【シャリシャア】エンドロールのそのあとに 05 週末になり、街まで買い物へ出た。
荷物が多くなるので今日の車はシャアの赤いスポーツカーではなく、シャリアのシルバーグレーのコンパクトカーである。
コンパクトと名がつくものの、その積載量はシャアのスポーツカーの三倍だ。
「スピードならば私の車の方が三倍速い」
そうむくれたシャアを助手席に乗せ、自宅を出発したのが今から三時間ほど前のことだった。
助手席の窓を開け放ち、窓枠に肘を乗せてシャアが風に吹かれている。
危険だと何度言ってもやめなかったので、シャリアはそのうち注意することを諦めた。
「…………」
ぼんやりと窓の外を見つめたまま微動だにしないシャアの横顔を盗み見る。
さらさらの金髪が風に流され、普段は隠れているサファイアブルーの瞳が露わになっていた。
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