可塑chang☆quiet followDOODLE中年鯉月(??) #鯉月 Koito/Tsukishima 邸宅の近くに、それは草花を愛するご婦人が住んでいた。四季折々の色に溢れるその庭を、あの人と歩きながら見るのが好きだった。「基、お前はこんなにも彩り豊かな日に産まれたのだな」極彩色の景色を眺めながら、あの人が感慨深げに言った。快晴の四月だった。その日私達は、ある人に会いに行くことになっていた。駅をいくつか跨いで、東京駅に向かう。未だ慣れぬ雑踏を抜け、ようやく待ち合わせのカフェーへ辿り着いた。美味さの分からぬコーヒーなとを頼み、いかにもなヒラヒラした割烹着を着る女給から接待を受け辟易するも、待ち人の列車の到着を待った。ここしばらく、あの人は偉く渋ったような小難しい顔をずっとしていたものだから、私はとうとう勘当なり離縁なりを申し渡されるものだと思っていた。その待ち人だって、もしかすれば若い正妻となる人物やもと考え、とうとう来たかと静観を決めこもうとしていた。「なあ基」そう言ったあの人の声音は低く落ちていて、そら見ろと思った。言わんこっちゃない、今日がその日だと。こちらを呼んだあの人は、その言葉の後はまた黙りこくってしまった。階下から聞こえ上ってくる蓄音機のよくも分からぬ荘厳な音と、騒がし気な客たちの声。しばしそうして彼を見ていた。今日で最後になるかも知れない。「もう駄目だ、日本は、近く戦争になる」戦争、その言葉に薄らぎ始めていたはずの記憶が奮い起こされる。「近々世界中で起こる、その大戦に日本もひと噛みしようと動き始めた」「ずっとそうではありませんか。それで、今度はどことなんですか」「まだ分からん。取り敢えずは満州とシベリアへの出兵を予定立ててはいるが…」「さようですか」「私もいつ駆り出されるか分からん」あの頃、あの血みどろの金塊騒動を経て生き残った彼は、中尉へ昇級すると同時に、青山の陸大へ入学した。そして私は……逃げ出した。中央への造反としての罪があったのだし、勿論のこと不名誉除隊である。北海道を逃れ、何となしに長野の山に住んでいたが、あれよあれよと陸大を卒業したこの人に捕まり、気付けば東京で彼の邸宅に二人で住まうことになっていた。逃げたのも、偏にこの鯉と音之進という元上司に言われてのことだった。あの日私を見付けだした彼は、胸に金星の陸軍大学校卒業徽章を付けて、息を切らしてやってきた。そうして三年ばかりの山籠り生活は終わり、途端賑やかな都会での暮らしと様変わった。「中央の参謀となる方がそう簡単に外征を言いつけられますか」「上には上がおるのだ。それにもう無天組がうるそうてかなわん!」陸軍大学校卒業徽章、通称天保銭を持たぬ将校との軋轢ややっかみが酷いのだとここ数年さんざっぱら聞かされてきた。特に無天のハギのハゲが好かんと息を巻く。その時、若い女性がお包みの中に大事そうに赤子を抱いて、女給に伴われ階段を上がってきた。「それでだな。いつ戦争になるかも分からん、いつ私が外征に行くかも分からん。そんな状況でお前を一人家に残しておくのは気が遠くなるほど不安だ」「はあ…不安ですか」「どこぞの男を連れ込むかもしれん」「今までそんなことありました?」「ハァ!連隊切っての魔羅喰らいと噂されとったお前が!」「何ですかその禍々しい不名誉な二つ名は」「おがたが言っちょった」「死人に口無しとはまた非道な人ですね」「まあ冗談だ。とにかく不安で仕方がない。だからだな」ゴホン、わざとらしく咳払いをした鯉との横に、先程の女性が並び立つ。「養子を、迎えようと思う」緊張した面持ちで、未だ乳飲み子の頬の赤さの残る赤子を、この人は女性から受け取った。「む、何だか甘い匂いがするな」「乳をあげてから来ましたので。ようく眠っております」女性が答えた。