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    psychimma

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    psychimma

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    トランプネタかんがえてるときに出てきた鳥斉 あんまりトランプネタ関係なくなっちゃった…いつものように付き合ってだいぶ経ってます

    #鳥斉

    「じゃあトランプで決めましょう、斉木さん!」
    ーートランプ?
     言い返す僕の眉根があんまりにも寄ってしまったことに、元気に提案した鳥束は「そんな嫌そうな顔しなくても……」と笑みをほろ苦く変えて頬をかいた。
     休日の昼下がり。簡単なランチを終えて、これから家で映画を見るにあたってコンビニにお茶請けを買いに行くが、どら焼きのあんこはつぶあん派かこしあん派か、などということから始まった実にくだらない論争だった。二人で暮らし始めて半年、こんなのは実にありふれた趣味嗜好の差で、僕らにとっては本来言い争いのうちにも入らないレベルのものだ。だって僕たち成人男子だし、どら焼きなんかひとりひとつ買えよって感じなのに、分ける前提で話しているのがその証拠、単なるじゃれあいの延長で。
     いつもなら鳥束が折れる。ことスイーツに関して僕の方が一家言あるのは明らかだったし、向こうはそもそもそんなに拘りがないので。それがいつもよりすこし長引いたのは相手が和菓子で腐っても寺の息子だったのかということと、そして、おそらくこちらがメインだが……トランプをするよう誘導すること自体が彼の目的だったとそういうことだろう。
     ……とはいえ。僕の眉根が寄ったのには理由がある。
    「いやわかってますよ。透視ですよね。あとテレパシーと」
    ーーそうだ。勝負にならない。
     並べられた忌まわしい能力に飽き飽きと頷けば鳥束はその答えを待ってましたと言うようにふんぞり返ってチ、チ、と指を振った。
    「甘いですね! 今日は必殺の手段があるんですよ!」
     必殺って。物騒なことを言いながら鳥束はダイニングテーブルから立ち上がる。二人で住むそう広くない2DKの、キッチンのカウンターにいつの間にか置かれていたのは……パソコン? 共用のノートPCは見慣れたものだが、なぜこんなところに?
     それを取り上げて開いて、何がしかを打ち込んで、こちらに歩いてきて、くるりと画面を回転。
     ……などとする必要も本当はなくて、同時にたくらみが頭の中に流れ込んでくる。
    ーーなるほど。
    「へへ、いい考えでしょ! パソコンでトランプするなら手札は見えないし! オレはスマホにおんなじアプリ入れてありますんで。それで……」
     言いながらパソコンを僕に押しつけて、今度はエプロンのポケットをがさごそ。
     やっぱりすべては計画のうちだったようだ、取り出したのは……シンプルなシルバーのリング。それをわざとらしく跪いて手を取って、うやうやしく左の薬指に嵌める。少しゆるくて、僕のものではないことがわかった。
     内側にふたりのイニシャルが刻印されたそれは、ゲルマニウムの混ざりものがされたペアリングだった。どうせいつもは付けられないから、せめて意味のあるものを。そうやって選ばれたリングの効果は、もちろんーー、
     しん、と世界から音が消える。常人はいつもこの静謐さの中にいるのかと思うと驚かされる。目の前で、エプロンを外しながら立ち上がった鳥束が笑う。
    「これなら対等に戦えるでしょ。負けませんよ! オレが勝ったらこしあんですからね!」
     なるほど。お前にしては考えたな。ニヤリと笑って褒めてやったのに、「テレパシー聞こえないから喋ってくださいよ」と返されてしまっだ。ああ、そうだったな。
    「……お前にしては考えたじゃないか」
    「でしょでしょ! 斉木さんいっつもこういうのやる時さびしそーな顔して一歩引いちゃうんスもん。工夫次第でいろいろやれるんですから! 男たるもの時には諦めの悪さも肝心ですよ」
    「お前のしつこさがナンパで功を奏したことはなかったがな」
    「ぐ、でももう斉木さん一筋なんでいいんスよ〜」
    「当然だ」
     当然だ。そうだ。お前のしつこさも底抜けの前向きさも、ぜんぶ僕のために使えばいい。なんて、そこまでは傲慢すぎて気恥ずかしくてさすがに言えないけれど。
     ぐい、と手を引っ張る。夏の始まりの若い日差しが、レースカーテンを貫いて、間近のアメジストの目をきらめかせる。
    「せっかく提案してくれた所わるいが、僕は勝負に負けるのは好きじゃない。だからトランプは勝ちってことでつぶあんは僕に譲れ」
    「えー、ズルいっスよぉ〜。そうやっておねだりされたらオレ勝てないのわかっててそういうこと言う〜」
    「そうだ。だが僕はフェアじゃないのも嫌いでな。だから……」
    「!!」
     もうひと引き。して、ちゅ、と唇がくっつく。途端、見開かれる紫に気分が良くなる。
     ああ、今ばかりは惜しかったかもな。このリングをしてなければ、飛び切りかわいくて賑やかな心の声が聞けただろうに。
    「不戦勝の見返りには不戦敗をやろう。今夜は好きにしていい」
     唇がくっつくような距離で言えば、鳥束はぱちぱちと瞬きした後に、ボンと音を立てそうな勢いで顔を真っ赤にした。
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    REHABILIトランプネタかんがえてるときに出てきた鳥斉 あんまりトランプネタ関係なくなっちゃった…いつものように付き合ってだいぶ経ってます「じゃあトランプで決めましょう、斉木さん!」
    ーートランプ?
     言い返す僕の眉根があんまりにも寄ってしまったことに、元気に提案した鳥束は「そんな嫌そうな顔しなくても……」と笑みをほろ苦く変えて頬をかいた。
     休日の昼下がり。簡単なランチを終えて、これから家で映画を見るにあたってコンビニにお茶請けを買いに行くが、どら焼きのあんこはつぶあん派かこしあん派か、などということから始まった実にくだらない論争だった。二人で暮らし始めて半年、こんなのは実にありふれた趣味嗜好の差で、僕らにとっては本来言い争いのうちにも入らないレベルのものだ。だって僕たち成人男子だし、どら焼きなんかひとりひとつ買えよって感じなのに、分ける前提で話しているのがその証拠、単なるじゃれあいの延長で。
     いつもなら鳥束が折れる。ことスイーツに関して僕の方が一家言あるのは明らかだったし、向こうはそもそもそんなに拘りがないので。それがいつもよりすこし長引いたのは相手が和菓子で腐っても寺の息子だったのかということと、そして、おそらくこちらがメインだが……トランプをするよう誘導すること自体が彼の目的だったとそういうことだろう。
     …… 1978

