cute【オル相】「えっ?!私の顔に見惚れてくれていたんじゃないの?!」
「見惚れるも何も、俺からあんたの顔はまともに見えませんが」
「まともに」
「造形が崩れているとかじゃなくて。ほぼ顎しか見えんです」
相澤くんはそこらへんの丸椅子を引っ張ってきて私の隣に置いてその上に立つ。
「ほら。見えないでしょ、俺の顔」
身長差を模した施策に見上げれば彼の言う通り、いつも見慣れているものとは違うアングルが新鮮だった。
「でも君の顎のラインも素敵だよ。お髭がキュートだ」
「……なんでも褒めりゃいいってもんじゃないですよ」
何言ってんだって顔しながら、最近はその裏に嬉しさを感じてくれているのを私は知ってるよ。
そう思ったらたまらなくなって、椅子から降りかけた相澤くんに抱きついた。危ねえなって怒る体をそのまま肩に担いで持ち上げる。
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