私はどうにも状況が飲み込めず、ぼうっとその二人を見ていた。「は、基……?」不安げな声に呼び戻され、二人を、いや赤子を含めて三人を見渡す。「いやか…?」もうじき少佐に昇級すると決まったはずなのに、眉尻を下げて情けない顔をする。大声で叱ってやりたかったが、寝こける赤子の手前だとグッと飲み込む。「野良犬を拾ったのとは訳が違うのです。健やかに育み、情緒を育てなければならんのですよ。人の子です。大尉殿、この子は人の子ですよ」「ぐぬ…しかし……私の親戚筋の家のもんだ。子が増えすぎて困っていると言っていて……」「貴方のお家の筋なのでしたら、ちょっとやそっとで困るわけないでしょう」ちらりと女性を見ると、恥ずかしげに顔を赤らめてから言った。「この子で十人目なのです」何とも言えなくなった。自分より確実に年下であろうこの女性のその胆力に恐れ入った。「あと2ヶ月もすれば乳離れもできますから」念を押すように彼女は言う。「しばらくの間、うちで世話を教えてもらう。帰ったら一緒に掃除をしような基」快晴の四月。私は父となった。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow 可塑changDOODLE【稚鯉】鯉ちゃんってさ…なんかイメージ小さい頃からお喋りさんなとこあるよね……ずーーーっと喋ってる3歳児みたいなの見たいな……足らずの舌で薩摩弁喋りながら月島の膝の上にずーーっとおんのん。可愛いな。可愛がりたいな「あんね、そいでね、ちゅいちま、きいとーか?おやっどゆうちょいました!あぱんま、よーけ、うまかとゆーちょいまいた!おあんのおおげ!おいちーゆうて!おいはね、おあん、よごれとちおもっ。そいはちがーよゆあれた」「そうですか、違いましたか」「ちあいました」「そうですか〜」「おちりのな、おちりのこっち、かゆか」「汗疹ですかね」「わあらん。ちゅいちまかいかいして」「血が出ますよ」「ち?おいちっとーよ!ちはててんなかな?ながえちょーど。こりょんだあ、でる。いた〜い!!」「イタイイタイですね」「おちりいたか」「えっ痛いんですか」++++++++++++++「ちゅいちあ!ちゅいちあ!」「はいはい」「こたなとお!おったや!」「どうしました坊っちゃん」「ひゃ〜もう、おいはちかれもした!」「疲れましたか」「そうよ〜だあってとおかじゃあ!おいがんあってきあした」「お疲れ様です」「あい」「ここは私の部屋ですよ」「とおかじゃ〜!」「と言うか私ももう寝ようかと思ってるんですが」「あんさ、おいはね」「はい」「いっちょにねたらよかおもおな〜」「午前0時ですよ今 858 可塑changDOODLE中年鯉月(??)邸宅の近くに、それは草花を愛するご婦人が住んでいた。四季折々の色に溢れるその庭を、あの人と歩きながら見るのが好きだった。「基、お前はこんなにも彩り豊かな日に産まれたのだな」極彩色の景色を眺めながら、あの人が感慨深げに言った。快晴の四月だった。その日私達は、ある人に会いに行くことになっていた。駅をいくつか跨いで、東京駅に向かう。未だ慣れぬ雑踏を抜け、ようやく待ち合わせのカフェーへ辿り着いた。美味さの分からぬコーヒーなとを頼み、いかにもなヒラヒラした割烹着を着る女給から接待を受け辟易するも、待ち人の列車の到着を待った。ここしばらく、あの人は偉く渋ったような小難しい顔をずっとしていたものだから、私はとうとう勘当なり離縁なりを申し渡されるものだと思っていた。その待ち人だって、もしかすれば若い正妻となる人物やもと考え、とうとう来たかと静観を決めこもうとしていた。「なあ基」そう言ったあの人の声音は低く落ちていて、そら見ろと思った。言わんこっちゃない、今日がその日だと。こちらを呼んだあの人は、その言葉の後はまた黙りこくってしまった。