    psychimma

    DOODLE過去にモブ空描写ありの信空、空の語る三大欲求などの話、書きかけの散文、R15くらい。全体的にどんよりとしています。でも続きは明るいのでは…まことくんがでてくるので…(信頼)食欲も、睡眠欲も、性欲も、生まれつきこの身のうちには存在しないようなものだった。まるで赤ん坊の時にコウノトリが運ぶ袋の中からそれだけ取り落としてしまったみたいに。
    だけど僕は知っている。人間はコウノトリが運んでくるわけでもキャベツ畑から発見されるわけではないことを。
    まあ、あんまり両親とは似てないから、生まれてすぐの記憶がなかったら血縁関係は疑ってしまっていたかもしれないけどね。
    食欲は、とりあえず。ママの作る食事を残すのは悪かったし、別になんだって嫌いなわけではないのだ。ただすこし夢中になると優先順位が低くなってしまうだけで。でも人間だって結局動力のいる機関だから、必要な分は摂っていた。
    ただべつに、時間をかけたり味を楽しむ必要性はあまり理解できなかったくらいで。
    睡眠欲は。これは僕の体質が幸いして、あまり問題にはならなかった。いわゆるショートスリーパーというやつ。とはいえもちろん全く寝なくても大丈夫というわけではないけどね。え、平均十七分?あ〜あれはちょっと平均を取られたのが開発の佳境だっただけで、普段はもう少し寝てるよ。
    だけど暇があったら眠りたい、とか、朝ベッドから出たくないと 2656

    psychimma

    MOURNINGワンドロのお題佐藤くんで書こうと思ってたけど鳥の話ばかりになってしまったので没になったもの 高3鳥+斉 なかよし話「……」
     休み時間。
     高3の春なんて人生で一番きらびやかであざやかで貴重なそのひとときをまったく無為に浪費しながら、廊下からじとりと教室の中を観察する男が一人。
     その一見すると非常に悪目立ちしそうな、けれどこの世界では普通過ぎてすっかり風景に溶け込んでしまう、けれどその実とんでもなく非日常な力を持った超能力者は、談笑する生徒の群れを眺めながら臍を噛んだ。
     その胸に宿るのはささやかで切なる願い。
    (……ああ、僕も佐藤君と話したい……!)

