【エグシャリ】焼肉をたべるエグシャリ(前編) タン塩、ハラミ、ロースにカルビ。
真っ赤に燃える炭の上で次々と焼き上げられていくそれに、エグザベは思わずごくりと唾を飲み込んだ。
脂がぽたぽた。
煙がじゅうじゅう。
──嗚呼、立ち上る煙の匂いだけでもご飯が三杯いけそうだ。
「ふふ……それはそれで結構なことですが、できればお肉もたくさん食べてくださいね」
焼けましたよ、と正面に座るシャリアが言って、トングで掴み上げた肉がエグザベの前に置かれた山盛りライスの上にひょいひょいと盛られていく。
「あっ、そんな、中佐のお手を煩わせるなんて」
「いいんですよ、私の方から食事に誘ったんですから。さ、食べごろのうちにどうぞ」
「う……」
ライスの上にうず高く積み上げられた肉たちを見てもう一度、ごくり。
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