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    gyonoto

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    2020/9/20にふせったーに載せていたホットリミイベスト読後の限界感想文をに、解釈と今後の展望と祈りを加筆修正。また増えるかもしれません

    根本的に、燐音がニキの呪いを解こうと4年も必死になってくれているという事実自体、ニキがそれすらも迷惑かけてると思ってしまってる可能性があるのでは。

    ここまで「他人に迷惑をかけない」に縛られていれば、単に燐音くんが自分の君主パワーで物理的に満たされるように食べ物を用意したとしても、いずれはニキくんが燐音くんに迷惑かけたと後ろめたく思って拒否するというのはきっと燐音くんはすぐ気がついてしまったと思います。だからこそ、

    ①被扶養者にして自分から食を与えられるに足る身分にすることで後ろめたさを排除する(家族なら養うのは当然なので気にしなくてオーケー)
    ②ニキくんが自分の胃を満たすのに不足ない金を稼げるようにしてあげる(自分の金なので気にしなくてオーケー)

    のどちらかを手段として用いようと思ったと仮定して、アイドル目指して脱走してきた以上①を叶えてあげるには現状は望みが薄いので②、となったときに(ニキくんも後々『食べるのに困らないくらい稼がせてもらった』と言ってるのでおそらくニキくんも認識済み)ニキくんの特技の料理で稼ぐ道を作っても、今回のように父親の件でも後ろめたさを感じてて表の料理界では名前を出したくないなら、いつかどこかでその感覚が障壁になるのは燐音くんはわかっていて、だから料理を金稼ぎの手段からは遠ざけたほうがいいと思って、且つ、ニキくんの自尊心を高めてニキくん自身の努力で金を稼がせる職業ってなったらやっぱりアイドルが出てきたんだろうな、と思います。自分もなりたいし、一緒にアイドル活動すれば何があってもすぐ横で見ていられて大丈夫だし、何よりアイドルはファンの望むものを与えることでファン自身に生きる希望を沸き起こさせる仕事なので、あの日行き倒れてた燐音くんに食という望みを与えて生かしたニキくんにはアイドルの才能ある、と思ったんだと思います。それに本人がいちばん生きたがっていて、一般人の生きる希望への価値観に敏感だと思うので……。自分よりは余程、そのへんに生きる一般の人の感覚が手に取るようにわかる。現代(Crazy:B結成後)でも「できないし無理だしやりたくない」と言ってるのは「やる気も技術もないアイドルはファンの望むものを与えられないのでステージに立つべきではない」というファン目線が無意識的にわかっているからこそ出てくる発言で、燐音くんはそのへんに対して「わかっているだけでも上出来」と言ってるのかなあと思いました。

    あとやたら結婚のワードが出てきますが(養子を取る、身の回りの世話のために養子に入った人のことはみんなお嫁さんと呼ぶとかなの?でも召使いもいるしそのへんの価値観はどうなの天城家)結婚は先述の案でいう①に該当しますが、ニキくんは永遠に結婚しないっすよ!って笑顔でかわし続けるし(結婚が幸せとは限らないのですが)でも②を取ったとしても自分もアイドルとして死んだ経験がある以上永遠を保証できないし、民間会社は倒産の危機はいつだってあるし(現実的)だから①路線に切り替えなきゃいけない日が来る可能性は燐音くんも理解していて、でもたぶん先述のとおりニキくんはまさか結婚だなんて本気にしないので、燐音くんがことあるごとに「俺を傷つけたから結婚しろ」「感謝のためにキスしたいならまずは結婚しろ」と傲慢に言い続けるしことで、”燐音くんに脅されて無理やり、強盗(嘘だったけど)の共犯の疑義があるので逆えず”という被害者的なかたちをとらないとニキくんは一生遠慮し続けてしまうからそんなことを言うんだろうと思います。(となると「まずい展開へ引っ張っちゃうような下手な芝居は結局すぐに見破られるんだ」がめちゃくちゃ刺さる)アイドルという金稼ぎ手段も「燐音くんに脅されて乗せられて無理やり」という形でも取らないと一生実現しなかったろうし、共犯者という後ろめたさを逆手にとって嫌々でもやらせないとニキくんの命がかかってるから、それで嫌われたってニキくんが生き延びられるなら構わないと思ってそう。燐音くんは己の知識と立場すべてを利用して、できることを確実に遂行するタイプの天才だなと思いました。(不可能を可能にできる天才ではないんだなということでもあります)

