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    せんぽー

    @Senpo122

    🦚🌟載せていくよ!!
    R18のアベ星を猛烈に書きたいっ!!

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    せんぽー

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    アベ星🦚🌟 学パロ続き 

    ルート1 第11話
    大学受験した🦚🌟のお話

    #アベンチュリン・タクティックス
    #アベ星
    Avenstelle
    #アベンチュリン(崩壊スターレイル)
    Aventurine (Honkai: Star Rail)
    #星(崩壊スターレイル)
    Stelle (Honkai: Star Rail)

    アベンチュリン・タクティックス ルート1 第11話:娘さんをください 前編 時は過ぎ、3年生となった星とアベンチュリン。大学受験のシーズンがやってきた。

    「うっ……さむっ………」

     冷たい風が吹き、星はぶるりと体を震わせる。もう3月だというのに、まだ冬のように空気が冷えていた。

     見上げれば、雲一つない快晴の空。空の青が琥珀の瞳に映っていた。

    「大丈夫? 寒かったら、僕に寄ってもいいよ」
    「ありがとう」
    「コートの中に入ってもいいからね」
    「それはやめておく」

     そんなことをすれば、変に目立ってしまう。大学の先生だって見ているかもしれないのだ。触れたい気持ちは分かるが、ここはぐっと堪える。

     家に帰ったら、アベンチュリンの髪がわしゃわしゃになるぐらい触ってあげよう。

     アベンチュリンとともに大学へと来ていた星。今日は待ちに待った合格発表の日だった。

     校舎前には星と同じ受験者とその家族らしい人だかりで、その先には大きな看板には番号が張り出されていた。星たちは人の間を縫い、看板の近くへと出る。

    「アベンチュリンの番号3232だったよね……どこだろう」

     指を看板へ伸ばし、アベンチュリンの番号を探す。自分の番号を探すのは怖かった。探す勇気がまだ出なかった。

     だから、先にアベンチュリンの番号を見つけて、一安心した後に見つけたい。

     アベンチュリンの番号がなくては自分が合格しても意味がない。だいたい彼の番号がなければ、自分の番号があるはずがない。

     星とアベンチュリンは経済学部を受験している。経済学部の欄を下から上へ右から左へと隅々まで確認していく。

     すると————。

    「アベンチュリン! 見て! あそこに番号が!」
    「星の番号もあったよ」
    「本当!?」

     アベンチュリンが指さした方向。そこに星の番号が確かにあった。また、星が指した方向にもアベンチュリンの番号があった。

    「合格できたんだ……」

     安堵し小さく笑みを零すと、星はアベンチュリンの手をぎゅっと握った。

    「おめでとう、星。これからも一緒でいれるなんて嬉しい」

     これからも一緒————その言葉は自分を安堵させる。アベンチュリンだけが合格していれば、後期での勝負となる。後期は合格率がぐっと下がってしまう。

     ランクを落とし、確実に合格ができる他の学校を選んでしまえば、アベンチュリンとは別の大学に通うことになる未来だってあった。だが、星は見事合格。

     彼女は人一倍頑張った。星は元々勉強はできる方だったが、勉学に励まず課題も手につかずにいたためか成績は下の中。

     それがアベンチュリンと付き合うようになって、同じ大学を目指すようになってからはガラリと変わった。

     授業中は寝ない。先生への質問には無視をせず答える。まぁ、その返答もだるそうに答えてはいたが、彼女にしては大きく成長していた。

     放課後は図書館に行ったり、教室で残って勉強したり、人が変わったように勉強し、テストの度に点数を上げていく。

     たまに息抜きをしつつ、アベンチュリンに教えてもらいながら、家に帰っても姫子にも見てもらいながら頑張った。

     朝はしっかり起きて、夜は早めに寝る。受験に備えて生活リズムも整えていった。

     その努力の結果が今日出た。

