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    Natalie5910sksz

    @Natalie5910sksz

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    Natalie5910sksz

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    斬島を模して人型に近付いていく佐疫(異形)
    だけどそこまで書けなかったのを発掘した。本当に書きかけ。

    ぞっとするほど静かな空間だった。陽は届かない。どこにあるかも分からないような微かな光が、辛うじて目先のものを目視させられるほど薄暗い。時おり息遣いがするが、それもまるで禁じられているかのように細い。どういう術なのか、少し離れるだけで音は全く届かなくなる。空間は鉄格子で区切られ、他との接触を許さない。部屋、というにはあまりに無機質なそこの一つ一つに、何かが捕らえられていた。あるものは鎖を全身に。あるものは拘束具で身じろぎ一つ許されない。あるものは封印の符を纏うが如く。その姿も、怪物、けだもの、半魚人、大小様々、まるで統一感がない。あまり隣り合ってはおらず、空の部屋もいくつもある。
    とん、とん、とん。不意に空間に足音が響く。突如鳴り響いたそれにしかし、多くは反応を示さない。その気力が失せている。過敏に反応し声をあげようとした付喪神ーーただし邪気に当てられて害を振りまく存在と成り果てていたーーは札に全身を塞がれ身動きできなくなった。とん、とん、ふと足音が止まる。その陰は、暗闇の中でぱちぱちと目を瞬かせ、じ、と牢の中を見遣った。
    異形だ。灰茶色で、骨めいた羽が背についている。頭部、白く濁ったような目は分かるが他が不明瞭だ。口のような、顎のような部分は後で付けたように不格好。角のようなものもあった。形状はやはり骨に似ている。手足は丸太のように太いかと思えば小枝のように細く、まばらで不揃いだ。時おり骨が突き出している。そのいずれもが、鎖や枷や呪符などで拘束サれていた。
    化け物といって差し支えないそれを見つめたのは人型の少年だった。何倍も小さい。短い黒髪、人間というには青白い肌、大きな青い瞳。
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