    お腹いっぱいになりたいと願った椎名ニキに対して絶対に腹いっぱいにして幸せにしてやると誓った天城燐音の目の前で発せられる「お腹いっぱいになりそう」=「願いが叶いそう」、紅茶部スカウト(2016年のやつです)における凛月の「なんだか全然喉が渇かない」同様にしあわせの暗喩なのだと思いますが、その直後にお腹いっぱいになると料理のモチベが落ちてまた周りに迷惑をかけることを気にしてて、それに対する「大丈夫だろ」がめちゃくちゃ優しい。お前はお前のままでも輝けるよ、迷惑かかったとしてもそのときは俺が一緒に苦労してあげるよって言葉を絶妙な塩梅でかけられるのすごい。迷惑じゃないよ、っていうより迷惑かけても一緒に苦労するから、のほうがなんとなく肯定的というか、周りに迷惑かも、と思っているニキの感性そのものまでは否定せずに、且つそれは問題ないことだと諭すのって大変だと思うんですよ……

    ニキくんのそういう悲観的すぎて楽観的な考え方を「あいつはそういう生き物」と流してしまうのではなく「呪い」だと言い切り、解ける、直せる、他人と同じかそれ以上の価値ある人間だと自分で思う権利がある、迷惑かけたって大丈夫な人間だと思うことができる、と言い聞かせているのめちゃくちゃ愛のひとなんですよね燐音くん。自己評価が低くなってしまったことにニキの生育環境は起因しててもニキの考えてることは何の関係もないんだもの、自分の努力じゃ超えられない壁、変えられない環境にぶつかって色々を諦めてしまうのがどれほど虚しくて酷いことかっていうのは、生まれながらにして次期君主の補佐として命題を与えられてる一彩の才能があるのに凝り固まってしまった姿と、生まれながらにして次期君主以外の道が存在してなかった燐音自身とを重ねると自ずと見えてくるんだと思います。一彩の「僕は兄さんの弟として生まれたんだから兄さんの補佐をするのは当たり前だよ」とニキの「僕はそういう体質に生まれてきたから生きていられるだけでありがたいのは当たり前っすよ」を切り離して考えられるような人間には思えないんですよ、天城燐音くん。それは自分にも当てはまるだろうし、「俺は君主の息子っていうはずれくじを引いたので好きなことをするのも許されず才能ある弟を使い潰すのも仕方ないです」って言うか?って考えたときに絶対絶対無理だし、それと同じことをこの弟と命の恩人は言ってるって思ったら手を伸ばさずにはいられなかった。ニキを助けることで運命は変えられるという事実が残ってそれが燐音の勇気になる。他人を助けたことで自分も自分に救われる。

    そういう感じで絶妙な言葉をかけられるのをニキは知ってるのにわざわざ敵をつくる言動をするのが意味わかんないんでしょう……。あと、ニキくんはお料理だけなのかなと思ってたらふつうに菓子も作れる万能型だし、その腕だっていろんなコンテストで優勝できるレベルのガチのアレ(語彙力)なのめちゃくちゃ好きだなと思いました。シナモンが繁盛してるのはニキくんの顔のおかげじゃなくて味のおかげ。にしても、「表の料理界には名前とか顔を出したくない」からこそ永遠にバイトかけもちしてるんだと思ったらなんだか泣けてきます。あくまでバイト。自分自身を出していくようなプロの料理人としては生きてはいけないと思っているから料理できる環境はととのえているけど『椎名ニキが腕をふるって作った』という状況にはお父さんのことがあって出来ないと思っている。そのくせ「苦しいなら苦しいって言わないでニコニコしてみんなには『つねにいつもの椎名』と思わせて、突然リミットが来てぶっ倒れたりする」というのが個人的にスターマインの遊木真と重なってみえました。それを言ったのが他でもなく燐音くんなの、めちゃくちゃニキくんのこと見て考えて生きてるのがわかってなんとも言えない感情を抱えています。

    ニキがなぜ168話でやり残したことがあるなら、って言って燐音に遮られたあとに言葉を続けなかったのかは「燐音が選んだ生き様は切り捨てないし否定しない」のがニキの生き様だから、燐音が自分で故郷に行くって決めた以上それを否定するつもりもなかったからだろうなとおもいました。その選択が燐音にとって正しいかどうかは燐音が決めることだから、燐音が決めたという事実を肯定することがニキにとって最大の情で。父関係で色々あったニキにとって「自分で道を決める」って相当デカいんだろうなと168話らへんを読むと理解できるので、選んだ道を否定しないことがニキから燐音への愛情だし、その道がまったく正しくはなかったとしても「なんでそう決めたのか」という選択そのものは否定しないことで、いつか自分で自分の道を決めたときの礎になる。選択したことを否定したりするんじゃなくて、隣に並んで歩いて転びそうになったら引っ張ってくれる。そんな関係がふたりには合うんじゃないかと思います。

