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    DONE #クロロレ春のこども祭り2021重力から自由になったと思った矢先、クロードは全身に強い痛みを感じた。跳ね起きようとしてマヌエラ先生から身体を押さえられる。押さえられた拍子に視界がぐるぐると回りやがて上下が定まった。

    「落ち着きなさいクロード!貴方は飛竜から落ちたの。下敷きになったローレンツも骨折したわ。二人とも信仰魔法で治したけれど大怪我だったから落ち着くまで時間がかかるわ」

     落ち着く、とはなんだろうか。信仰魔法の主な副作用は吐き気と眩暈だ。先程マヌエラが起きあがろうとしたクロードを止めたのはせっかく治したのに目眩を自覚せず歩こうとして転倒されては無意味になってしまうからだろう。

    「ああ、それで視界がぐるぐると……それとローレンツが下敷きって??」
    「ローレンツも無事だから落ち着きなさい。目眩を起こしたまま歩くのは本当に危ないの。人によって体質の違いがあるけれど一日か二日は絶対安静よ」

    「せんせい、もうしわけないのだがおけをぼくのてもとにいただけないだろうか?」

     反対側の寝台から声変わり前の高くてかわいらしい子供の声がした。医務室の寝台には全て幕が掛かっていて互いが見えないようになっている。

    「ああ、 1753

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    MAIKING「説明できない」
    紅花ルートで戦死した記憶があるクロードと青獅子ルートで戦死した記憶があるローレンツの話です。12月にクロロレオンリーイベントがあればそこで、実施されなければ11月のこくほこで本にするつもりで今からだらだら書いていきます。
    1.振り出し・上
     クロードが最後に見たのは天帝の剣を構える元傭兵の女教師だった。五年間行方不明だった彼女が見つかって膠着していた戦況が動き始めそれがクロードにとって望ましいものではなかったのは言うまでもない。

     生かしておく限り揉めごとの種になる、と判断されたのは故郷でもフォドラでも同じだった。人生はなんと馬鹿馬鹿しいのだろうか。だが自分の人生の幕が降りる時、目の前にいるのが気に食わない異母兄弟ではなくベレス、エーデルガルト、ヒューベルトであることに気づいたクロードは笑った。
    >>
     もう重たくて二度と上がらない筈の瞼が上がり緑の瞳が現れる。その瞬間は何も捉えていなかったが部屋の窓から差す光に照準が合った瞬間クロードの動悸は激しく乱れた。戦場で意識を取り戻した時には呼吸が出来るかどうか、視野は失われていないか、音は聞こえるのかそれと体が動くかどうか、を周りの者に悟られぬように確かめねばならない。クロードは目に映ったものを今すぐにでも確認したかったが行動を観察されている可能性があるので再び目を瞑った。

     山鳥の囀りが聞こえ火薬や血の匂いを感じない。手足双方の指も動く。どうやら靴は履 2041

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    MAIKING「説明できない」
    紅花ルートで戦死した記憶があるクロードと青獅子ルートで戦死した記憶があるローレンツの話です。
    2.振り出し・下
     士官学校の朝は早い。日の出と同時に起きて身支度をし訓練をする者たちがいるからだ。金鹿の学級ではラファエル、青獅子の学級ではフェリクス、黒鷲の学級ではカスパルが皆勤賞だろうか。ローレンツも朝食前に身体を動かすようにしているがその3人のように日の出と同時には起きない。

     ローレンツは桶に汲んでおいた水で顔を洗い口を濯いだ。早く他の学生たちに紛れて外の様子を見にいかねばならない。前日の自分がきちんと用意していたのであろう制服を身につけるとローレンツは扉を開けた。私服の外套に身を包んだシルヴァンが訓練服姿のフェリクスに必死で取り繕っている所に出くわす。