階下から聞こえ上ってくる蓄音機のよくも分からぬ荘厳な音 2030 可塑changDOODLE現パロ鯉月もう寝ようか、そううとうとし始めた午前0時前。インターホンが鳴ったものだから、月しまは怪訝な顔をして階下へおりた。小さな液晶画面の中には、疲れてしょぼくれた顔の鯉とが立っているではないか。急いで門扉を解錠し、玄関に走る。冷たい外気を纏った男は、珍しく萎れた顔付きで帰ってきた。「どうしたんですか一体」出張のため西へ赴いていたはずの同居人は、明日の夕頃帰宅するはずだったと思う。月しまは慌て駆け寄り、男の両手いっぱいの荷物を引き受ける。「連絡をくれれば駅まで迎えに行きましたが」「……」「何ですか口を尖らせて」モゴモゴと何か聞き取れぬ声で物を言いながら靴を脱ぐと、鯉とはそそくさとリビングへと逃げていく。後ろめたい何かがあると言わんばかりだ。月しまは玄関を施錠すると、キャリーケースを置いたままにし後を追う。「具合でも悪くなりましたか」「……ちご!」豪勢なソファに顔を埋めながら鯉とが反論をする。「まあ…違うならいいんですが」「おいは情けなか!」深夜の住宅街に響くような大声だ。「何か失敗でもしましたか」「ちごぉ!……おいはたったの2泊3日すらこなせん男になってしもうたッ」 1160 可塑changDOODLE【死ネタ】鯉月が早々別離となり数十年後、鯉ちゃんが亡くなってる壮年の話。残された家族の夕べ(鯉月の二人は一度も出てきません)盛大な父の葬儀が終わり、やっと喪があけた頃。あの頃よりもほっそりとした母と静けさの目立つ居間で、庭木を見ながらお茶を飲んでいた。父が亡くなったのは快晴の春。冬の灰色からは想像もつかないような青の目立つ空の日だった。小池を臨む縁側は光溢れ、空の青も葉の緑も濃く、初夏の足音がする。眩い生命の庭の片隅では、大輪の白い芍薬が顔を綻ばせている。どこぞの梢でコルリがチヨイチヨイと高く鳴き、夏が来るぞと言っているようだった。まるで父の如き騒がしさだ。「○○ちゃん」母が私を呼んだ。「なあに母様」「わたし、あの人に愛されていたのかしら」何を言うのだろう。あれほどまでに分かりやすい愛を向ける男など、今日日父くらいしか私は知らない。陸軍将校であり、閣下と呼ばれ、厳格で忠実なあの人が、顔を綻ばせ帰ってくるのを、十数年は見てきた。「……どうしてそう思うの?」「さあ…何でかしらね……寂しいのかしら、私」「父様は騒がしい人だったものね。急に静かになっちゃって、きっと耳が驚いているのよ。こんなに静かなの久しぶりだって」「そうね……そうだといいわね」浅く笑う母は綺麗だ。華奢な指先、桜貝の如き爪、白 2288 可塑changDOODLE鶴月「なぜ自分なのですか」この男を右腕に選んで数年しても、同じように苦悶の顔で彼は鶴みに尋ねた。何度も、何度も。その度に「お前だからだ」と言い聞かせた。しかし男は「他に最もな適任者がおります」そう言って聞かなかった。大切に育まれなかった男の自尊の心は、いつになっても小さく幼い。それを可哀想だとは思わない。自分で育てることだって出来るはずだ。しかし最後の一歩を踏み出せないのだろう。ある程度の地位や名声は人の心を強くする。良い方にも、悪しき方にも。しかし何を与えてもこの男のそれは育ち切らず、天を仰ぐ花弁を誇らしげに見せつけることはなかった。事実誰でも良かった。条件が合えば、きっとこの男でなくてもよかった。しかしある一点を除いて、彼に敵う人物は結局のところ現れなかった。どの兵卒でもなく、最終的に“利き腕”としてしっくりくるのは、月しまただ一人だった。そのある一点とは、結局は愛玩性だ。鶴み自身の手に余る部分が幾分かないと、愛しみ甲斐がない。手を掛けて育んだと言える部分が無いと、完成した時の達成感は得られない。鶴みは幾度も行った選定の中でそれを学んだ。