    HiMERUが「いじらしい生き物が好き」と発したのこはくちゃんだけに向けたのかなと思いましたが「虫でもおるんか」に対して「4匹ブンブンしてる」と答えてたので自分も燐音くんもニキくんも含めてそう答えているの、お前がいちばんいじらしいわ!と思ってニコニコしてしまいました。Crazy:B大好き。4人で幸あれ。

    旧館の寮があるのにニキくんの家に入り浸ってる理由も「三食昼寝付きで楽だから」と傲慢に居座っているけど実際あの夏の夜みたいにニキくんがひとり空腹で倒れてしまったらと考えて、そばで見てなくちゃいけないけど、でもそれを普通に言ったらニキくんはそんなわざわざ……って言うと思うので、あくまで自分のためと言い張って無理やり押しかけてるんじゃないかと思いました。「ニキ危機一髪!」でも単にニキの食料を奪ったんじゃなくてそれをわざわざ一彩くんに手渡したことで、ニキがお腹が空いてたら食べ物を分けてくれるように一彩くんに遠回しに教えて対処できる人間を増やそうと思っていたのかなとちょっと思ったり。こはくちゃん2話でも同様に「対処法」を教えていて、自分が見てないところでニキくんになにかあっても大丈夫なように地盤固めをしているように思っています。


    「今まで聞いたこともないような感動的な台詞」って結局なんなんですか
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    gyonoto

    MOURNING以前書いていた創作です。自分の名前が嫌いな女の子たちの話。
    名前(或いは過去の話)高校の頃まで、母親がつけてくれたこの名前が私は嫌いだった。外国人と結婚しても違和感がないようにとつけられた柚莉愛という名前とは裏腹に私は日本をこよなく愛する文学好きの地味な女に育った。おしゃれには興味がなく、1500円のファンデーションを買うなら1500円のハードカバーを買いたいと思っていたような女だ。眼鏡をかけた、前髪の長い、本当に目立たない女に、ユリアなんて不釣り合いすぎて恥ずかしくて、私はいつだって苗字で井丸です、と名乗った。

    高校で出会った佳子ちゃんはみんなにはカコちゃんと呼ばれているけれど、私は正しくヨシコちゃんと呼んでいる。私はカコちゃんなんて呼ぶ柄ではないし、烏滸がましいとさえ思って今でも一度もカコちゃんと呼んだことはない。それでも最初は芳村さんと呼んでいたのだから、ヨシコちゃん呼びになったことは褒めてほしくすら感じる。佳子ちゃんこそ柚莉愛を名乗るべき女の子で、モデルさんみたいに(尤も、モデルさんなど知らなかったけれど、佳子ちゃんに宿題として渡された雑誌のモデルさんの女の子たちがとても佳子ちゃんに似ていた)綺麗で、肌が白くて、頬はピンク色で、いい香りがして、外国人とかお人形さんみたいなのだ。佳子ちゃんがどうしてカコちゃんと呼ばれているかというのも、佳子ちゃんがヨシコっぽくないからだ。佳子ちゃんのお母さんとかお父さんには失礼だと思うけれど、佳子ちゃんは本当にヨシコって感じではなく、専らユリアなのだ。しかも、ヨシムラさんという苗字なのにヨシコと名前をつけたセンスも疑ってしまう。ヨシムラヨシコ。野比のび太じゃないんだから、と思うし、佳子ちゃん本人もそれを少し気にしていて、カコちゃんと呼ばせていたようだ。交換してあげたい。佳子ちゃんをどうにか柚莉愛にして、私が佳子ちゃんになりたい。いつも思っていた。
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    gyonoto

    MAIKING愛(と)読書とニキ燐 この間載せたやつの増補版進捗です 書けているところまで好きな本を聞かれるのが、昔から何故か自分の頭の中を覗き見されるみたいで怖かった。僕はこう思っています、という頭そのもの、あるいは心臓を曝け出すような気持ちがして、思考を読まれるみたいで、だから自分がどんな本が好きかという話をするのがなんだか苦手で、読書にはあんまり積極的ではなかった。嫌いではなかったんだけど、読むなら隠れて読みたかったし、どうせ隠れるなら何か食べたかった。

    だから燐音くんが、あのころ僕のカードを使ってしょっちゅう図書館に行っているのも僕からしたら変な感じだった。市立図書館のカードを作っていただけ僕もまだ読書と縁が皆無なわけではなかったけれど、レシピの本を探すとか、読書感想文の本を探すとかでしかいったことがなかったし、それすら最近は学校の図書室で済ませていたからご無沙汰だった。僕の市立図書館の貸出カードの履歴は急激に回転したことだろう。学校帰りによく迎えに行ったものだ。本当は他人にカードは貸与してはいけないルールがあるから、バレるんじゃないかとドキドキしながら。食料のこともあるのに、これ以上罪を重ねたくないのに、燐音くんは僕のそんな懸念すら跳ね除けて、この現代の子どもに 6285

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