やまうごく(裏面)【オル相】「しかし、アレであの二人付き合ってないって言うんだから変わってるよなァ」
オールマイトと相澤が消えた階段の方を見遣りマイクがさきいかを口から二本生やしている。
「あらマイク、確かにあの二人付き合ってないけど、今夜も山が動かないなんて、誰にもわからないのよ?」
平然と言ってのけるミッドナイトの、あまりの飄々とした態度にマイクは嫌な予感しかしなかった。
「まさか姐さん、何か嗾けたんですか相澤に」
「人を悪の権化みたいに言わないでくれる?何もしてないわよ。寮の階段の段差三段分でキスしやすい身長差になるって豆知識を披露しただけ」
「そんな特定の人間の身長差に配慮した耳打ち、何もしてないって言わないんじゃないかなァ」
マイクの突っ込みにミッドナイトはケラケラと笑ってどす黒い色のグラスを突き付ける。飲まざるを得ないそれを受け取り、息を止めて飲み干せば世界がぐるぐると回った。
これなら山も動くだろう。