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    SKR_Hajime12

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    現パロ社会人夏×猫の悟 深いことは考えてはいけない

    #夏五
    GeGo

    無題 吾輩は猫である。名前はまだ無い。
     …なーんてね、ちゃんと名前はある。まだ産まれたばかり、名前なんてなかった子猫だった頃、親とはぐれて(育児放棄されたとも言う)、道の端っこで小さくなっていた俺を見つけ拾ってくれた男がいた。前髪が変なこの男の名前はすぐる。
     ただひたすらお腹が空いて寂しくて。段々寒くなってきて、俺死んじゃうのかなぁって思ったその時、ふわりと抱き上げられた。あったかい思い出、そのときのことは今でもしっかりと覚えている。
     本当に死にかけだったらしい俺のことを必死に介抱して、育ててくれたすぐる。すぐるは俺を大切に大切にしてくれて、寂しかった心をたくさん満たしてくれた。すぐるは俺のことを「さとる」って呼ぶ。初めてそう呼ばれたとき、俺の名前だってすぐにわかって返事をしたら、すぐるが嬉しそうに笑ったんだ。すぐるに名前を呼ばれると何だが胸の辺りがふわふわして、温かくなって幸せな気持ちになる。だから、俺には「さとる」って立派な名前があるんだ。
     すぐる。すぐる、大好き。
     もし俺がニンゲンだったら、この気持ちをいっぱい伝えられるのかな。いつか、大きくなったら。この願いが叶ったらいいな。
     そんなことを願いながら、今日もすぐるの腕の中。ごろごろ、幸せに喉を鳴らしながら眠りについた。
     
