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    w_two0112

    @w_two0112

    座受け固定よりの他CP雑食

    ほぼ
    童猗窩、煉猗窩

    最近じゅじゅにもハマった

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    w_two0112

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    童猗窩

    抱いてくれと頼む座。
    ⚠️モブレの背景があるので注意⚠️

    小説っぽいけどただのネタメモ。

    #童猗窩
    Adult

    title:抱いてくれと頼む座

    「童磨、俺を抱いてくれ」

    突然言われた。
    猗窩座はまっすぐ童磨を見据えている。

    「……えっと…?」

    ぽかんとした童磨は少し考えてから困ったような顔をして聞き返す。

    「俺を抱いてくれ、と頼んだんだ」

    猗窩座は再度、はっきりとそれを言葉にする。
    なんと返したら良いか分からず黙り込む童磨。
    賢い童磨は猗窩座の声色、表情、雰囲気、全てを観察して考える。

    (何かある)

    何かは分からない。
    しかし、猗窩座の突拍子もない頼み事。
    少し暗い猗窩座の様子。
    何も無いとは思えない。

    「どうしたんだい急に」

    ダメもとで素直に問いかけてみる。

    「貴様には関係の無いことだ」

    うーん、関係はあるがな、と思う童磨。

    「どうして抱いて欲しいんだい?」

    丁寧にもう一度聞き返す。

    「…ただの興味本位だ。」

    やっぱり何かあるな、と再確認する。
    どうしたものかと頭を悩ませる。
    猗窩座は真剣だ。
    しかし童磨もこんな流れで彼を抱くつもりは毛頭ない。

    「……貴様が俺で勃たないのなら俺が動こう。」

    何も言わない童磨に痺れを切らした猗窩座が口を開く。

    「何もしなくていい、目を瞑って女体でも想像していろ。音が気になるのならイヤホンでAVでも聞いて……」

    「ちょっと待ってくれ猗窩座殿」

    淡々と話す猗窩座の言葉を童磨は制止させる。

    「…そうだな、正直に言ったら俺は猗窩座殿で勃つよ。」

    無表情なのか笑っているのか分からない表情で童磨は言う。
    それなら、と発する猗窩座の言葉を遮り童磨は言葉を続ける。

    「けれど、抱いてくれと言われて、はい分かりましたと了承する気は無いかな。」

    少し不敵に笑う童磨。
    猗窩座は眉間に皺を寄せる。

    「…何が言いたい。」

    「人に頼み事をするのなら、何かしらお返しというものが必要じゃないかい?」

    猗窩座に少し近づいて童磨は言う。
    眉間の皺を更に複雑にして猗窩座は童磨をキッと睨むが、すぐにすんっとした顔をする。

    「…何を求めている?」

    童磨の言っていることはごもっとも。
    素直に従おうと、猗窩座は問いかける。
    すると童磨はまた少し猗窩座へと近付き、彼の目を見据え、いつもの貼り付けた胡散臭い笑みなどどこへだか、柔らかく優しい笑みを浮かべる。少し寂しそうに。

    「…理由を教えて?」

    「…っ、」

    そんな童磨に猗窩座は面食らう。
    言いたくない、そう思う猗窩座を分かってか童磨は一際優しく微笑む。

    「……言いたくない」

    素直に口にした。
    童磨は元から八の字の眉を更に困らせる。

    「…猗窩座殿は言いたくないかもしれない、でも俺は理由も知らずに猗窩座殿を抱く気はないよ」

    相変わらず優しい笑みをしているが、その瞳はいつになく真剣だ。

    「……」

    猗窩座が黙り込み、暫く沈黙が続く。
    静けさが二人の真剣さを物語る。
    けれどその沈黙を破ったのもまた、猗窩座だった。
    諦めたように話し出す。

    「……犯された。知らぬ奴に。トラウマになりかけている。塗り替えてしまいたい。」

    単調に話しているが猗窩座の声は少し震えていた。

    童磨の中でドス黒いものが渦巻いた。

    今までにない感情だ。
    生まれ変わってから感情を知った。
    毎日が楽しかった。
    猗窩座と出逢ってそれらはどんどんと増していくばかりだった。
    しかしそれが全て壊されるような感情だ。
    目の前が真っ暗になりかける。
    何かに飲み込まれるような感覚。
    やけに心臓の音が煩く聞こえた。

    童磨から表情が消えた。
    猗窩座は何かを堪えるような表情で童磨の胸元を掴む。

    「早く俺を抱いてくれ、貴様にしか頼めない」

    そんな猗窩座の行動に、はっと我に返る。
    今は目の前の彼を何とかしなくては、と童磨は心に渦巻くドス黒い感情をグッと抑える。
    それでも溢れる感情を無視して、猗窩座をそっと抱き寄せた。
    ビクッと怯えた猗窩座の反応をしっかり胸にやきつけて。

    「…猗窩座殿、俺はこれでもかと言うほど猗窩座殿を優しく抱こう。しかしその前に聞いてくれ、」

    猗窩座はなんとも言えない表情で自分よりも上背のある童磨を見上げた。

    「猗窩座殿が好きだ。もうずっと前から」

    世界に二人だけのような感覚に陥った。
    時間が止まったように思えた。
    童磨が何を言ったのか一瞬理解が出来なかった猗窩座は、徐々に流れ始める時間の流れと共に虹色の瞳が揺らめいているのを捉え始める。

    きっと涙を堪えている。
    伝えるつもりのなかった己の気持ちが、溢れんばかりのその気持ちが、その輝かしい瞳から溢れぬようにと。

    「…童磨……。」

    猗窩座は童磨の名を口にしながら頭に流れだす今までの記憶に思いを馳せた。
    ああ、そうか、あれもこれもそれも…そういうことだったのか…。
    理解する。

    金鉱石のような瞳からぽろぽろと涙が零れた。

    何故あれ程童磨を突き放しておきながらこやつにこんなことを頼むのか、都合がいいからとばかり思っていた。
    好きだ、と言われてから己の気持ちに気付くなど、なんとも滑稽ではないか。
    他の男に体を暴かれた後で。

    ぽろぽろと溢れる猗窩座の涙をすっと震えた手で拭う童磨。

    「…ごめんな、猗窩座殿……。」

    初めて見せる表情。
    お互いに胸が張り裂けそうな程、感情が渋滞している。

    「……何故、謝る…?」

    止まらぬ涙をそのままに、猗窩座は問いかけた。
    何故、愚かな自分を笑わないのだ、と。

    「俺が、もっと、ちゃんとしていれば、猗窩座殿はこんなこと、俺に頼まないで済んだだろう…」

    ああ、今にも溢れそうだぞ。
    猗窩座はそう思った。
    全てが溢れそうだ。

    全てが。

    お前はいつでもムカつく笑みを浮かべていればいいものを。

    「童磨、やはり言い直そう。」

    「……?」

    「お前が好きだから、俺の体を清めてくれ。」
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