Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    ankounabeuktk

    @ankounabeuktk

    あんこうです。オル相を投げて行く場所

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🐐 🐈 ♨ 🏮
    POIPOI 230

    ankounabeuktk

    ☆quiet follow

    歯がつるつるのリクにもとづき。
    お付き合い済み。

    抗いがたい衝動と【オル相】 くちづけの喜びに目を細めた恋人の眉が僅かに驚きの形に変わったのが、瞼が降り切る寸前に相澤が見た最後の光景だ。
     そこから先は忍び込んで来た舌をいなし絡め駆け引きに気分を読みながら息継ぎを幾度も挟みひたすらに貪り合うだけだったのだが。いつもなら圧倒する質量で早々に息苦しくなるというのに、悪戯な舌先は丹念に歯列をなぞっては、その合間に待ち構えた恋人を手持ち無沙汰にあしらうような手管ばかりを披露する。突然の方針転換の意味と目を閉じる前のオールマイトの表情が結びついて、相澤は笑ってしまった。
     擦り合わせていた粘膜がとろりと解けて、笑い出した相澤を原因を作ったオールマイトが申し訳なさそうに眉を下げて見つめた。
    「そんなに気になります?」
    「う……ごめんよ」
    「謝ることじゃありませんけど」
     今日相澤は定期検診で歯医者に行った。虫歯はなし。綺麗にクリーニングされた口内、特に歯の表面は自分ですら舌で何度も触れてしまうくらいにつるつるとしている。歯医者に行ったとはオールマイトに話していたが、磨かれた滑らかさは恋人の舌をも惹きつけたらしい。
    「なんか……触りたくなるやつだよね、それ」
    「坊主頭の後頭部みたいに?」
    「そう」
     朗らかな雰囲気が夜の空気の間に漂う。気が削がれたとは言わないけれど、せっつくのは欲しがりだと思われないだろうか。
     相澤の逡巡を見透かしてオールマイトの指先が再び顎をなぞりながら後ろに伸びて耳朶にさらりと二本の指で触れた。
    「仕切り直し」
     甘い声色の宣言に相澤は前のめりでオールマイトの唇を迎えに行く。今度はどちらが笑い出しても離れないために、腕を伸ばして後ろ毛を愛でながら首の後ろで手を組んだ。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works