     それで次の休み時間。
    ――鳥束、相談があるんだが……。
     と神妙な顔して話しかけてきた斉木に、まくった袖からじゃらじゃらと数珠のアクセサリーを覗かせて、早弁しながらエロ本を読むという平然とルールを逸脱しまくった霊能力者は、ポロリと箸を取り落とした。
     だって……、
    (さ、斉木さんがオレに相談……!?)
     無敵の超能力者が、わざわざ自分に頼るこということは……!?
     考えるまでもなく、答えはすぐに導き出された。周囲を見渡してから、身体を伸ばして耳打ち。
    「……次は誰ヤっちゃったんスか……?」
     ちげえよ、というツッコミがいつもの鋭さをほんのすこ 4868

    psychimma

    MAIKING分裂ネタのらくがき(鳥斉)「斉木さん!!!一生のお願いがあるんスけど!!!」
     久々に聞いたなソレ。いつもの返しした方がいいのか? お前の一生は……、
    「これをやって欲しいんスけど!!」
     お前の一生は、いったい何度あるんだ。
     ……という、お決まりの台詞すら言い切らせないせっかちさで、僕の目の前に差し出されたのは開かれた雑誌であった。えーと、なになに……、
     それはまあ、鳥束が持っている本の形をした物といえば誰もが想像つくようにエロ本であり、そしてそこには尋常じゃない短さのスカートの学生服を着た女生徒が仁王立ちになって尻餅をついた気弱そうな少年を見下ろしている図が描かれていたのだが……、
    (……ん?)
     凝視する眉根が寄る。立ちはだかる女性は2人いて、それは別にいいのだが、その顔が全く同じだったのだ。え? 何これ? 双子? クローン? どういう性癖?
    「分裂! ってヤツっスよ! 2人に増えちゃった彼女に迫られてタジタジ……っていうの、男冥利に尽きません!? でー、斉木さんならできるなって思ったんスよ!」
     思ったんスよ! じゃねえ。拳を握りしめていい顔で言うな。
    「え? できないんスか?」
     いや、できなくは 2004

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     それはまあ、鳥束が持っている本の形をした物といえば誰もが想像つくようにエロ本であり、そしてそこには尋常じゃない短さのスカートの学生服を着た女生徒が仁王立ちになって尻餅をついた気弱そうな少年を見下ろしている図が描かれていたのだが……、
    (……ん?)
     凝視する眉根が寄る。立ちはだかる女性は2人いて、それは別にいいのだが、その顔が全く同じだったのだ。え? 何これ? 双子? クローン? どういう性癖?
    「分裂! ってヤツっスよ! 2人に増えちゃった彼女に迫られてタジタジ……っていうの、男冥利に尽きません!? でー、斉木さんならできるなって思ったんスよ!」
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    (……ん?)
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     思ったんスよ! じゃねえ。拳を握りしめていい顔で言うな。
    「え? できないんスか?」
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    だけど僕は知っている。人間はコウノトリが運んでくるわけでもキャベツ畑から発見されるわけではないことを。
    まあ、あんまり両親とは似てないから、生まれてすぐの記憶がなかったら血縁関係は疑ってしまっていたかもしれないけどね。
    食欲は、とりあえず。ママの作る食事を残すのは悪かったし、別になんだって嫌いなわけではないのだ。ただすこし夢中になると優先順位が低くなってしまうだけで。でも人間だって結局動力のいる機関だから、必要な分は摂っていた。
    ただべつに、時間をかけたり味を楽しむ必要性はあまり理解できなかったくらいで。
    睡眠欲は。これは僕の体質が幸いして、あまり問題にはならなかった。いわゆるショートスリーパーというやつ。とはいえもちろん全く寝なくても大丈夫というわけではないけどね。え、平均十七分?あ〜あれはちょっと平均を取られたのが開発の佳境だっただけで、普段はもう少し寝てるよ。
    だけど暇があったら眠りたい、とか、朝ベッドから出たくないと 2656