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    ankounabeuktk

    @ankounabeuktk

    あんこうです。オル相を投げて行く場所

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    ankounabeuktk

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    snowbさんの漫画に許可を得て書いたSS。

    like a 【オル相】 涙を流す大人を目の当たりにした時、特にその人が親しい間柄だった時、一体自分に何ができるだろうと相澤は思う。
     苦手を露わにした泣きべそのような顔は幾度も見た。自分が原因でそんな表情をさせたことも何度もある。
     そして先程、彼はかつての友を失った。
     顔を覆い身を縮め、誰にも見せまいとする手の奥から溢れるのは抑えきれない嗚咽と、流れ落ちる涙。
     帰宅途中には悲しみの気配は纏っていたけれど、時折口元に微笑みさえ浮かべていた。思ったより大丈夫そうだなんて勝手に判断していたけれど、あれは同行した生徒達への配慮だったのだと今ならわかる。
    (……俺がもう少し気を遣うべきだった)
     寮の部屋に戻り、ベッドに腰を下ろしたことで張り詰めていた気が緩んだのだろう。ふう、と息を吐いた後で半ば自動的に、最初に両目からぼたぼたと溢れたのは涙だった。オールマイトは数度瞬きをし、膝に乗せた上向いた手のひらに雫が垂れたことで自分が泣いていることに気付き、多分そこで、堪えられなくなったのだ。
     静かに声を殺してひとりで泣く人。
     部屋の中に相澤がいることを許しているくせに、きっと今オールマイトの意識に相澤の存在はない。
     呼吸と呼吸の合間に喉が鳴る。
    「オールマイトさん」
     呼び掛けると、オールマイトは忘れていた相澤の存在を思い出したかのように顔を上げ、長年培われた本能のようなもので反射的に『オールマイト』を繕おうとした。
    「っ……、面目な……」
    (そうじゃねえ)
     泣いていい。ひとりじゃない。
    (今のあんたには、俺がいる)
     何もできないけれど、そばにいることはできる。
     そういう意味を込めて両手を広げた。
    「………………へ?」
     でも、相澤の意思は伝わらなかったらしい。オールマイトは思わず涙も引っ込めて、ぽかんと両手を広げた相澤を眺めている。
    「あ、えと……余計、なお世話、でし、た……?」
    (一人で泣きたかったのなら完全に空気読み違えたんだが)
     広げた手の行き場がない。居た堪れなくなって言葉をを無駄に重ねてしまう。
    「あ、いや、あの、なら、別に……」
     部屋の片隅で気配を消して置物にでもなろう。本当に一人にするのは不安だからという自分勝手な理由だけれど。
    「す」
     みません余計なことを。
     言いかけた言葉は飛び込むように抱きついて来たオールマイトの勢いに飛ばされて消えた。
     背に回る腕、抱き締める力の強さに驚き、それから彼の悲しみの一部を預けられたことを嬉しく思う。
     ひとりではないのだと、正しく伝わったことを。
     湿った吐息が服を透かして肌に届く。再び悲しみに溺れることができて生まれた涙を黒い服が吸い取って行く。
     平素なら、汚してしまうなどと言いかねないどこまでもスマートで紳士的な彼が甘えることを優先した。
     肩から腕を回して、頭を撫でるのはやり過ぎだろうか。
     相澤がどうしようかと迷っていると、少し落ち着いたらしいオールマイトが相澤の腹に顔を押し付けたまま鼻を啜りつつ口を開いた。
    「……相澤くん。いい匂いするね」
    「セクハラするならやめますよ」
    「やだ」
    「子供かよ」
     子供みたいな言い草で、子供みたいにしがみつく。
    (俺の前でだけはもっと、そういう、素でいていい)
     ほう、と相澤は息を吐く。
     悲しみは無くならないしいつだってぶり返す。予期せぬ瞬間に蘇り思考と感情の大部分を握り潰して日常を中断させる。
     そんな時、一緒にこの温もりを思い出してくれたら何か救われることもあるかもしれない。
    「そういうアンタもなんかいい匂いしますよね」
     お世辞ではなく事実を告げる。オールマイトはぐすぐすと鼻を鳴らしながら、君ほどじゃあないさ、と返した。
     既にいつもの口調に戻ったことに安堵と若干の独占欲が転じた落胆を覚える。相澤はオールマイトがいつまでも回した手を離さないのを良いことに、誰も触れることがない金の髪に指を差し入れもういいよと言われるまでゆっくりと撫でた。
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    ankounabeuktk

    DONEお肉さんとやっさんさんのピストロパロの感想文です。
    慣例打破【オル相ピストロパロ】 人の口ん中を散々に舐め回した舌がゆっくりと引き抜かれる。その海のような色をした目は俺を見ているようでいて、きっと自分の世界に入っている。
     テイスティングとはよく言ったもんだ。この人は俺にディープなキスをしてるつもりはないんだろう。俺の口の中に残ってるワインの風味を納得がいくまで探っているだけだ。
     酔った勢いで唇を触れ合わせて伝えた方法は向上心の塊のような人のお眼鏡に適ったらしい。再び求められれば断る理由はどこにもなかった。濡れた唇を重ねて微かに残る香りを味わうだけだったのに、最初に舌を差し込んだのは向こうからだった。
     あの時は求めていた手応えが得られなかったのか難しい顔をして眉が寄せられていたから、風味がわかりにくかったのだなと思った。入って来た舌は上右頬の内側と歯の間からゆっくりと左端まで動いた後、そのまま下に移って反対へ戻って行く。その後、気を散らすまいと身動きを止めた俺の上下の歯の間から奥へ滑り込んで来る。真ん中に平たく寝転んでいる俺の舌を一周、猫の挨拶みたいにさらりと流して舌は離れた。
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