Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    Teaholic

    @asim_ho_

    @asim_ho_

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 12

    Teaholic

    ☆quiet follow

    生存if。
    全年齢ななごですが、見方によっては五七になるかも!

    夢のその後「満足した?」
    「…はい。ありがとうございます」
    「お礼なんていいよ。僕と七海の仲じゃん?僕も見たかったし。美味しいケーキは食べれたし」
    そう言われた男は車椅子に乗り、仕立ての良い上品な中折れ帽を被り、濃い色のサングラスを掛けていた。帽子から覗く髪は海外にルーツを思わせるくすんだ金色であった。
    見る人が見たらわかるだろうが、左側の顔半分から首にかけて皮膚が一部ケロイド状になっていた。
    この陽気であっても左手のみ手袋をしており、おそらくは自由に動かせないのだろう。
    全体には高身長のその人はかなり痩せており、介護をしている大きな男との体格の差が際立っていた。2人の関係は何なのだろうか?車椅子の男より、介護をしている男は白髪であるにも関わらず、声の張りと身につけているもので30歳の前半と思われた。介護されている男性の年齢はわからず、白髪の男の父親とも思われたが、右手の肌から推測するともしかして白髪の男と同じくらいの年代かもしれなかった。

    ***

    二人は道路側が一面ガラス張りになったカフェレストランで、外がよく見える窓際の出入り口に近いテーブルについていた。外が見えるように車椅子をテーブルに寄せ、車椅子の左側60度の位置に白髪の男は座っていた。
    その距離の近さから互いに気を許しあう存在なのだろう。
    時間はランチタイムを過ぎたばかり。店も空いてきて、ゆっくりと食事をするのに頃合いであった。
    そのレストランでも一番高い価格帯のメニューを二人の美丈夫はゆっくりと味わっているようだった。そうなのだ。どんな様子であっても、彼らを表現するならば美丈夫という言葉がもっとも適していたのだ。
    車椅子の男のメインの肉料理は食べやすいようにあらかじめ厨房でカットされていたが、白髪の男はそれに何度かナイフを入れて、より食べやすいように手を加えた。
    「ありがとうございます。五条さん」
    「どういたしまして」
    顔を見合わせて微笑み合うと、二人はゆっくりと食べ始めた。
    特に気を遣っているようには見えないのに、二人の皿はほぼ同時に空になった。
    「おいしかったね」
    「ええ。とても」
    また二人は視線を交わして微かに笑った。
    「ほら?そろそろだよ」
    「……」
    二人は窓の外に目をやった。
    そこそこ往来のある通りである。そこを制服を着た三人組が早足で何事かを話しながら、通っていく。
    一人の黒髪の男子生徒が手に持ったタブレットを見て立ち止まった。少し前を歩いていた、ピンクの髪の元気そうな男子と艶のある茶色のボブヘアの勝気そうな女子は振り返って一緒にタブレットを覗き込んだ。丁度店から見えるギリギリの位置であり、店の中からは彼らの背中と横顔しか見えなかった。窓際の二人はまっすぐ前を見て、道ゆく人々を見ている様子であった。
    ほんの数分後、三人の学生は移動を始めたが、数歩進んだ黒髪が後ろを振り返り、頭を下げた。振り返った残り二人も軽く頭を下げた。
    それきり、三人は小走りで去っていった。

    「気配を捉えるのが上手になったな、恵」
    「呪力を消していたのですがね」
    「最初に教えた先生がよほど優秀だったんじゃない?」
    「否定はしませんよ……」
    「丁度、デザートがきた!」
    二人は再びテーブルの上に視線を戻し、食事を再開した。

    ***

    食事を終えると、二人は若者が向かったのとは逆の方へとゆっくりと歩み去っていった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖😭😭😭😭❤❤❤😭😭😭❤😭😭😭💛💙😭😭😭❤❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    513friday

    DOODLE1/12
    貴方が出したCPシチュガチャは…
    対戦ゲームで受けが負けた方が罰ゲームありと決めるが結局受けが負けてしまいS化した攻めにたっぷり罰ゲーム(意味深)をされる えだひのきのカリ烈です、おめでとうございます!
    #CPシチュガチャ #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/970270

    3,000字くらいの文章練習
    △△△

     休日のカリムの部屋。
     唐突にレッカが「流行りらしいぜ☆」と、ひとつのゲームを持ってきた。
     普段から娯楽には興味が薄いレッカが、珍しくハシャギながら乗り気で持ってきたのだからカリムも珍しく乗ってやろうと思う。
     ただ、この黒く気味の悪い箱デザインはなんだ。
    「……どんなゲームなんだ? 」
     レッカから渡された、重厚な厚紙造りの箱の中には箱と同じ黒いプラスチック素材のカードが幾つか入っていた。表中央には不気味にドクロマークのシールが揃いで貼られている。
     同封の説明書を読めば、どうやら簡単な2人専用のカードゲームでお互いに5枚の手札を使った心理戦をするらしい。
    「あ! そうだぜ。負けたら罰ゲームにしよう☆」
     初めてのゲームにハシャギ過ぎて罰ゲームまで提案する楽しそうなレッカを横目に、カリムは「フラグを立てて立ったな」とゲーム後を予見した。

     案の定、フラグは回収されレッカは奇しくも負けてしまう。
    「しぇい……」
     星の浮かぶ笑顔から一変して落ち込むレッカは、相当な自信を持って勝負に挑んでいたようだ。
     だが、お互いに伏せた5枚のカードから細かい感情を熾烈に読み合い、勝 3033