【キャラメルポップコーン】柔らかい日差しが降り注ぐ午後。
切り揃えられた芝生の上に座って一人ぼんやりと空を見上げていた。
青く澄んだ空は高く遠い。雲はまるで迷子のようにゆっくりと流れていく。
妙に落ち着かない。原因はわかっていたが、それを素直に認めてしまうことを心が拒んでいる。
後悔している訳では無い。けれど胸の中に落ちる影を払うことも出来ない。
これは酷い裏切りなのでは無いか。そう考えそうになって頭を振る。
違う、弱い自分がいけないのだ。訪れるかもわからない未来に不安になるだなんて、馬鹿馬鹿しい。
どんどん暗くなる思考に息苦しさを感じてゆっくりと息を吐く。
桜備大隊長と付き合うようになって、こうやって考え込むことが増えていった。
好きだと告げられた時は素直に喜んだ。
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