     白の看板に黒で書かれた星の受験番号「2220」。そこに確かにあった。じんわりと視界がゆがむ。

    「星? 大丈夫?」
    「…………え?」

     ぽたぽたっと涙が地面に落ち、はじける。白い頬を涙が伝っていた。

    「あれ………?」

     拭っても拭っても涙が溢れてくる。アベンチュリンは星を隠すようにコートで覆い抱きしめた。

    「これ、嬉し泣きだ」
    「そっか」

     ベンチで休むと、涙も落ち着き、アベンチュリンから離れる。泣き過ぎたせいか、目が若干腫れていた。

    「落ち着いた?」
    「うん。もう大丈夫」

     ぽんぽんと星の頭を撫でるアベンチュリンの手は、不思議と安らぐ。もう少し撫でてほしい。

     アベンチュリンの手が離れていくと、「あ」と星は名残惜しそうにこぼしていた。

    「星が落ち着いたところで……これからどうしようか?」
    「先生たちに報告しよう。きっと気になってるだろうし」
    「だね。親にも言いに行かないとな。その後はどうする? 合格祝いにご飯でも食べに行く?」

    「うん、行きたい。夜はみんなで合格祝いだって言って宴になるだろうから……お昼は静かに2人で食べたいかも。アベンチュリンは食べたい物とかある?」
    「そうだな………ハンバーグとかどうだろう? パフェもいいな」
    「それ私が好きな物だよ。今日はアベンチュリンの好きなものにしよう」

     手続きや学校への報告を済ませると、星たちはカフェに寄って息をついていた。

     コーヒーの香りが漂う店内には穏やかなクラシック音楽が流れている。お昼の時間も過ぎていたためか、客は少なかった。

     合否が分かるまで緊張し肩が上がっていたが、店内は人目が少ないからゆっくりできる。今ではすっかりだらけて、星はパフェを貪っていた。

     そんなリラックスしきっている彼女を、アベンチュリンは顎に手を当て細めた目で見つめている。

     好物の1つであるビーフシチューを食べ終えてた彼は、珈琲を楽しんでいた。

    「ねぇ、星」
    「ん? なぁに?」
    「一緒に家を借りようか」
    「えっ」

     一緒に暮らす?
     アベンチュリンと……自分が?

     突然の提案に星はパチパチと目を瞬かせる。困惑で何も言葉が出ず、黙々とパフェを食べながら、アベンチュリンの言葉を待った。

    「僕らの家ってさ、大学から距離があるだろう? 星と一緒に通学できるっていうのは嬉しいけれど、毎日長時間の通学となると大変だと思うんだ」
    「確かにそうだけど………」

     大学から今の家からは距離があり、通学に最短でも1時間はかかってしまう。星は受験前から1人暮らしを検討していた。していたが………。

    「それに星と暮らしてみたいんだ。おはようからおやすみまでずっと一緒にいたい」

     目覚めた瞬間、見えるアベンチュリンの寝顔。1日のスケジュールを共有しながら、ご飯を一緒に食べる朝。

     帰りが遅くなった時にはアベンチュリンがご飯を作ってくれてて……お風呂も一緒に入って、一緒のベッドで寝る……たまに深く繋がり合って、またおはようと挨拶を交わし、目覚めのキスをする。

    「………っ」

     アベンチュリンとの一日を想像した瞬間、口が綻び、最後の妄想で頬に熱が集まっていく。

     てっきり、そういうのは結婚してからだと思っていた。
     ————でも、先に同棲するのもありだよね?

     星の答えは自然と決まっていた。

    「うん………いいよ」
    「えっ、ほんと!?」
    「? なんでアベンチュリンが驚くの?」
    「いや、こんなに早く返事がもらえるとは思ってなくって」

     星は俯き一生懸命赤くなった顔を隠す。残念ながら、真っ赤な耳は隠せていない。それすらも可愛いとアベンチュリンは口角を上げた。
     
    「その……前々から、いつかアベンチュリンと一緒に住めたらいいなって思ってたんだ」

     覚悟を決めたアンバーの目。頬はほんのり赤く染まっているが、揺るぎない瞳がアベンチュリンを捕える。口角を上げてニコッと笑っていた。

    「だから、頑張ろうね。アベンチュリン」
    「———え?」
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