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    可塑chang

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    可塑chang

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    現パロ鯉月

    #鯉月
    Koito/Tsukishima

    もう寝ようか、そううとうとし始めた午前0時前。インターホンが鳴ったものだから、月しまは怪訝な顔をして階下へおりた。小さな液晶画面の中には、疲れてしょぼくれた顔の鯉とが立っているではないか。急いで門扉を解錠し、玄関に走る。冷たい外気を纏った男は、珍しく萎れた顔付きで帰ってきた。
    「どうしたんですか一体」
    出張のため西へ赴いていたはずの同居人は、明日の夕頃帰宅するはずだったと思う。月しまは慌て駆け寄り、男の両手いっぱいの荷物を引き受ける。
    「連絡をくれれば駅まで迎えに行きましたが」
    「……」
    「何ですか口を尖らせて」
    モゴモゴと何か聞き取れぬ声で物を言いながら靴を脱ぐと、鯉とはそそくさとリビングへと逃げていく。後ろめたい何かがあると言わんばかりだ。月しまは玄関を施錠すると、キャリーケースを置いたままにし後を追う。
    「具合でも悪くなりましたか」
    「……ちご!」
    豪勢なソファに顔を埋めながら鯉とが反論をする。
    「まあ…違うならいいんですが」
    「おいは情けなか!」
    深夜の住宅街に響くような大声だ。
    「何か失敗でもしましたか」
    「ちごぉ!……おいはたったの2泊3日すらこなせん男になってしもうたッ」
    「はあ…それはまた、どうしてです」
    「聞いても笑わんか」
    「物によります」
    「笑わんって言え」
    「笑いません」
    月しまがそう言ってやっと鯉とが顔を上げた。崩れた髪型に、突き出た唇。何だか恨めしそうな目付きでこちらを見てくる。
    「………寂しゅうて帰ってきてしもた」
    「それはまた……なんとも…」
    「一日目んホテルが堪えた!あげん寂しかとは思わんかった!部屋に帰ってんだいも居らんし、風呂から上がってんわいが居らん!」
    「そりゃあ、出張ですからね」
    「こげんもんもう二度とごめんだ!今度からは月しまも連れて行っでな!」
    「経費で落ちるわけないでしょう」
    「自腹に決まっちょっじゃろ!」
    「いいんですかね、そういうの」
    「わからん。じゃっどんそうすっ」
    「怒られたって知りませんからね」
    「な〜〜ん!そげんこっゆてわいだって家に居てないをすっこともなかじゃろう!」
    「そういう発言は軋轢を生みますよ」
    「すみもはんじゃした…」
    「まあ、知らぬ土地の美味いものを食わせてくれるって言うなら付いて行ってもいいかも知れませんね」
    「まこち!?」
    「はいはい、手洗いうがいしてきて下さい」
    「月しまぁ〜ん!」
    「腹減ってませんか?たらこスパゲティ作りますよ」
    「海苔よかひこ乗せてくれ!」




    たらこスパゲティを啜る鯉とを対面に座りながらただ見詰める。
    「泣きました?」
    「ふぁ?」
    「一日目のホテルで寂しくって泣きました?」
    「………泣いた!」
    「フハッ」
    「こいでもかってくらい声を上げて泣いてやったわ!」

    〜END〜
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    可塑chang

    DOODLE【稚鯉】鯉ちゃんってさ…なんかイメージ小さい頃からお喋りさんなとこあるよね……ずーーーっと喋ってる3歳児みたいなの見たいな……足らずの舌で薩摩弁喋りながら月島の膝の上にずーーっとおんのん。可愛いな。可愛がりたいな「あんね、そいでね、ちゅいちま、きいとーか?おやっどゆうちょいました!あぱんま、よーけ、うまかとゆーちょいまいた!おあんのおおげ!おいちーゆうて!おいはね、おあん、よごれとちおもっ。そいはちがーよゆあれた」
    「そうですか、違いましたか」
    「ちあいました」
    「そうですか〜」
    「おちりのな、おちりのこっち、かゆか」
    「汗疹ですかね」
    「わあらん。ちゅいちまかいかいして」
    「血が出ますよ」
    「ち?おいちっとーよ!ちはててんなかな?ながえちょーど。こりょんだあ、でる。いた〜い!!」
    「イタイイタイですね」
    「おちりいたか」
    「えっ痛いんですか」

    ++++++++++++++

    「ちゅいちあ!ちゅいちあ!」
    「はいはい」
    「こたなとお!おったや!」
    「どうしました坊っちゃん」
    「ひゃ〜もう、おいはちかれもした!」
    「疲れましたか」
    「そうよ〜だあってとおかじゃあ!おいがんあってきあした」
    「お疲れ様です」
    「あい」
    「ここは私の部屋ですよ」
    「とおかじゃ〜!」
    「と言うか私ももう寝ようかと思ってるんですが」
    「あんさ、おいはね」
    「はい」
    「いっちょにねたらよかおもおな〜」
    「午前0時ですよ今 858

