タイトル未定角名が幸せならそれでいい、そう願っていたつもりだった。ついに代表候補にも選ばれたあいつがΩだなんてやっぱり信じられない。ツムの話はあいつが寝ぼけて聞き間違えただけなんちゃうかって、そんな気持ちにさえなった。でも、少なくともひとつ確実に言えること。
いま、あいつの努力と活躍を支えているのは俺ではないということ。
俺がお前を支える。ほんの数年前は純粋にそう信じていた。でもその役目は俺のものではなかった。素知らぬ顔をして告白をする勇気はなく、そんなことをしてあいつの人生を乱すつもりなど毛頭なく――でも俺の中では確実にバースに対する嫌悪が膨らんでいた。
透明だったはずの雨はいつの間にかすっかり濁って俺の心をどす黒く染めていった。
17510