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    そいそい

    @soi_07

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    そいそい

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    夜中に思いついたリュウシマ

    秘密の攻防ミーティングルームで、リュウジさんと浜松さんが話をしている。おそらくこないだの戦闘についてだろう。それを眺めながら、ナガラと羽島指令長にもらったお菓子を食べている。これ究極おいしいぞと限定のポテトチップスを次から次へと口に入れるナガラを横目に、僕はリュウジさんの背中、いや、うなじを見つめていた。
    超進化研究所のジャンバーの襟から見えるか見えないかのところ。そこに僕だけしかしらない跡があった。少し距離があるので、ここからではよく見えない。きっと本人も知らないだろう。しかし、そこに確実に僕が刻まれていると思うと高揚感が湧いてくる。
    これは好奇心による行動だった。リュウジさんはいつも冷静沈着でクールである。巨大怪物体の戦闘中でも、焦ったところをほとんど見たことがない。そんなリュウジさんを困らせてみたい。焦ったところを見てみたい。それが自分が原因だったらもっといい。そんな子供じみた好奇心。いつもだったら、大人のリュウジさんに釣り合うように背伸びをしているけれど、所詮僕はまだ小学六年生なのだ。今回は子供であるという事実を、存分に行使しようと思う。
    「資料の確認ありがとうございます。羽島指令長に提出してきます」
    話が終わったのだろう。リュウジさんがミーティングルームから出て行こうとする。その背中に向かって、リュウジくんと浜松さんが呼びかける。なんですかとリュウジさんは足を止めた。
    「首、虫に刺されてるよ」
    「首?」
    そう指摘され、首へ視線を落とすリュウジさんに後ろ後ろと浜松さんが指をさす。それに釣られて、リュウジさんがうなじに手を添えて、あぁとこぼした。
    やっと気づいたなとクスリと僕は笑う。見えないところだったら好きにしていいと言ったのはリュウジさんだ。だから、リュウジさんが寝ている隙に、密かに付けた。リュウジさんには見えないところ。言いつけを破ったわけじゃない。
    真面目でクールなリュウジさんが、キスマークをつけてきたのだ。果たしてリュウジさんはどんな反応をするだろうか。赤面するだろうか。焦るだろうか。それとも必死に言い訳を探すだろうか。そのどれもが、僕が原因だと思うとやはりゾクゾクする。
    「虫じゃないですよ」
    僕の予想を反して、リュウジさんは涼しい顔でそう言ってのける。要領を得ていない浜松さんに向かって、さらに口を開く。
    「犬に噛まれたんです。しつけのなってない犬に」
    困惑する浜松さん越しに、リュウジさんと目が合った。そして、ニヤリと笑った。
    「シマカゼもうなじ刺されてるぞ」
    リュウジさんの一言に、僕はバッとうなじを手で押さえた。そこがなんとなく熱い。その熱がリュウジさんから与えられたものを思い出させ、僕の身体の温度はどんどん上昇していく。僕も見えないところだったらいいですよと確かに言った。けれどもリュウジさんは決して跡を残そうとしなかった。それが寂しいと思っていたが、僕の知らないうちに残してくれていたのだ。ここはジャケットの襟で見えないところ。そして、僕の見えないところでもある。しかし、ここにはナガラも浜松さんもいる。わざわざこんなところで言わなくてもいいのにと、僕は心の中で毒吐く。二人に見られて、なんて言い訳すればいいのか。どうやって誤魔化せばいいのか。僕が一人であわあわしていると、羽島指令長が待っているのでとリュウジさんは行ってしまった。寂しげにリュウジさんが出て行った扉を見つめていると、どこ刺されたんだとナガラが襟の中を覗き込んできた。
    「だ、大丈夫だよ!」
    「ムヒ塗ってやるよ」
    持ち歩いてるんだぜと、無駄に準備の良い弟を呪いながら、引き剥がすために水色の服を掴む。しかし、あれ?というナガラの声にその行動を中断させられた。
    「どこも刺されてないぞ」
    「え?」
    浜松さんも見てと、ナガラに呼ばれた浜松さんも襟の中を覗き込むが、綺麗なもんだよと言うだけだった。
    「見間違えたのかな」
    「そうかもね」
    ナガラと浜松さんが出した結論に、そうだねと僕も頷いておいた。
    そもそもあの位置で僕のうなじが見えるわけがないのだ。僕の悪戯への仕返しなのだろう。リュウジさんは真面目でクールな人である。でも、僕の前では少し子どもっぽいところもある。それは僕だけが知っていることだった。
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    そいそい

    DONEはっぴーリュウシマ真ん中バースデー🥳

    真ん中バースデーとはあまり関係ない話になってしまいました。あと、ひっちゃかめっちゃかしてます。すみません🙏

    ※注意
    かっこいいリュウジさんはいません。
    社会人リュウジさんと大学生シマカゼくんの話です。
    ヤマクラ前に考えた話だったので、シマカゼくんの進路は捏造しています。
    かっこいいリュウジさんはいません←ここ重要
    あの部屋 大学の最寄駅から地下鉄に乗って一駅。単身者向けのマンションの三階の一番奥の部屋。鍵を出そうとしたが、中に人の気配を感じてやめた。そのままドアノブをひねると、予想通りすんなりと回る。そして玄関の扉を開けば、小さなキッチンのある廊下の向こうで、メガネをかけて、デスクに向かっていたあの人がちらりとこちらに視線をくれた。
    「また来たのか」
     呆れながら言うあの人に、ここからの方が学校が近いのでといつも通りの答えを返す。そうすると、少しだけだろといつも通りにあしらわれた。
     ここは僕の下宿先というわけではない。超進化研究所名古屋支部に正式に入所したリュウジさんが一人暮らしをしているマンションだ。もう少し超進化研究所の近くに住めばいいのに、何故か程遠い名古屋の中心部に部屋を借りている。そのおかげで僕は大学帰りに寄ることができているのだ。
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    そいそい

    DONEフォロワーさんからいただいたリクを元にして書きました。あんまりリクに添えた話にならなくて、本当にすみません🙇‍♀️
    リクありがとうございました🙌
    安城家に子守り行くリュさんの話です。
    「こんなことまで面倒かけちゃってごめんなさいね。ほらうち、お父さんが仕事でいつも家空けてるし、おじいちゃんおばあちゃんも遠くに住んでるから、こういうときに困るのよ。だから、リュウジくんが来てくれることになって本当に助かるわ。お土産買ってくるからね。苦手なものとかない? あっ! あと……」
     リュウジさんが持つスマートフォンから母さんの声が漏れ出ている。母さんの声は大きく、よく喋る。それは電話だろうが変わらない。そんな母さんの大音量のマシンガントークをリュウジさんはたじたじとしながら聞いてくれていた。
     母さんは大学の友人の結婚式に出るため、東京にいる。しかし、帰りの新幹線が大雨で止まってしまったらしい。それで今日は帰れないかもしれないと超進化研究所で訓練中の僕に電話がかかってきたのだ。このまま超進化研究所の仮眠室を借りて一晩明かしてもよかったが、あいにくナガラはフルコンタクトの稽古で不在で、家には帰らなければならない。しかし、家に帰ったら帰ったで、僕たち子供しか家にいないことになる。それは母さん的には心配なようで、どうしようかと頭を悩ませていると、俺が面倒見ましょうかとリュウジさんが申し出てくれたのだ。それでいつ運転再開になるかわからないからと、母さんは東京で一泊してくることになった。
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