    可塑chang

    DOODLE中年鯉月(??)邸宅の近くに、それは草花を愛するご婦人が住んでいた。四季折々の色に溢れるその庭を、あの人と歩きながら見るのが好きだった。
    「基、お前はこんなにも彩り豊かな日に産まれたのだな」
    極彩色の景色を眺めながら、あの人が感慨深げに言った。快晴の四月だった。
    その日私達は、ある人に会いに行くことになっていた。駅をいくつか跨いで、東京駅に向かう。未だ慣れぬ雑踏を抜け、ようやく待ち合わせのカフェーへ辿り着いた。美味さの分からぬコーヒーなとを頼み、いかにもなヒラヒラした割烹着を着る女給から接待を受け辟易するも、待ち人の列車の到着を待った。
    ここしばらく、あの人は偉く渋ったような小難しい顔をずっとしていたものだから、私はとうとう勘当なり離縁なりを申し渡されるものだと思っていた。その待ち人だって、もしかすれば若い正妻となる人物やもと考え、とうとう来たかと静観を決めこもうとしていた。
    「なあ基」
    そう言ったあの人の声音は低く落ちていて、そら見ろと思った。言わんこっちゃない、今日がその日だと。
    こちらを呼んだあの人は、その言葉の後はまた黙りこくってしまった。階下から聞こえ上ってくる蓄音機のよくも分からぬ荘厳な音 2030

    可塑chang

    DOODLE【死ネタ】鯉月が早々別離となり数十年後、鯉ちゃんが亡くなってる壮年の話。残された家族の夕べ(鯉月の二人は一度も出てきません)盛大な父の葬儀が終わり、やっと喪があけた頃。あの頃よりもほっそりとした母と静けさの目立つ居間で、庭木を見ながらお茶を飲んでいた。父が亡くなったのは快晴の春。冬の灰色からは想像もつかないような青の目立つ空の日だった。
    小池を臨む縁側は光溢れ、空の青も葉の緑も濃く、初夏の足音がする。眩い生命の庭の片隅では、大輪の白い芍薬が顔を綻ばせている。どこぞの梢でコルリがチヨイチヨイと高く鳴き、夏が来るぞと言っているようだった。まるで父の如き騒がしさだ。
    「○○ちゃん」
    母が私を呼んだ。
    「なあに母様」
    「わたし、あの人に愛されていたのかしら」
    何を言うのだろう。あれほどまでに分かりやすい愛を向ける男など、今日日父くらいしか私は知らない。陸軍将校であり、閣下と呼ばれ、厳格で忠実なあの人が、顔を綻ばせ帰ってくるのを、十数年は見てきた。
    「……どうしてそう思うの?」
    「さあ…何でかしらね……寂しいのかしら、私」
    「父様は騒がしい人だったものね。急に静かになっちゃって、きっと耳が驚いているのよ。こんなに静かなの久しぶりだって」
    「そうね……そうだといいわね」
    浅く笑う母は綺麗だ。華奢な指先、桜貝の如き爪、白 2288

    可塑chang

    DOODLE鶴月「なぜ自分なのですか」
    この男を右腕に選んで数年しても、同じように苦悶の顔で彼は鶴みに尋ねた。何度も、何度も。その度に「お前だからだ」と言い聞かせた。しかし男は「他に最もな適任者がおります」そう言って聞かなかった。大切に育まれなかった男の自尊の心は、いつになっても小さく幼い。
    それを可哀想だとは思わない。自分で育てることだって出来るはずだ。しかし最後の一歩を踏み出せないのだろう。ある程度の地位や名声は人の心を強くする。良い方にも、悪しき方にも。しかし何を与えてもこの男のそれは育ち切らず、天を仰ぐ花弁を誇らしげに見せつけることはなかった。
    事実誰でも良かった。条件が合えば、きっとこの男でなくてもよかった。しかしある一点を除いて、彼に敵う人物は結局のところ現れなかった。どの兵卒でもなく、最終的に“利き腕”としてしっくりくるのは、月しまただ一人だった。
    そのある一点とは、結局は愛玩性だ。鶴み自身の手に余る部分が幾分かないと、愛しみ甲斐がない。手を掛けて育んだと言える部分が無いと、完成した時の達成感は得られない。鶴みは幾度も行った選定の中でそれを学んだ。愛するという事は、そういうことなのだ。
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    可塑chang

    DOODLE少し不思議な原作時間軸の鯉月と、その前日譚(数年前)「鯉登」
    「おお、○○。貴様なぜ旭川に」
    「いやなに、ちょっとした使いだ。久しいな」
    「よう俺の執務室が分かったな」
    「お前の母親に聞いたよ」
    「母だと?」
    「そんな怖い顔をするな。何と言ったか…補佐役の」
    「……月島軍曹か」
    「そうだ月島だ」
    「まったく…母親とはなんだ」
    「あの軍曹、口煩いだろう?まるで母親だ」
    「貴様はまだその様な夢現のようなことを言っているのか」
    「視えるもんは仕様が無いだろう。しかし…あれは何だ?」
    「何だとはなんだ」
    「初めて見たぜ、あんな人間。いや人間ではないのか」
    「まあ感性に乏しい岩のような面白味のない奴ではあるが、列記とした私の部下だ」
    「ふぅん……では人では無くなってしまったのかもな」
    「貴様、何を見た」
    「腹から薄らとした柔らかい管がどこかに伸びてんだ。何かと繋がったものが、すうっと出ている」
    「なにを……」
    「ありゃあ、臍の緒だ。なあ鯉登、お前の世話役、何の子を孕んでるんだ?」
    「馬鹿げたことを!男が子を成すなど有り得ん!貴様はいつだってその様な世迷いごとを」
    「いいやこれは絶対だ。胎に人成らざる物を実らせてる。なあ鯉登、お前気を付けなけりゃ… 2958

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