       □■□■□
     
     悟は私が拾った猫だ。雪の散らつく冬のある日、道の隅っこで小さくなっていた白い子猫。死んでいるのかと思ったが、僅かに動いた手足。──まだ生きている。しかしいつ死んでもおかしくない、そんな小さな命をなぜか放っておくことはできなくて、そっと拾い上げマフラーに包んで自宅へ連れ帰った。
     家に帰ってからタオルに包んだホッカイロで身体を温めたり。それから、お腹がぺったんこだから栄養補給をしなければならない、とミルクを求めるも深夜のコンビニに猫用のミルクなどあるはずもなく、豆乳を薄めたものを代用したり。ばたばたと子猫の世話をするうちに、気付けば数ヶ月。三途の川に片足を突っ込んでいた子猫は、見事回復して今では元気に部屋を駆け回っている。
     悟と名付けたのは直感だった。白い長めの毛並み、空のように綺麗な青い瞳。目が合ったとき、無意識に「…悟?」と呼んだ。猫はにゃあ、と返事をして私の足に絡みついてきて、この子は悟だ、と確信を持ち今に至る。
     今では悟は立派な甘えん坊になり、私が家にいればずっと後をついてくるようになった。私も満更でもなく、何なら悟を溺愛している。スマホの待ち受け、画像フォルダは全て悟。悟のために基本的に定時帰り、飲み会も断って即座に帰宅する。会社でも噂になっているほどだ。最初こそ恋人の存在を疑われたが、しぶしぶ悟の写真を見せた次の日から「悟くんのためなら仕方ないね」と社内全員が理解を示し始めたのは驚いた。猫は世界を救う。
     ……話が逸れた。つまり、今の私の世界は悟を中心に回っている、ということだ。
    「悟、そろそろ寝ようか」
     にゃう、そう返事をした悟がてとてととついてくる。悟は人間のように、布団に入って眠るのが好きらしい。
     布団に潜ってからそっと掛け布団を上げ、隙間を作る。すると、それまで枕元でうろうろしていた悟は布団の中にするりと潜り込み、私の胸に頭を乗せくるりと丸くなった。ゴロゴロと上機嫌に喉を鳴らす音が聞こえる。この瞬間が何よりも幸せだった。
     ふかふかの身体を撫でながら、大きくなったよなぁ、なんて考える私の思考は完全に親のそれである。最初は本当に手の平ほどのサイズしかなくて、少し力を入れたら潰れてしまいそうなくらい儚い存在だった。懸命に食事を摂らせ──悟は驚くほど哺乳瓶を吸うのが下手くそだった──、少しずつ増えていく体重に喜んで、部屋を歩けばてくてくとついてくる存在に癒されて。今では食事もしっかり摂るようになって随分大きく……あれ?悟はここまで大きかっただろうか。胸元の重みも布団の膨らみもいつもより大きく感じる。それに悟を撫でていた手が触れている毛並みがいつもよりさらさらしているような。一つ違和感を感じればそれは段々と大きな疑念となり、私はついに掛け布団をそっと捲り上げた。
    「………ッ⁉︎」
     真っ白な耳に、ふわふわの毛並み。ただ、その毛並みはいつもと違ってさらさらとしていて、旋毛がちらりと覗いていた。待て、旋毛?それじゃまるで、今見えているのは人の頭みたいじゃないか…?
    「ん…、みゃ?」
    「っ⁉︎な、…なっ…」
    「すぐる…?」
     悟だったはずの誰かがゆっくりとその頭を持ち上げた。眠たげな瞳とばちり、視線が合う。
     そこにいたのは美術品とでも間違えてしまいそうな美青年だった。色白の肌、真っ白な髪、青い瞳。どこかで見た覚えのあるパーツで構成された彼。ただ人間と違って頭からは耳が生えていて、ぴこぴこと動くそれは作り物には思えなくて。そして直前までいたはずの猫の悟の姿はどこにもない。
     この状況から導き出される回答はつまり。
    「あれ?…俺、喋れる?」
    「え、え、」
    「わ!ニンゲンの手、だ。俺、本当に、ニンゲンになれた?」
    「…悟…なのか?」
    「!にゃう!」
     悟と呼ばれ、元気に返事をする美青年。どうやら先程私が思い至った結論は正解らしい。──この青年は、紛れもなく猫の悟が変身したものなのだ、と。
     俄かには信じがたい。けれど、頬を抓っても痛いだけで眠りから醒める気配はない。つまり現実。
     混乱したままでいると、悟らしき美青年がぐいと顔を近付けた。キラキラ光る瞳に、驚く私の顔が映っている。近い。
    「すぐる!俺、ニンゲンになれたみたい」
    「ウワ……私の悟、顔が良すぎ……」
    「?すぐる?」
     絹のように白い髪、空をそのまま映したような青い瞳。それを縁取る長いまつげ。薄く色付くうるうるの唇。すらっとした鼻筋。それらのパーツが色白の肌に綺麗に整えられている。そこいらのモデルなんて目じゃない。当たり前だ、私のはモデルもできるレベルの美猫なのだから。
    「へへ、嬉しい。俺、大きくなったらニンゲンになりたかったんだ」
    「……そうなの?」
    「ニンゲンになって、すぐるに大好きっていっぱい言いたかったの!」
    「ッッッ」
     ぱあ、花が咲くように笑う悟の破壊力と言ったら。可愛いなんて言葉じゃ言い表せない、私が一生守る。
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    DOODLE夏五夏 我咒你生生世世
    夏油杰火化if
    夏油杰死得很干净,烧起来也和普通人一样快捷,只需半小时就可以去挑拣遗骨了。
    他家远房亲戚一个未接,全当他们一家三口是宇宙灾星,五条悟一通电话打去,对面直接拔了电话线,过两天估计连整个座机都会彻底换掉。没办法,五条认命,他自己去挑骨头。夏油杰,你不要怨我啊,五条说,我第一次给人拣骨头,还得给你收拾烂摊子,等你到阿鼻地狱,记得向阎罗王多说点我的好话。骨感夏油杰不吭声,在他面前裸露两根大腿骨,五条张嘴就打了一个喷嚏,吹掉数点夏油杰。还是算了,五条说,你闻着好呛啊,你死了都想呛死我。我要给你选一块最便宜的墓碑,挑最简单的葬礼套餐,把你插到东京最不值钱的墓园里,十年只看你一次,余下给你置办下葬的钱用来买好多香蕉巧克力可丽饼,我一个人吃不完就和我的学生一起吃,没想到吧夏油杰,我有好多可爱的学生哦。
    五条悟第一次嫌弃安静。一年后五条扫墓,遥想夏油杰死前惨状,他没了半边身子也要扯着笑,五条好反胃,他想夏油杰说自己没有真心笑过,那你有没有真心哭过。
    夏油杰说这样吧,我们给彼此下咒,然后你就可以为我收尸。
    夏油杰说我咒你生生世世……
    五条翻起白眼,在墓前吃完一整盒上生果子,给墓碑浇一整瓶矿泉水,看碑上夏油 1680