    「おはよう、フェリクスくん。朝から何を揉めているのだ?」
    「煩くしてすまなかった。単にこいつに呆れていただけだ」

     そう言うと親指で赤毛の幼馴染を指差しながらフェリクスは舌打ちをした。シルヴァンは朝帰りをディミトリや先生に言わないで欲しいと頼んでいたのだろう。

    「情熱的な夜を過ごしたのかね」

     呆れたようにローレンツが言うとシルヴァンは照れ臭そうに笑った。

    「愚かすぎる。今日は初めての野営訓練だろう」

     フェリ 2066

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    MAIKING「説明できない」
    赤クロ青ロレの話です。
    14.誘拐・下
     ローレンツとクロードの記憶通り事態は進行した。一つ付け加えるならばクロードがセテスにちょっかいを出したことだろうか。見当違いだと分かっていることを敢えてセテスに聞いたら先方が何故か安心した、とクロードから聞いてローレンツは眉を顰めた。やはりセイロス教会は何かを隠している。五年前から問題視していたクロードが正しかった。だがそれは大乱を起こす理由になり得るのだろうか。クロードは元から英雄の遺産と白きものについて探っていたがそれに加えてエーデルガルトが檄文で言及していた教会の暗部についても調べ始めた。

    「先に掴んで暴露してしまえば檄文自体無効になるかと思ったがそんな都合の良い案件は見当たらなかった。敢えて言うならダスカーがらみか?」
    「だがあれも機能不全に陥った王国の要請がなければ騎士団が担当することはなかっただろう」

     エーデルガルトが見つけたと称するセイロス教会がフォドラの全てを牛耳っている証拠とセイロス教会の秘密は同一なのだろうか、それとも違うのだろうか。探さねばならないものが増えてクロードは大変そうだ。大変そう、と言えばベレトも大変そうだ。彼は修道院内を丹念に探 2099

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    MAIKING「説明できない」
    赤クロ青ロレの話です。
    16.鷲獅子戦・下
     ローレンツがグロンダーズに立つのは二度目だ。一度目はローレンツの認識からすると五年前でベレト率いる青獅子の学級が勝利している。敗因は堪え切れずに飛び出してしまったローレンツだ。更に危険な実戦で囮をやらされた時に堪えられたのだから今日、堪えられないはずはない。

     赤狼の節と言えば秋の始まりだが日頃山の中の修道院にいるので平原に下りてくると暖かく感じた。開けた土地は豊かさを保証する。グロンダーズ平原は穀倉地帯でアドラステア帝国の食糧庫だ。畑に影響が出ない領域で模擬戦は行われる。模擬戦と言っても怪我人続出の激しいもので回復担当の学生はどの学級であれ大変な思いをするだろう。

     ベレトが持ってきた地図を見て思うところがあったのかクロードは慌ててレオニーとラファエルを伴って教室から駆け出し書庫で禁帯出のもの以外グロンダーズに関する本を全て借り上げてきた。皆に本を渡し地形描写がある物とない物に仕分けさせた。この時、即座に役に立たない本だけを返却させている。情報を独占し他の学級に無駄足を踏ませた。クロードのこういう所がローレンツは会ったこともないべレスから疎まれたのかもしれない。
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    MAIKING「説明できない」
    赤クロ青ロレの話です。
    17.惨劇・上
     南方教会を完全に無力化されてしまったことや西方教会対策やダスカーの幕引きでの手腕には疑わしいところがあったがルミール村においてまず疫学的な検査から実施されたことからもわかる通りセイロス騎士団は手練れの者たちの集まりだ。ベレトの父ジェラルドまで駆り出されている異変においてクロードやローレンツのような部外者が介入しても迷惑がられるだけだろう。

     クロードにしてもローレンツにしても記憶通りに進んでほしくない出来事は数多ある。ロナート卿の叛乱もコナン塔事件も起きない方がよかったしこの後の大乱も起きて欲しくない。だがこのルミール村の惨劇は起きてほしくなかった案件の筆頭にあげられる。他の案件の当事者には陰謀によって誘導されていたとはいえ意志があった。嵌められていたかもしれないが思惑や打算があった。だがルミール村の者たちは違う。一方的に理性や正気を奪われ実験の対象とされた。そこには稚拙な思惑や打算すら存在しない。事件を起こした側は村人など放っておけばまた増えると考えたらしいが二人にとって直接見聞していないにも関わらず最も後味が悪い事件と言える。
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