5、太陽と炎が合わさる所頭が痛い。ガンガンと金槌で打たれた様に痛む。
結局、仕事になど行けなかった。でも誰も責めなかった。
少し休めと、優しい言葉をかけてくれるのだった。
「母さん…」
振り返れば息子がいた。
私に…いや、杏寿郎様によく似た息子だ。髪が黒い事以外、全てが瓜二つだ。
「やっぱり、あの人は俺の父親なんだね」
「……。違うわ。貴方の父親は死んだと話したでしょうあの人は赤の他人よ。」
「俺、ビックリしたんだ。初めて声をかけられた時、あんまりにも俺に似てたから…死んだ父さんが会いに来たんだって、思ったんだ。」
「陽、やめなさい。その話はしないで…」
低く、怒りを含んだ声に陽は一瞬言葉を詰まらせたが、すぐにまっすぐに見据え、その漆黒の中に赤が宿る瞳に私を映した。
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