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    wave_sumi

    いろいろなげすてる。最近の推しはなんかそういったかんじ
    性癖が特殊。性転換が性癖

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    wave_sumi

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    「兄が、怪異に囚われているんです」 自分が相対した相手は、屋敷の前当主。齢百と十を超えた産屋敷家の老爺・輝利哉は、当代としての役目を息子に譲り、悠々自適に隠居をしていた。最高齢としてテレビに出演してみたり、なにかの相談に乗ってみたり、日がな一日日光浴をしてみたり。ただ、屋敷内の知識について、この翁に及ぶものは居ない。ゆえに、自分は彼にこの話をもちかけた。
    「兄さんが、へんなものに」
    「……へんなもの」
     ほのかに残った自らの歯で、ふわふわと発音された、ようやく形を保っている日本語。ほわりとしたそれを聞き取って、カナヲは頷いた。
     此処は産屋敷本家。文化人を囲うという酔狂極まりない一族のまさに中枢にて、茶の湯に通じる胡蝶の家からぽろりと零れたカナヲは、栗花落の家に養子に出ていた。旧姓・胡蝶。新姓栗花落カナヲ。
     目の前の老人をじ、と見つめて呼吸を一つ。兄・胡蝶しのぶの姿を脳裏に浮かべて話を進める。
    「私の、兄さん……胡蝶しのぶ、と」
    「しのぶかい、知っているよ」
    「はい。兄さんが、実は。ええと……」

    ◆◆◆

     ある、梅雨の日のことである。夕飯刻、カナヲは次兄のしのぶを呼びに行った。栗花落の家へ養子に行くとは形ばかりのことで、胡蝶の家と栗花落の家は、産屋敷の長屋において、隣家であった。つまり、カナヲはいつもと変わらず隣の胡蝶家にて夕飯を食べ、しのぶとカナエはいつもと変わらず隣の栗花落家にて朝食を食べ、平穏な一日を過ごしている。栗花落の両親は夕刻に居らず、胡蝶の両親は朝刻に居らず。子供たちはそれらを行ったり来たりしていた。
     さて、胡蝶の家にて夕飯を知らされたカナヲは、それを次兄に伝えるために家を出た。確か、兄は大池の茶室の方へと向かっていったはずだ。最近はそこで過ごすことが多いような気がする。などと考えながら歩を進める。
     きし、きし。
     小さく廊下がきしむ。
     産屋敷の敷地は広い。戦後の動乱に混ざって、都内の一等地を買い集め、大きな邸宅にしたという。主要な駅からは少し外れているが、ごみごみとした同級生の住宅地よりは断然広く、使い勝手はよいとカナヲは信じている。
     ぐるりと大きく回り込んで、邸宅の隅にその部屋はある。多くの客を招く茶会を催すためだけの部屋。その部屋に、最近次兄が入り浸っている。なぜ入り浸っているのか。どうしてあの部屋なのか。カナヲは何も知らない。ただの純朴な男子中学生である。
     さ、
     雨が降った。廊下の屋根を雨粒が叩く。ざらざらと緑が揺れる。窓越しに見る青々とした柏の葉から、ぽたりと雫が垂れている。
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