愛するという事は、そういうことなのだ。 776 可塑changDOODLE少し不思議な原作時間軸の鯉月と、その前日譚(数年前)「鯉登」「おお、○○。貴様なぜ旭川に」「いやなに、ちょっとした使いだ。久しいな」「よう俺の執務室が分かったな」「お前の母親に聞いたよ」「母だと?」「そんな怖い顔をするな。何と言ったか…補佐役の」「……月島軍曹か」「そうだ月島だ」「まったく…母親とはなんだ」「あの軍曹、口煩いだろう?まるで母親だ」「貴様はまだその様な夢現のようなことを言っているのか」「視えるもんは仕様が無いだろう。しかし…あれは何だ?」「何だとはなんだ」「初めて見たぜ、あんな人間。いや人間ではないのか」「まあ感性に乏しい岩のような面白味のない奴ではあるが、列記とした私の部下だ」「ふぅん……では人では無くなってしまったのかもな」「貴様、何を見た」「腹から薄らとした柔らかい管がどこかに伸びてんだ。何かと繋がったものが、すうっと出ている」「なにを……」「ありゃあ、臍の緒だ。なあ鯉登、お前の世話役、何の子を孕んでるんだ?」「馬鹿げたことを!男が子を成すなど有り得ん!貴様はいつだってその様な世迷いごとを」「いいやこれは絶対だ。胎に人成らざる物を実らせてる。なあ鯉登、お前気を付けなけりゃ… 2958 related works ちょめ@ChomeGKKTTRAINING診断メーカーより。CP現パロ職業メーカー「義肢装具士×官能小説家」。鯉月。月島の欠損表現あり。ご了承の上でご覧ください。 1535 kamman_gkmMOURNING9/24に出した『めざましがなるまえに』の没原稿です。本当はこんな鬱々とした感じで始まる話でした。月島がかなり元カノちよちゃんに未練タラタラで、孤独を拗らせているのでご注意ください。時間もないし全部まるっと没にしたけど、いつか再利用できたらするかも。 4301 wjfjtuu_ppINFO5/4(木)SUPER COMIC CITY 30の超黄金暗号 2023にて発行予定の「全年齢向け鯉月現パロ本」サンプルです。初めてのサークル参加となりますので部数少なめですが余裕であると思うので落ち着いた時にでも覗きにきてやってください🙌 15 JjjianXDOODLE人体很烂,orz,壮年鲤月!!浦西月!!但还是请给我点小心心!不多!十个! taz_netabaMENU鯉月/モブ月※R1820230924 黄金暗号おしながき既刊(棒)¥400、無配、コピ本¥100(まだ描いてる)に加えて12月の新刊予告・両面ペーパー頒布予定です〜匿名にわとりさんとの描き下ろしには☆たのしい工作☆数量限定「鯉月クソコラセット」のおまけつき!ぜひ切って貼って遊んでくださいね!提案された途端爆笑してしまいました…斬新過ぎる…!★18歳(高校卒業)以上ですか? 5 松型ひとななCAN’T MAKEなんとか描けた uconGkDONE鯉月現パロ鯉月はどんなアイス選ぶかなと…鯉のチョイスは見た目が何か派手というところで重なった味のハーモニーは無視して映え重視月は大人なコーヒー味で☕大人なので適量サイズでシングル選びそう明治時代だとアイス、何千円もしていたらしいけど金持ってるからめっちゃグンソに食べさせてたはず!それが見たい(かき氷でも良い) rokuDOODLE🔞tnが出てるだけですhttps://twitter.com/rino_su_ke/status/1636555386311577600?s=46&t=F37zJfnO5Fum94NUE_abKgのオマケ rapssDOODLEぐちゃぐちゃのらくがきでもあげとくか…(なんか処理せざるを得なくなった時におくちでしてくれるぐんそう)※うちは最終回後にデキるタイプなので幻覚かifです18↑高卒済?