主・江晩吟。
     この宴を用意させた本人だが、少しも客をもてなす様子がない。もてなすどころか、苦虫を嚙み潰したような表情で、無言のまま卓を睨んでいる。恐ろしくも美しかった紫蜘蛛・虞夫人を彷彿とさせるような形相だ。宗主の低気圧に慣れた家僕たちも身をすくめ、(なにか不備があったのでは)と互いの顔を見合わせている。
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