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    名前三文字以上無いなお

    @NtkrbN
    ポイピクくんなんで名前3文字以上じゃないと駄目なの…?1、2文字の民は使用するなってことなの?
    ぼくはね、くにちょぎを書きたいなおというものだよ。よろしくね。

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    POIPOI 24

    付き合ってないけど距離の近い伯仲1

    「山姥切!」
     かけられた声に長義が足を止めてやると、国広がマフラーをはためかせて走り寄ってきた。
    「買い出し、俺も行こう!」
    「醤油を3瓶だけだから、別に俺だけで問題ないが」
    「俺があんたと一緒に行きたいんだ」
     当たり前のように万屋街へ続く道を歩き始める国広に、長義もそれ以上何も言わなかった。

     馴染みの店で醤油を買い、本丸に帰ろうとする長義の袖を国広がくんと引いた。そして、左に見える和菓子屋にちらりと目を向ける。
    「お前、それが目当てだったのかな」
    「山姥切と団子が食べたいんだ、付き合ってれ」
    「一人で行きなよ」
    「山姥切と、食べたいんだ。団子だけじゃ駄目だ。頼む、山姥切」
     国広がじっと見つめて動かないので、長義も頷いてやるしかなった。
     タレをかけた後にも軽く焼いた団子はどうしても食欲をそそられる。長義は結局団子をお代りしたし、支払いもしてやった。本歌なので。
    「……偽物くん、タレがついてる」
    「ん? あ、すまん」
     そして、タレのついた団子あるある。頬や口周りを汚すやつ。国広は例にもれず、思い切り汚していた。ちなみに長義は全く汚さなかった。本歌なので。
     長義が国広の顔をポケットから取り出した懐紙で拭ってやると、何故か別の席に居る無関係の山姥切国広が「ひぇっ」と声を上げていたが、国広はこうして彼に世話を焼かれることに慣れていたので、無防備に顔を寄せていた。

     そうして団子に舌鼓を打ち、店を出ると雪がちらついていた。人の身を襲う寒気に、ニ振り揃ってふるりと体が震えた。
    「山姥切、手を繋いで帰ろう」
    「お前手袋は?」
    「無い。山姥切、手」
     長義に向けられた手は、指先が既に少しだけ赤い。それを見て長義は仕方がない、とその手を握ってやるが国広は不満気に眉をしかめる。
    「そのグローブをつけたまでは全然温かくないんだが」
    「我儘言うなよ」
    「言う。お前に対しては遠慮する気無いからな」
    「何でだよ、俺にこそ遠慮しろよ。本歌だぞ」
    「その本歌の写しだぞ」
     国広は繋いだ手を離すと、勝手に長義の右手のグローブを外し、ジャケットのポケットに入れるとむき出しになった長義の手に改めて己の手を重ねた。
    「……よし」
    「よしじゃないよ馬鹿」
     写しの一連の動きに長義は呆れたように笑うが、振り払う素振りは見せない。醤油の入った袋を軽く揺らしながら、二振りは雪の降る万屋街をゆっくりと進んだ。
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