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    mikan_hero11

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    mikan_hero11

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    夏と電車の話
    アカデミーな2人

    駆け込み乗車はおやめください 走る。並んで走る。日差しはまぶしい。荒い呼吸の合間で街路樹が風に揺れる音が微かに聞こえる。昼間で道を歩く人が少ないことが幸い。走って走って全力疾走。
    「っ、急げキース!電車に遅れる!」
    「っは、わかってるっての!」
     どうしてこうなったんだ。バス代ケチって歩いって行こうって言ったからか?
    「どうしてもこうしても、貴様が忘れ物したからと一度戻ったことが悪い!」
     どうやら心の声は口から出ていたらしい。
    「お前だって途中で喉が渇いたってコンビニ寄っただろ!」
     言われた文句に負けずに反論を返す。正直自分が99%悪いとは思ってる。でも残り1%はブラッドが悪い。
    「うるさい!いいから足を動かせ!」
     本来、長距離を走るならばペース配分が大事になる。けれどオレたちはバカみたいにずっと全力疾走している。ヒーローになるための訓練の成果がこんなところで発揮されることになろうとは思ってもみなかった。
     2人分の荒い呼吸を聞きながら走る。心臓はさっきからずっとうるさい。太陽は容赦なく照りつけて汗が止まらない。風さえ涼しさをくれるどころか生暖かい。チラリと横を見る。いつもの澄ました顔が必死に塗り替えられている。暑さで染まった頬とそこをつたう汗。ああ暑い。
    「急げっ、もう少しで発車する!」
     ブラッドは腕時計を確認しながら声をかけてくる。駅はもう目前。ずっと走ってきたペースのまま駅の構内に入る。さすがに少なくない人をかき分け改札を通る。多分発車まで1分もなかった。オレとブラッドはそのまま乗る予定の電車に駆け込んだ。駆け込んだホントに直後、背後で扉が閉まる。電車に乗っていた乗客は驚いたように視線をこちらに向けて、すぐに戻した。
    『駆け込み乗車はご遠慮ください』
     まるでオレたちを咎めるようにアナウンスが流れて、電車が発車する。
    走ったことと、太陽にずっと照りつけられたおかげですっかり火照った体に電車内の冷房がしみる。思わず膝に手をついて腰を曲げる。
    「はぁはぁ、っあ~~~~~~」
     電車に乗っていることもお構いなしに声が出る。間に合った安心感とドッときた疲労。声がでるのも仕方ない。
    「すぅ…はあ…」
     すぐ隣でブラッドもなんとか呼吸を整えようとしている。ブラッドを見上げれば、その顎を汗が一筋つたう。それから、
    「ふ…ふは…ははっ…」
     耐えられないというように笑い出した。なんとか抑えようとしているのか手を口元に持っていっているが意味をなしていない。ここは電車の中なのを忘れているのか。
    「っくく」
    「おいブラッド、電車の中だぞ」
     乗車時に負けないくらい視線を集める。何事かと視線が語っている。
    「わ…悪い、ふふ…」
     それでも、ずっと笑っている。何がそんなに面白いんだ。何がこいつのツボに入ったんだ。
    「間に合ったな」
    「へ?」
    「だから、間に合ったなと言ったんだ」
     何が面白いのか、それが率直な感想。
    「こんなに暑いなか、無理せずにバスを使えば良かった上に、ここまでずっと走ってきたことが馬鹿馬鹿しく思えてきてな」
     くくっ、と笑う。こんな風に笑うんだな。いつも見ない笑い方に素直な感想を覚える。これも全部走ったおかげか、夏のせいか。
     オレのこの高い心拍数も、顔が熱いのも、全部全部夏のせいで、走ったせいで、ブラッドのせいだ。
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    Replies from the creator

    mikan_hero11

    DONEご飯キスブラ開催おめでとうございます!
    キースが作ったり、ブラッドが作ったりして、それを食べている話。自分の書きたいままに書いているため、寄り道をたくさんしています、ズレがあるかもしれませんが、頭を空っぽにして読んでください。
    どうでもいいと思いますが、料理に関しての持論は目分量でも案外何とかなるです。
    作る理由は ブラッドとオフが被った。運良く重なったのか、ブラッドがこっそり調整したのかは分からないが、いずれにしろオフが重なるのは本当に久しぶりだった。いや、実際には何度か被ってはいたが、緊急出動なり、もともと被っていたがどちらかが急に仕事だの用事だのと神様にいたずらにもてあそばれていた。
    そんなわけで、オフが重なっている日の1週間くらい前からオレはらしくなく、ティーン顔負けなほどにそわそわしていた。ジュニアからは気持ち悪い、フェイスからは変な物でも食べた?と、ディノからは通常運転ラブアンドピースと言われた。ルーキーからの扱いがいささかひどくないか?という言葉はぐっと飲み込んでおく。さらにこの1週間は、さながらブラッドのご機嫌取りでもするかのように非常に真面目に職務に取り込んだ。変なことでオフの時間を侵食されてはかなわないからな。そんなオレにブラッドは、頑張っているなとか、そんな労いの言葉がないどころか、変な物でも食べたか?と。兄弟はこういうところでも似るんだと変に感心してしまった。そんなこんなで、オレはブラッドとのオフを誰にも邪魔されずに過ごすため、あくせく働き、謎に禁酒までしていた。オフの前々日には、ジュニアに本気の心配をされた。それくらい、自覚はあったがいつもと様子が違っていたらしい。
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    【Toy Freddy x Nightmare Bonnie/玩具弗雷迪x噩梦邦尼】
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    【自定义夜地区实际上是在地狱设定】
    【Fretoy/弗雷托=玩具弗雷迪】
    【Bonimare/波尼曼尔=噩梦邦尼】
    邪教系列之Toy Freddy × Nightmare Bonnie噩梦邦尼(Nightmare Bonnie)、波尼曼尔(Bonimare),现在面临着人生的一个十分重要的难关。

    他看着眼前的电脑上的大屏幕,开始有些冒冷汗,指甲尖利的手指快速地在几个按钮间切换,看着屏幕上那个绿衣少年的笑脸开始感到有些烦躁起来,而旁边笑眯眯地看着自己的那个褐发青年更是让自己更加恼火起来,强忍着脾气才没有把这个手柄砸到身旁那个青年的脸上。

    回到一个小时前——

    在一小时前,由于现在是在休息时间了,所以波尼曼尔也稍微比较轻松一点,于是在附近的地方开始散步起来。不过本来自己也就比较清闲的,毕竟一夜只攻击一次、而且还不知道有没有机会出动,所以闲余时间还是很多的。

    这么想着,他不知不觉从保安室的右侧走廊走到了零件服务房。他抬起头去看着房间上面的牌子,然后伸出手去试图拧开门把手,但却发现门从里面反锁了。本也只是因为好奇心而想进去看看的波尼曼尔无所谓地耸了耸肩,正准备离开之时,房间那边却突然响起了很大的响声,似乎什么东西倒塌了一样,然后里面开始传来急切的脚步声,之后门猛得打开一拍拍在了墙上,墙壁甚至因为这次撞击而出现裂痕,门也有点要碎掉的迹象。
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